青年海外協力隊OBが振り返る!面接の質問・回答内容(コミュニティ開発)

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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

ぼくは2016年1月〜2018年1月のあいだ、青年海外協力隊(平成27年度・2015年度3次隊)としてルワンダで活動していました。職種はコミュニティ開発

いまでも協力隊を志望している方から相談を受けることが多いので、面接での質問と回答内容について振り返ってみました。

※2015年6月に昔のブログに書いていて記事を編集し、再投稿したものです。
※アイキャッチ画像は松田和真さん撮影

【注意】以下の点にお気をつけて!
・この面接を受けてから5年経っているので、受験形式などが大きく変わっている可能性があります
・ぼくはコミュニティ開発という職種でしたが、職種によって面接内容はさまざまです(スポーツ系の隊員は実技があるなど)
あくまで参考程度にご覧ください!

技術面接の質問・回答内容

一次試験の書類選考を突破したら、二次試験は「技術面接(各職種における専門性の審査)」と「人物面接(性格・経験・特性などの審査)」の2回の面接でした。

まずは技術面接から。面接官は50代男性と20代女性の2名でした。

前に面接を受けたことのある先輩から、「圧迫面接だから覚悟してね!」と言われており、身構えておりました。が、ふたりともにこやかに話を聞いてくれて、まったく圧迫感はありませんでした。

志望動機

女性:志望動機を簡単に教えて下さい。
タケダ:ソーシャルビジネスを仕事にしていきたいと考えています。その現場経験を得るために志望しました。

周囲とのコミュニケーション

女性:ご家族には青年海外協力隊を受けていることを伝えましたか?
タケダ:伝えました。

女性:会社の上司には伝えましたか?
タケダ:伝えました。

希望国

女性:希望している南アフリカやカンボジアでなくても、問題はありませんか?
タケダ:問題ありません。特に国にこだわりはなく、要請内容が興味深かったのでその二カ国を選びました。ただコミュニティ開発の場合は、要請内容にかかわらず自分で活動を柔軟に変えていけると伺ったので、派遣先はどこでも構いません。

二輪運転

女性:二輪運転をすることになっても問題はありませんか?
タケダ:問題ありません。

ここまでは事務的な質問が多かったので、おそらく女性はJICAの職員さんだったと思われます。

応募は国と職種がセットになっていて、第三希望まで出せました(ぼくの場合は①②が南アフリカのICTを活用した小規模農家の支援、③はカンボジアの幼児教育)。

女性からひと通り基本的な質問が終わると、次は男性の面接官から。主に一次試験で提出した履歴書の、個人的なことがらについての質問でした。

社会貢献活動

男性:NPOキッズナウジャパンでの活動を教えて下さい。
タケダ:宮城県の荒浜や閖上、石巻などにおいて震災復興支援活動を行いました。私は特に、県外の方々や企業研修で来た社員さんたちが被災地をまわるツアーのアテンドや、彼らと被災者の方が対話する際の仲介役、アメリカから視察に来た教師団の通訳サポートなどを受け持ちました。

男性:ああ、荒浜は被害大きかったもんね…。閖上にも行ってたんだね!
タケダ:よくご存知ですね!

男性:名取にJICAでお世話になった方がいてね…

という感じで、面接官の方が被災地に詳しい方だったので、一気に面接の空気を掴むことができました。

男性:NGOミラー財団での活動について教えて下さい。
タケダ:タイのチェンライ県というところに、山岳民族の地域があります。ミラー財団はそこで人身売買や麻薬売買の防止活動を行うNGOです。そこに1ヶ月ほど滞在し、現地の小中学校で日本語や国際交流の授業を行いました。

男性:子どもたちは勉強に興味を示してくれましたか?
タケダ:当初は興味のない子どもたちもいましたが、勉強が楽しくなるような工夫をしました。その地域には運動会にあたる行事がなかったため、手作り運動会を実施して、日本語の単語を言いながらバトンを渡すリレーなどを企画しました。通常の授業でも、魚釣りゲームをしながら数の数え方を覚えるなど、楽しみながら学んでもらいました。その結果、当初は乗り気でなかった子どもたちも、自発的に勉強するようになってくれました。

