同性愛で厳罰を受ける国も。アフリカにおけるLGBTの権利

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音声配信アプリstand.fmからの書き起こしです。

どうも!アフリカのルワンダからお送りしています、タケダノリヒロです。2021年4月1日木曜日、『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』、やっていきましょう!この番組では、あなたの暮らしやお仕事にもつながる、ルワンダの意外な事実や、知ってほしい話題をお届けしています。

今日のテーマは「同性愛」です。日本でもようやく LGBT の権利が認められ始めてきたりしていますが、アフリカではどうなんでしょうか。アフリカにおける LGBT の権利について、現在の状況や、その背景、それから僕自身の体験談などお話ししていきます。ぜひ最後まで聴いていってください。

モーリタニアやナイジェリア北部では同性愛は死刑

まず現在の状況なんですが BBCの推計によると、アフリカの38カ国で同性愛が非合法になっているということです。非合法、つまり認められていない、法律に違反してしまう国が38カ国あるということですね。これだけでもかなり酷いなという状況ですが、更にモーリタニアという国、それからナイジェリアの北部では、同性愛者は死刑になる場合がある、という風にされています。まだ執行された例は無いそうなんですが、その可能性があるということですね。

これ、すごくひどい話ですよね。僕も最初に知った時は、すごく衝撃を受けたことを覚えてます。同性愛だというだけで死刑になってしまう、危険にさらされてしまうということは、非常に理不尽だなと思うんです。でも、未だにこういった国は存在しているんですね。

さらに僕が住んでるルワンダのお隣の国、ウガンダでは同性愛法によって最高で無期懲役になることもあるということです。ルワンダではそこまで酷い刑は課せられないんですが、同性愛間の関係や結婚は認められていないという状況になっています。これまでこのゴリラジオでは、ルワンダの話をいろいろお伝えしてきて IT が進んでるとか、女性の活躍が進んでるという話もしましたが、こと同性愛に至ってはまだまだ認められていないんですね。

残念ながらこういった国がアフリカでは大半を占めてるんですけども、アフリカ大陸の最南端にある南アフリカでは LGBT に対して寛容な政策が取られています。権利も法的に保障されていて、同性結婚も合法となっているんですね。なのでアフリカと一口に言っても、全てが同性愛に否定的だというわけではないということをぜひ知っておいてください。

根本的な原因は宗教

では、なぜこれほど同性愛が抵抗を受けているのかと言うと、その原因は宗教にあると考えられます。宗教上の禁忌に当たるからこそ、これだけアフリカでは同性が認められていないですね。どんな宗教かと言うと、主にイスラム教と、それからキリスト教になります。

先ほど死刑になっている地域があると言った、モーリタニアやナイジェリアの北部は、イスラム教徒が多い地域です。そしてウガンダでは、キリスト教が9割近くですで。ルワンダも9割がキリスト教となっています。キリスト教だから必ず同性愛が認められない、というわけではなく、先ほど同性結婚が合法になったとお話した南アフリカでは同じようにキリスト教が8割を占めているんですね。なので根本的な原因は宗教的な考え方にあるんですが、それは一概には言えなくて、解釈は国とか地域もしくは宗派によって様々だということです。

世界で5番目に同性婚を実現した南アフリカ

ちなみに何で南アフリカでは例外的に同性愛に対して寛容な国になっているかと言うと、アパルトヘイトの歴史が関係しているそうです。アパルトヘイトっていうのは、白人ではない人たちに対して、隔離や差別をする政策ですね。このアパルトヘイトが昔の南アフリカでおこなわれており、それによって黒人に対して酷い差別があったんですね。それに反対する流れが出てきて、今ではかなりその差別が解消されています。そんな黒人差別反対の流れに合わせて、LGBT への差別も改善されてきたという風に言われています。

今では人権や文化、それから言語が多様であることから、南アフリカは「虹の国」と呼ばれてるそうです。虹は LGBT の象徴でもありますからね。まさに多様性のある国といった感じですが、すごいなと思ったのが、この同性婚が実現した国としては、南アフリカが世界で5番目だそうです。2006年に同性婚が認められたんですが、その前に達成されてるのがオランダ、ベルギー、スペイン、カナダということで、欧米の国々に続いて、5番目に南アフリカで認められたということになっています。なので、ここだけ見れば日本よりもよほど進んでいると言えますね。

ルワンダ人女性「子どもが同性パートナーを連れてきたら縁を切る」

僕もルワンダに住んでいて、この同性愛に対する強い抵抗を感じた体験があったので、それをお話しさせてもらいます。

僕はコロナ前まで仕事としてスタディツアーというものをやっていました。ただの旅行じゃなくて、歴史とか文化とかを現地で学べるようなツアーです。その中でホームステイのプログラムを開催しています。現地のルワンダ人の家庭にお邪魔して、一緒にご飯を食べたり、おしゃべりをしたりして、その生活を体験するというものですね。

