JICA・JOCV

教育は種蒔き。人を育てる成果など、いますぐ分かるわけがない。

アフリカのルワンダに住んでます、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

先日、ルワンダの空手ナショナルコーチを務める友人と話して思ったこと。

人を育てる成果なんて、いま分かるわけがない。

数年後にならないと大きな変化は生じないし、その成長ぶりを自分がこの目で見るのは難しい。

だから、「こうなったらいいなあ」と想像しながら、長い目で見てやってくしかないよね、という話。

空手教室再開

ぼくはルワンダで、青年海外協力隊として働いています。

ぼくの仕事はコミュニティ開発といって、地域の人たちの生活向上をお手伝いすることですが、協力隊にはほかにもいろんな職種があります。

そのうちのひとつが空手隊員。ぼくの同期隊員(ここでは敬意を込めて師匠と呼ばせて頂きます)がルワンダのナショナルチームでコーチを務めていて、彼が昨年からこの地域の学校まで来て出張授業をしてくれてるんです。

ルワンダ代表コーチが小学生指導!ルシシロ空手クラブ①

今週から学校の新学期がはじまったのに合わせて、空手教室も再開しました。

その日の夜、彼がうちに泊まってくれたので、飲みながら話していたときのこと。

ふだんはあまり感情を表に出さない師匠(たまに変なタイミングでテンション高まって困るけど)の、アツい言葉に思わず泣きそうになりました。

子どもたちに機会を与える

自分の名前は忘れられても、「昔日本人に空手教えてもらったなあ」って記憶が残って、それが何かに繋がればそれでいい。空手じゃなくてもいい。生きるので精一杯な子どもたちに、なにか新しい機会を与えたい。

一語一句覚えてるわけじゃありませんが、こんなようなことを言っていた気がします。

ぼくが住んでいるのは、首都キガリから車で1時間くらいのところですが、ものすごく田舎です。

道路はまったく舗装されてないし、その辺をヤギやウシが歩いてるし、住んでる人たちはほとんど農家さんです。

そんなところなので、趣味や娯楽といったものはほとんどありません。

よく見かける遊びは、石やビールの王冠を使ったボードゲームや、布製の手作りボールを使ったサッカーやドッジボール、縄跳びくらいです。

だからちゃんとスポーツを学べる人なんてほとんどいません。というか皆無。

そういった意味で、この国の代表選手を育てている師匠が週に一回直接指導してくれるなんて、子どもたちにとってはとてつもなく素晴らしい機会だと思うわけです。

別に空手家にならなくても、これをきっかけにスポーツの面白さや、一生懸命なにかに打ち込むことの楽しさに気づいてくれるかもしれません。

空手の礼儀を重んじる文化に影響されて、きちんと挨拶をする子になるかもしれないし、練習で使っている日本語から興味を持って海外に羽ばたくような人になるかもしれない。

この空手教室がどんな影響を与えるかはわかりません。でもなにかのきっかけになる可能性は、きっとある。

田舎にはきっかけがない

この村には、ほんとに新たなモノゴトに出会うきっかけが少ないです。

こないだ、こんなことがありました。

「アーユーアメリカニーズ?」って言われたんですw

子どもたちのなかには、アジア人と欧米人の区別もつかない子がわりとよくいます。「イタリア人?」って言われたこともあります(ありがとう)。

でも、考えてみたら当然なんですよね。テレビも雑誌も新聞もないから外の情報なんてなかなか入ってこないし(ラジオぐらい)、この村に外国人が来ることもほとんどないんですから。

それくらい新しい情報・経験・知識・感動に出くわすきっかけがない。

そういうきっかけがないと、子どもの可能性も埋もれていっちゃうんじゃないかなと思います。

ぼくのきっかけ

ぼくがこうやってアフリカにまで来るようになった最初のきっかけは、思い返してみると中学生のときだと思います。

英語の授業で音読のテストがありました。

英語の先生とALTの先生の前でひとりずつ教科書を音読する簡単なテスト。

それが終わってから、先生に「タケダくんの発音がすごく良かったって、ALTの先生が言ってたよ」と褒められて、英語のスピーチコンテストにまで出させてもらいました。

それで気を良くしたぼくは、英語が好きになって、高校でさらに英語が得意になって、大学はほぼ全部の授業を英語でやるという純ジャパにとっては鬼のような学部に進み、アイルランドに留学したり、韓国やタイやオーストラリアに行ったりして、気づけばルワンダにまで来ていました。

あのときあの英語の先生やALTの先生がいなければ、こんな人生にはなってなくて、熊本で一生を過ごしていたかもしれません(それが悪いというわけではなく)。

英語が好きになることもなかったかもしれないし、違う大学に行ってたかもしれないし、スピーチコンテストに一緒に出た子と付き合うこともなかったかもしれません(かわいかった)。

だから、なにがきっかけになって、どんな結果になるかなんて、ずっと先にならないとわからないんですよね。

種を蒔くこと

ぼくは、ルワンダで子どもたちと接して彼らの可能性を広げることは、「種を蒔くこと」だと思ってます。

子どもたちには、それぞれにいろんな才能を開花させるための「土地」があって(たとえば「音楽」とか「野球」とか「文章」とか「計算」とか)、そこにいろんな種類の「種」を蒔くことでいろんな才能の「芽」が出てくる。

でも、どの子どもにどんな色の「花」が咲くかはずっと後にならないとわからないですよね。

「種を蒔く」の「蒔」という字は「くさかんむり」と「時」という字で出来ているので、花が咲くまでは文字通り長いこと時間をかけて待ってなきゃいけないんだなと思います。

そしてなにより、種を蒔かなければ芽を出すことも花を咲かせることも絶対にない

だから、きっかけの少ないこの村で、できる限り子どもたちに新しい経験を提供することができればいいなあと思っています。

目先の成果ばかり求めずに、数年後に見たこともないような花が咲いていることをイメージしながら、種蒔きしていきましょう。

ちなみに、いまやりたいと思ってるのはこんなこと。

タケダノリヒロ(@NoReHero

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国際協力の現場で「頼れる人」になってはいけない

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