特技

男性:映像編集もやってるみたいだね。
タケダ:はい。仙台の異業種交流会で知り合った仲間がいるんですが、誰かが転勤するたびに送別ムービーを作ったりしていました。 それが評判になって、最近では友人の知人から結婚式のムービーを作ってくれと依頼されるようになりました。

男性:ほお、そうなんだ。 ああいうのって音楽に合わせたりとか、結構センスがいるから大したもんだね。
タケダ:そうですね(ドヤ)、音楽のリズムと画面の切り替わるタイミングなどはこだわってます。バンドをやっていたので、その経験が活きているのかもしれません。

このあたりまで来るとだいぶ余裕が出てきて、普通に会話を楽しんでいました。面接官が話を引き出すのが上手いか、または相性が良かったのかもしれません。

留学

男性:留学で学んだことを教えて下さい。
タケダ:国際コミュニケーション学科というところで、各国の文化の違いや、それについてのプレゼンテーションをひたすらやりました。

男性:なんでイギリスじゃなくて、アイルランドだったの?
タケダ:ちょっと変わったところに行きたかったからです。 イギリスやアメリカなどは普通だな、と思って人とは違う経験ができるところを選びました。それから、アイルランドはヨーロッパでも数少ない英語圏の国で、英語を学びにいろんな国から学生が集まって来ているというのも魅力でした。実際に私の学科では、ヨーロッパだけでなく、アフガニスタンやバングラデシュ、コートジボワールなど様々な国の学生と交流することができました。

要請を選んだ理由

男性:希望要請*はコミュニティ開発の03、01、06番だね。これを選んだ理由を教えて下さい。
タケダ:03(南アフリカ共和国 農家のICTを活用力向上)は小規模黒人農家に対して、ICT技術を活用するという点に興味を持ちました。学生時代に企業から依頼されて、発売前のスマートペンのモニターをやっていた経験も活かせると思いました。01(南アフリカ共和国 稼げる農家の育成)も同様ですが、「稼げる農家」という点に惹かれました。06(カンボジア 初等前教育関連プロジェクト)は、教育に興味があるので選びました。

*要請=青年海外協力隊における任務のようなもの。ひとつの職種のなかにもさまざまな国での要請がある。

長所

男性:長所に「企画力」と「交渉力」とありますが、これについて詳しく教えて下さい。
タケダ:企画力に関しては、メーカーの営業として、ただモノを売るだけではなく、社会貢献の要素を含めた提案を心がけていました。いまベルマークの集票点数が7年連続で伸びていて、得意先もベルマークのついたPBを販売し始めるという情報を得ました。しかし、世間には学校に通う子どもがおらず、ベルマークを渡す場所がなくて困っている方がいるということがお客様の声から分かりました。そこで、弊社にもベルマーク関連の商品が多数あるので、ベルマークフェアを実施して、そこで集まったベルマークを利用して被災地の学校に学用品を寄付しましょうという提案をしたところ、見事採用していただきました。

交渉力については、どうしても特売を打とうとすると費用がかかってしまうのですが、あらゆるデータや企画提案によって、価格から価値に得意先の目線を変えることができました。その際、先方の担当者だけでなく、その上長にも自分の上司と一緒にアプローチするなど根回しすることによって、交渉を優位に進めることができました。

大体こんな感じでした。もちろんここまで理路整然とはしゃべれていませんが。就活の面接とほとんど同じような感じです。

二次面接前にやっておくべきこと

やっておくべきなのは、一次試験で提出した内容を、自分のことばで説明できるようにしておくことですね。ぼくは「希望要請は03と01と06でしたが…」という聞かれ方をして、自分がどの国のどういう内容の要請を希望したのか一瞬思い出せなくて焦りました

でも試験会場に一次で提出した書類を持って行って、待ち時間に改めて読み直していたので、落ち着いて答えることができました。一次書類は、郵送する前に必ずコピーを取っておきましょう

あとは特別やることもないです。もし自分が面接官だったら、話の上手さよりも「こいつは途上国で1人でやっていけるのか?」というメンタル面を見るはずです。

だから変にカタくなるよりも、芯の強さや柔軟性が見えるようなしゃべり方をすればいいんじゃないかなと思います。たぶん本気で行きたいと思ってるのであれば、自然と表情や言動にその気持ちが現れるはずです。気負いせずに、リラックスして臨みましょう。

面接前に他の志望者と話してみるのも面白いし、緊張がほぐれるのでおすすめです。

【二次面接前にやっておくべきこと】
・一次で書いた書類は郵送する前に必ずコピー
・試験会場に一次の提出書類を持って行き、待ち時間に読み直す
・他の志望者と話してみる
・面接ではメンタルの強さをアピール!

