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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
今年新社会人になる知人から「おすすめの本を教えてください!」とリクエストをいただきました。コロナの影響で1ヶ月自宅待機になってしまったので、せっかくできた時間を利用して勉強したいとのこと。今年の新入社員は入社早々大変ですね。。でも素晴らしい心構え!
ぼくはもうすぐ31歳。社会人になって10年近く経ちますが、この約10年で読んでおいてよかったな、もっと早く出会いたかったなと思う本を厳選して10冊ご紹介します!
専門性のあるものはなく、誰にでも参考にしてもらえると思います。ジャンルは「生き方・働き方」「歴史」「アイデア」「小説」「ソーシャル」から(「マンガ」も追加しました!)。
いわゆる社会人のマナー的なことは会社の新人研修や現場でも教えてもらえると思うので、今回はそういった実務的なことを学べる本は入れてません。けど、この10冊を読めばあなたの社会人生活がより豊かなものになることは間違いなしです。
※アイキャッチ画像の各書籍画像はhttp://www.amazon.co.jp/から。
もくじ
生き方・働き方
君たちはどう生きるか
1937年に出版された歴史的名著といわれる小説のマンガ版。
舞台は1937年の東京。主人公は中学生「コペル君」とニートの叔父さん。世の中や生きる意味について次第に自らの頭で考え始めたコペル君を、叔父さんが導いていくというのがおもなストーリーです。
「人生の意味を知るには、心をうごかされたことの意味を正直に考えること」
「本当に人間らしい人間関係とは、お互いに好意をつくし、それを喜びとすること」
「『生産する人』と『消費する人』という区別を見落としてはいけない」
これらの教えは、これからの人生をより善く生きていくための指針になるはず。
【過去記事】漫画『君たちはどう生きるか』あらすじ・要約・名言まとめ
嫌われる勇気
フロイト、ユングと並んで「三大心理学者」と呼ばれるアルフレッド・アドラーの教えをわかりやすく説いた『嫌われる勇気』。
こちらも哲学者と無知な青年の対話を通して、生き方について学ぶことができます。
他人の考えや行動を無理に変えることはできないから、自分の問題に集中すべきという「課題の分離」という考え方や、「健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、『理想の自分』との比較から生まれる」ということばは、ぼくの人生の大事な軸となっています。
「自分らしく生きたい」と思う方はぜひ。
多動力
ひと昔前まではネガティブなイメージのあった「多動」という言葉をポジティブなものに変換したホリエモンこと堀江貴文さんの『多動力』。
「ひとつの仕事をコツコツとやる時代は終わった」「電話をかけてくる人間とは仕事をするな」「99%の会議はいらない」などの教えが書いてあります。
もちろんすべてが無駄で間違っているとは思いませんが、多くの日本企業が「昔からやっているから」となにも考えずになんとなくやり続けていることではないでしょうか。
会社の常識は社会の非常識であったりします。あなたがたまたま入った会社で当たり前になっていることが当然だと思わずに、「もっと良い働き方はできないか?」と考えてもらえたらうれしいです。
ゼロ
おなじくホリエモンさんの著書『ゼロ』。
スーパーマンのような堀江さんも、やっぱりふつうの人間だったんだということが分かる本です(そりゃそうだ)。
大切なのは「なにもない自分に小さなイチを足していく」こと。
新社会人のみなさんはまだまっさらな状態。そこからひとつずつ小さな成功体験を積み重ねて、成長していきましょう。
歴史
サピエンス全史
いままで考えたこともなかった世界の成り立ちや、文字やお金や宗教の役割を知り、断片的だった世界史やら科学やら人類学やら経済学やらいろんな知識のつながりが見え、「…そういうことか!」と何度も膝を打ち、天を仰ぎました。
そして最後には、「幸福とはなにか?」「人間とはなにか?」という壮大な問いを投げかけられます。
全サピエンス(つまりみなさん)におすすめです。
【過去記事】『サピエンス全史』日本一わかりやすい書評・感想・要約~空白の地図を描こう~
銃・病原菌・鉄
『銃・病原菌・鉄』はピュリッツァー賞を受賞した、人類史の謎に挑む名著。
特にグローバルに活躍していきたい人におすすめな理由が、「なぜ先進国と途上国に差が生まれてしまったのかが分かる」から。
その問いの答えだけ書いてしまうと、「ユーラシア大陸は横に長く、アフリカや南米大陸は縦に長いから」。