そこでいつもお世話になっているホストファミリーのお母さんがいるんですが、そのお母さんと話していた時の事です。そのお母さんは敬虔なキリスト教徒なんですね。プロテスタントなんですが、ものすごくキリスト教という宗教に対して強い信仰を持っています。ふと恋愛の話から同性愛の話になったんですけど、そのお母さんが「もし自分の子供が同性のパートナーを連れてきたら、親子の縁を切らなきゃいけない」という風に、かなり神妙な面持ちで話していました。

これが僕にとってはなかなかの衝撃だったんです。というのも、そのお母さんは僕のことも「息子」と呼んでくれて、初対面の時からすごく温かく迎え入れてくれました。そして僕が連れてきている日本からのお客さん達、ホームステイのゲストに対しても、もう誰一人分け隔てなく受け入れてくれる、すごく愛に溢れた人なんですね。

なのでとても差別心とか偏見のある人には思えなかったんですけど、それでも同性愛だけはどうしても受け入れられないということを言っていました。そしてその場には5〜6人ぐらいいたと思うんですけど、「もしこの中に同性愛の人がいたらごめんね」と言いつつ、「それでも宗教上同性愛を受け入れることはできない」という風に言っていたんですね。

なのでこの時に実感したのは、「同性愛や LGBT に対する権利を向上していこう」と言うだけならもちろん簡単ですし、それに対する抵抗感が単なる偏見から来ていたら、もしかしたら「それは偏見だよ」と言って説得をすれば考えは変わるかもしれません。でも、ルワンダやその他のアフリカの国々では、その抵抗感が宗教に基づいているんですね。

ルワンダで生活していて本当に強く実感するのは、宗教っていうのは現地の人たちにとってなくてはならないものだということ。僕は全然信心深くないですし、日本でも自分の宗教をよく知らないという人もたくさんいると思うので、ちょっと理解に苦しむかもしれないんですけど、ルワンダの人たちにとってアイデンティティの一部になってるのが宗教です。なので、その教えに深く紐付いているので、それを変えるのは簡単ではないだろうなという風に思いました。

例えば僕らで言うと、小さい時から「嘘をついちゃだめだよ」とか「人の物を取ってはいけないよ」とかね、そういうことを繰り返し教えられてきたと思います。おそらくそれと同じぐらいのレベルでキリスト教やイスラム教においては、「同性愛は認めてはならない」という教えになっているのかなという風に推測をしています。なのでこういった状況を改善していきたい、改善したらいいなという風に思いはするんですけど、アフリカではこの宗教の問題があるのでなかなか難しいのかなという風にも思っています。

ぼくらにできること

ここまでのお話をちょっとまとめましょう。まずアフリカでは同性愛が認められていない国が多くて、時には違法になったり死刑になったりしてしまう国すらもあります。そしてその同性愛への抵抗感というのは、単なる偏見ではなくて、根本には宗教があるので改善はそう簡単ではないですよという話ですね。ただし南アフリカのように、同性婚が認められている国もあります。

こういった問題を知ると、本当に理不尽だなと思いますよね。たまたまマイノリティになっただけで、違法になったり死刑にさせられたりっていうのは、本当に理不尽な話だと思いますし、仮に自分がその立場だったとしたら、本心を偽って生きていかなきゃいけないかもしれないですよね。もし自分がゲイであるということをカミングアウトしてしまったら、捕まっちゃったり殺されたり差別を受けたりする可能性もあると考えると、それを黙って、押し殺して、生きていかなきゃいけない、ということになりますよね。

それってすごく辛いことなので、まずはこういう問題があるって知ることがすごく大事なんじゃないかなと思います。そして、さらに何かアクションができるといいなと思って、じゃあ自分には何ができるんだろうなと考えたんですけど、例えばもし身近に LGBT の人がいたとしたら、それは全く特別なことではなくて、普通に受け入れられればいいなと。もちろん人それぞれ違いはあるんですけど、それを受け入れるって言うことがまずは大事なのかなという風に考えました。

そしてもっと踏み込んだアクションで言えば、同性愛や LGBT に対する差別を解消しようという政策を掲げている政治家に投票をするとかね。そういったところから少しずつ変わっていくのかなと思うので、今日の話をぜひ覚えておいてもらって、少し自分なりに考えてもらえたらいいなという風に思います。

お知らせ

最後にお知らせです。4月10日(土)にオンラインツアーを開催します。HIS旅カレッジさん主催で、私が案内人を務める「大虐殺を乗り越えた国をめぐり考える、ルワンダ ピーススタディツアー」というイベントです。3月にもおこなったのですが、43名に参加いただき、大変好評でした。

ルワンダ虐殺の背景や、虐殺を生き延びた現地の女性へのインタビュー、現在のルワンダの姿などお伝えしていきます。参加費は2000円で、ZOOMを使ってオンラインでの開催となります。リンクを貼っておきますのでご確認ください。画面越しですが、みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

大虐殺を乗り越えた国をめぐり考える、ルワンダ ピーススタディツアー

本日の『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』は以上です。今日の放送を聞いて面白いと思ってもらえたら、ぜひフォロー、いいね、コメントなどお願いします!お便りも募集しているので、レター機能を使ってどしどし送ってください。

ここまでのお相手は、タケダノリヒロでした。じゃあまたねー。

【参考】

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