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ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
「水の防衛隊」(RW-SAT)として、水・衛生環境の改善に取り組んでいます。
今回は、任地ルワマガナ郡ムシャセクターにあるルシシロ小学校で、「衛生×アート」をテーマにしたワークショップを実施しました。
もくじ
ワークショップ概要
・学校名:ルシシロ小学校(生徒数約2,500人)
・対象:P6 (6年生)
・人数:約150名
・コンテンツ
- イントロダクション
- アイスブレイク(日本語アクションゲーム)
- WASHとは?
- WASHお絵かき
- まとめ
・目的
- 長期目標:ルシシロ小学校およびカダソムワ村の水因性疾患(特に下痢と回虫)を予防・減少させること
- 中期目標:高学年の生徒たちが、低学年の生徒や家族に衛生行動を促せるようになること
- 今回の目標:6年生の生徒たちの衛生意識を高めること
アイスブレイク(日本語アクションゲーム)
本題に入る前にリラックスさせるため、アイスブレイクを行いました。
まず7つの動詞を日本語で覚えさせます。
覚えたら、ぼくが言う動詞に合わせてアクションを行うだけの簡単なゲームです。
ice break in workshop “Learn Japanese and Action” #africa #rwanda #jocv #children
NoReHeroさん(@norehero415)が投稿した動画 –
これはぼくらがルワンダ語を習ったときに、語学学校の先生がよくやっていた手法を真似ました。
アクションをしながらだと単語を覚えやすいんですよね。
体も動かせて盛り上がりました。
「あらう」という動詞も入れたのは、ワークショップのテーマである『WASH』を想起させるため。
WASHとは?
『WASH』は、ただ「洗う」という意味ではありません。
“Water, Sanitation, Hygiene”の頭文字を取ったもので、unicefなどの国際的な機関でも使われています。
WASHをちゃんとやっとかないと、病気になっちゃうよね
病気になると、遊びにもいけないし、勉強も出来ないし、下手したら死んじゃうかもしれない
だからWASHは大事だよね
この学校にも、この村にも、水が原因で病気になってる人がたくさんいるよね
ぼくはそれを助けたい。でも、大事なのはぼくじゃなくて、みんなのアクションだよ
みんなは高学年だから低学年の子たちにも、みんなの家族にも教えなきゃいけないよね
だから今日はWASHがどれだけ大事かってことを一緒に考えよう!
っていうのが今日のメッセージでした。
WASHお絵かき〜ストーリーをつくろう!〜
この学校で、生徒を対象としたワークショップをやるのは今回が初めて(保護者向けにワークショップ1回、授業への参加は2回)。
まずはWASHがいかに大事か、WASHに繋がる行動を取ることで自分たちの生活がどんな風に変わっていくかということをイメージしてもらうことが今回の目標でした。
そこで、かねてから子どもたちとやりたかった「絵をつかったストーリーづくり」に挑戦してみました。
①病気になっていた(下痢や回虫など)
②WASH(water, sanitation, hygiene)につながる行動を行った
③その結果、元気になって好きなことが出来るようになった
たとえば、
①以前は下痢になっていた
②手洗いをするようになった
③元気になってサッカーが出来るようになった
っていう感じです。
衛生行動をとって、健康になったら、自分の好きなワクワクすることが出来るよ!ってことを伝えたくて、3つの絵を子どもたちにも描いてもらいました。
描く時間は約20分。
みんな真剣です。
例を見ながら一生懸命描いてくれました。
ぼくは昔、絵を描くのが嫌いでした。何かを見ながら描くのは出来るんですが、想像して描くとなるととたんに難しくなるんです。
そこで今回は例となる絵を用意して、「好きな絵を自由に描いてね。でももし難しかったら、この例を真似して描いてもいいからね」と伝えて、ぼくみたいに絵が苦手な子のハードルが下がるようにしておきました。
ただ、心配だったのは、みんなが例を真似して描いちゃうんじゃないかということ。
ほんとは子どもたちの自由な発想で、思い通りに描いてもらいたい。
ルワンダ人は言われたことは出来るけど、自分で考えて自発的に動くことが苦手、という話をよく聞いていたし、実際そう感じていたからです。
でも、その心配は杞憂でした。
最初に手を上げてくれた子。
まったく触れていなかった「ご飯にハエがたかる」という病気の原因と、「水に薬品(塩素など)を入れて浄化する」というWASHアクションを描いてくれました!
感動。
そう!そういうことだよ!わかってるねー。
「石けんで手を洗うようになって」「サッカーが出来るようになった」「肉をたくさん食べられるようになった」という子。
いいよー。やりたいこといっぱい描いちゃうその欲深さいいよー。
最初は表情が固かったこの子も…
みんなで笑かしたらこんないい笑顔に。
この子も「握手した後に手を洗う」という例には出していなかった独自の案を描いてくれました。
他の子の発表を聞いてキャッキャする女子たち。
みんな恥ずかしがりながらも、一生懸命描いて発表してくれました。
この絵じわじわくるw
ここでまとめて、終わりにしようと思ったら「日本の歌を歌いたい!」というリクエストが!
前に歌った「上を向いて歩こう」を気に入ってくれたみたいです。
みんなで歌って、終わりにしました。
最後にみんなで描いた絵を掲げて記念撮影!
みんな真ん中に集まってきてもうカオスw
いやあ楽しかった。アートって素晴らしい!
道具が足りん!
ほんとはみんなに画用紙や色鉛筆、クレヨンを使って、大きくカラフルに描いて、学校中に掲示して他の学年の子たちにもアピールしたかったんです。
先生に頼んではいたんですが、この大人数になるとそこまでの道具を用意することが出来ず、結局ペン一本とノートを使って描くことになりました。
そう考えると、当たり前に大きな画用紙も絵の具も使える日本の学校ってすごいですよね。恵まれてたんだなあ…。
いつかこの子たちとおっきな紙にペンキぶちまけてジャクソン・ポロックみたいに自由な絵を描きたいなと思います。
枠なんかはみ出してもいいし、色だって好きなだけ使っていいんだよ。
でも充分な道具がないのが現状なので、その中で最大限出来ることを考えていきます。
次のステップは?
実は今回のワークショップ、もともと先生に「4〜6年生まとめて600人でやってくれ」と言われていました。
その大人数を一気に相手してみたいという好奇心もあったんですが、そこまで多いと一方的に伝えるだけになってしまうので、今回は6年生だけの150人に絞りました。
ここから5年生、4年生にもワークショップを行って、高学年の子たちの意識を高めていきたいと思っています。ただし、5年生は350人ぐらいいるらしく、どうするかなと思案中です…。
ただ、今回は初めて一時間通してひとりで、ほぼ全てルワンダ語だけ、カンペなしでやり切ることが出来ました。
もちろんアドリブではなく、事前にスクリプトを作って先生に訂正してもらって、それを丸暗記しただけなんですが。
それでも「出来る」っていう自信と、これをやることで大幅にルワンダ語が上達するという実感を得ることが出来ました。
これからもどんどんワークショップやっていきます!
ルワンダの下校風景。
帰り道after workshop in primary school #africa #rwanda #jocv #children
NoReHeroさん(@norehero415)が投稿した動画 –
ひとまず、やりきったぜー。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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