これだけ読んでも「どういうこと?」って感じですよね。要するに、先進国と途上国の差ができた要因は「人種」ではなく「環境」だということ。大陸が横長だと気候の変化が少ない分、文化や技術が伝播しやすかったんですね。
いまだに「黒人は劣っている」という優生思想をもつ人もいますが、『サピエンス全史』と合わせて読むとこの世界のことをより俯瞰的に理解できるようになるはず。
アイデア
アイデアのつくり方
原書が発売されたのはなんと1940年。たった100ページほどしかない薄い本ですが、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」という時代を経ても変わらないアイデアを生むための本質が書かれています。
営業、マーケティング、広告、商品開発など特に新しいアイデアが必要な仕事をする人におすすめです。
小説
1984年
全体主義国家によって統治される近未来の世界が描かれた小説。1998年に「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」、2002年に「史上最高の文学100」に選出されるなど非常に評価が高く、世界の文学・思想・音楽に多大なる影響を与えています。
「テレスクリーン」と呼ばれるテレビと監視カメラを兼ねた装置で24時間監視下に置かれた市民の生活。
極端に単語・文法を単純化した新たな言語「ニュースピーク」を使って、ことばを減らすことで「考えること」をできなくして思想を統制すること。
「ディストピア」(表面的には秩序だって管理の行き届いた世界に見えるが、極端なまでの管理社会で言論の自由などがない社会)の寒々しさ、現実世界もこうなり得るという恐ろしさを体感できます。
【過去記事】オーウェル『1984年』あらすじ・要約・書評・感想~人間賛歌の物語~
沈黙
キリスト教弾圧下の日本にやってきたポルトガル人宣教師が、命がけで神の存在と自分自身の生き方について自問自答する物語。
ぼくはいま、国民の9割がキリスト教徒であるルワンダで暮らしているため、キリスト教と人々の暮らしについて、自分の生活に置き換えて考えることができました。
宗教がテーマになっていますが、「宗教なんて自分には関係ない」と思わずに読んでみると、生き方を省みるきっかけになるような普遍性の高い作品です。
世界的に見たら日本のように宗教に関心のない人が多い国は少数派。海外や多様性の高い会社で働きたい方はぜひ。
【過去記事】小説『沈黙』(遠藤周作)あらすじ・感想~後半ネタバレ~
ソーシャル
「社会を変える」を仕事にする ― 社会起業家という生き方
NPO法人フローレンス代表・駒崎弘樹さんの著書。タケダが社会貢献やソーシャルビジネスに興味をもったきっかけでもあります。
駒崎さんは日本における「社会起業家」の第一人者。これを読んで「ただお金稼ぐだけじゃなくて世の中の課題を解決できる働き方って、なんてカッコいいんだ」と衝撃を受けました。
新社会人であるみなさんには、ぜひこのタイミングでこれを読んで「何のために働くのか?」といま一度考えてもらえたらうれしいです。
一番役立つのはマンガ?
ここまでおすすめを10冊選んできましたが、大事なことを言い忘れていました。
「マンガを読みましょう!!」
これは声を大にして言いたい。「本」というくくりで選んでたのですっかり抜け落ちてたんですが、マンガはまじで役に立ちます。
前述の『嫌われる勇気』では「すべての悩みは人間関係である」という一節がある通り、会社でもいかに同僚と良好な人間関係を築けるかが社会人生活をもっとも左右する要素のひとつ。
そしてその人間関係構築に役立つのが、マンガです。
人は共通の話題があれば、一気に距離を近づけられるもの。たとえば30代の先輩と仲良くなりたいなら『ドラゴンボール』『スラムダンク』『キングダム』『HUNTER×HUNTER』『ワンピース』あたりは必読ですね。
「先輩、仕事できすぎですよ〜。戦闘力53万ぐらいあるんじゃないですか」とか言われたら喜んじゃいますし(実際いたらうざいかな……)、なにかやらかしたときに「そりゃ悪手だろ蟻んコ」って言われても「(え、蟻とか言われた……パワハラ……)」って落ち込まないで済みます。
会社員時代、50代の先輩たちが『北斗の拳』の話で盛り上がっていたときに、読んだことがなかったので上手く入っていけなくて悔しい思いをしたことがありました。もはやマンガは教養です。
最初に紹介した10冊と合わせてマンガも読んでいくと、楽しい社会人生活を送れることでしょう。
いよいよ初陣ですね。ご武運を……!
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