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【更新2018/01/09】 タケダノリヒロ( @NoReHero)
『アグリゲーター 5年後に主役になる働き方』。この本が面白い。
「アグリゲーター」という耳慣れないことばが使われていますが、要は「これからの時代、どんな人材が求められるか」「そんな人材になるにはどうすればいいのか」ということが書いてある本です。
「5年後に主役になる」というサブタイトルで2013年発売なので、すでにその時代はやってきつつあるんですが、いま読んでも十分キャリア形成に役立ちます。
「世の中に新しい価値を生み出したい」「企業のなかでプロフェッショナルとして活躍したい」「環境に依存せずにはたらけるように、『個』の力を高めたい」――そんな想いのある方におすすめ。
この記事では①本書の要約、②アグリゲーターとは、③これからの個人のはたらきかた3タイプ、④ビジョン・能力・キャリアの関係についてまとめてます。
アグリゲーター 要約
本の内容をざっくり箇条書きでまとめます。
- 情報社会の到来、テクノロジーの発達により、個人が進化
- 進化する個人と、出遅れる企業というギャップがあらゆる経営問題の引き金に
- これから個人に求められるのは「新しい価値を生み出す力」
- その力をもち、企業内外で活躍する人が「アグリゲーター」
- 企業経営を変える3つの武器は、イノベーション・コラボレーション・モチベーション
- アグリゲーターの5つの特徴は、プランニング力・実行力・ネットワーク・過去からの脱却、ビジョニング力
- 企業のイノベーションパワー拡大に必要な7つの要素は、ビジョン共有・人・戦略・経営資源配分・ワークスタイル・仕組み・組織能力
- 人財育成の立案・実行・仕組み化の段階
- 社会が変わり、価値観、行動様式、制度・ルールにも変化が
アグリゲーターとは
「アグリゲーター」ということばのもとになっているのは動詞 “Aggregate”。
“to bring together; collect into one sum, mass, or body”=「同種のもの、異種のものに関係なく集める」という意味です。よく似た単語で「インテグレート(Integrate)」がありますが、こちらは「要素を全体に統合する」という意味。
アグリゲーターということばには、全体に統合せずとも、良いパートナー、サービスはそのままの個性ある姿を変えることなく協業していこう、という多様性と柔軟性が表されています。
要は、「他者を巻き込んで前進できる次世代リーダー」と考えるとわかりやすいかもしれません。
「現代社会で自立的な新しい働き方を体現している人々」や、「自分のやるべきことを見いだし、それをいかなる環境においても最後までやり切る『力』とモチベーションを持つ人々」などもアグリゲーターとされています。
アグリゲーターの思考や行動に見られる5つの特徴がこちら。
簡単に言えば、プランニング力・実行力・ネットワーク・過去からの脱却・ビジョニング力。
これからの時代はこういう人が求められるんだとか。
個人のはたらき方
時代の流れとともに変わってきている個人のはたらきかた。著者は下記の1:6:3という比率に集約されていくとしています。
1割が「スーパーノマド、グローバルエリート」。
どんな仕事でも一人でこなせて、どんな環境でも働けて、組織には依存しない。経済的にも能力的にも個人で完全武装しており、社会がどう変わろうともたった一人で生きていけるような人たちです。
6割が「自立した個人・プロフェッショナル」。
「独立」ではなく「自立」で、会社や社会を器として活用するプロフェッショナル。自分で持っていない部分は会社や組織から補います。
3割が「20世紀工業社会の生き方を維持できる人たち」。
個人、社会のあり方が変わっても、不変の安定した生き方をできる人たちです。まちの小さな飲食店などが例。
著者は1割のスーパーノマドと、3割の20世紀工業社会的な生き方の人たちは「恵まれている」と語っています。
社会や個人の変化を牽引しているのが「1割」の人たちで、「3割」の人たちはその変化にも動じない。残りの「6割」の人たちはそれを見ながら「自分も変わらなければ」とアクションを試みているのがいまの現状なんだとか。
勘違いしてはいけないのが、どのはたらきかたが優れているというわけではないということ。大事なのは「自分はどのスタイルで生きていきたいのか」と考えることですよね。
「6割」の人間として企業ではたらくにしても、「パラレルキャリア」や「二枚目の名刺」、「プロボノ」と言われるような複数の顔をもつはたらきかたも増えていますし、在宅勤務や短時間勤務など柔軟に仕事ができる社会になりつつあります。
あなたはどんなはたらきかたで生きていきますか?
ビジョン・能力・キャリアの関係
自立的なはたらきかたをするうえで、重要だと説かれているのが「ビジョンと能力とキャリア+パッション(情熱)」の関係。
著者は「3+1=∞」として、これらが組み合わせることによって個人のチカラは無限大になると説明しています。
「ビジョン」、つまり「自分はこうありたい」を自覚するのは簡単なことではありませんが、「自分は最終的に社会からどのように記憶されたいか」と考えるとすこし具体的にイメージできますね。
「能力」はそのビジョンを達成するための手段であり、その能力を手に入れるために「キャリア」が存在すると。
たとえば歌手になりたいAさんを例に挙げてみましょう。
・ビジョン=歌手として大成し、歌の力でファンに元気を届けたい
・能力(ビジョン達成に必要なもの)=歌唱力、表現力、カリスマ性、オーラ、感受性など
歌手としてのトレーニングに励むAさんに、歌の仕事ではなくお芝居のオファーが来たとします。「私は歌い手だから、お芝居なんかやる必要はない!」と考えて断ってしまったらもったいないですよね。
しっかりビジョン達成のために必要な能力について考えていれば、「表現力を養えるからやってみよう。このキャリアを通じた能力獲得がビジョン達成につながるんだからがんばろう!」と思えるかもしれません。
・キャリア(能力獲得に必要なもの)=歌番組出演、コンサート開催…だけでなく、役者、声優なども!
「自分はこんな仕事をしていていいのだろうか。この経験は未来につながるんだろうか」となやんでしまったら、夢をビジョンと能力とキャリアに分解してみるとスッキリできそうですね。
アグリゲーター まとめ
ということで、この記事のまとめ。
- アグリゲーターとは、他者を巻き込みながら新しい価値を生み出していける次世代リーダー
- 個人のはたらきかたは、「スーパーノマド、グローバルエリート」「自立したプロフェッショナル」「20世紀工業社会的生き方」の1:6:3に集約されていく
- 自立的なはたらきかたをするうえで大事なのが、「ビジョン」「能力」「キャリア」の関係性への理解
以上、『アグリゲーター 5年後に主役になる働き方』の書籍紹介と、これからの生き方・はたらきかたについて、でした!
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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