人物面接の質問・回答内容

面接官:40代前後の男性2名

技術面接同様、圧迫的な雰囲気はなく、終始なごやかに進められました。

動機、帰国後のプラン

面接官:応募したきっかけ・動機と、退職参加するようですが帰国してからのプランを教えて下さい。
タケダ:帰国後は子育て支援などのソーシャルビジネスに携わって行きたいと考えています。そのための現場経験を積むことが、今回応募した動機です。

面接官:応募した要請に対して、ご自身のスキルで活かせることはありますか?
(応募した要請は、南アフリカ共和国の黒人小規模農家に対するICT技術力の向上プロジェクト)

タケダ: メーカーの営業として培った企画力と交渉力は活かせると思います(技術面接での答えを参照)。

一芸

ここで変化球の質問。

面接官:ちょっとおかしなことを聞きますが……一芸のようなものはありますか?現地の方々は隊員が来るのを楽しみに待っており、歓迎会などで何か披露する必要があるかもしれません。そのときに何かできることは?
タケダ:そうですね…歌を歌うのが好きなので、現地入りする前に、現地の歌を現地語で覚えて披露したりするかもしれません。

面接官:楽器などは何か弾けますか?
タケダ:ギターが弾けるので、弾き語りなどできるかもしれません。

面接官:それいいじゃないですか!ギターは現地に持っていきますか?
タケダ:持っていけるなら持っていきたいです。現地でのコミュニケーションに役立ちそうですし。

「ちょっとおかしなことを聞きますが……」という質問、いま考えれば「そういうの大好きだ!」と答えて「どこにも出口のない日々が〜」と突然歌い出すのが正解だったなと(アナ雪知らない人ごめんなさい)。

ちなみに現地にはウクレレを持っていきました!ウクレレならスーツケースにも収まりますからね(1/4くらい埋まるけど)。

↑実際に買ったのがこのHanaleiというウクレレ。1万円もしないのに十分綺麗な音色を楽しめます!

現地でもイベントでルワンダ語の歌を弾き語りしたり、ひとりで家で弾いたり大活躍でした。

ストレス解消法

面接官:ストレスはどうやって解消しますか?
タケダ:ギターを弾くことはもちろんですが、新しいことを身に付けることが好きなので、現地の楽器や料理、ダンスなどを教えてもらうと思います。

留学

面接官:なぜ留学先にアイルランドを選んだのですか?
タケダ:普通とはちょっと変わったところに行きたかったからです。それとヨーロッパでは数少ない英語圏なので、各国から英語を学ぶために学生が集まっているからです。実際に中東やアジアなど様々な国からの留学生と交流することができました。

帰国後の具体的なプラン

面接官:帰国後のソーシャルビジネスに対する具体的なプランはありますか?
タケダ:正直なところ、現段階では具体的なプランはありません。2年間の派遣中に考え方や世間の情勢も変わると思うので、現地で活動しながら詰めていきたいと思っています。いいなと思っているのは、フローレンスやコペルニクなどの団体です。

面接官:コペルニクの代表の方…名前なんでしたっけ…?
タケダ:中村さんですね。

面接官:ああ、そう!以前中村さんの講演を聞いたことがありますよ。収益化はなかなか難しいようですが、おもしろいビジネスプランですよね。

↑NPOフローレンス代表の駒崎弘樹さんと、NGOコペルニクの共同創設者 兼 CEO中村俊裕さんの著書。ぼくが影響を受けた本でもあります。

やはり派遣終了後のプランは重要なようです。ソーシャルビジネスについて語れる40代の方なんてまわりにはいなかったので、面接とはいえ話していて面白かったです。

「一芸はありますか?」というような変化球の質問もあったので、趣味や特技についても語れる準備をしておくといいかもしれません。

協力隊トークをライブ配信!

青年海外協力隊の体験談を語ります!

日時 – 3/13(金)日本時間 21:00〜(30分〜1時間程度)
URL – https://youtu.be/d0v7lHXPE_M

この記事にも書いた面接内容や、現地での活動内容、現在について。

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