『1兆ドルコーチ』まとめ・感想・名言〜ビル・キャンベルの教え〜

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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

Apple共同創業者のスティーブ・ジョブズや、グーグル元会長兼CEOのエリック・シュミット、グーグル共同創業者ラリー・ペイジ、シリコンバレーの錚々たる面々ですが、彼らに「共通の師」がいたことをご存知ですか?名は、ビル・キャンベル。何人もの偉大な経営者を成功に導いた彼の教えがまとめられたのが、この本『1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』です。

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ぼくはいまスタディツアーを通じて学生のキャリア相談に乗ることも多いので、「そんなに人材育成が上手い人がいるのなら、その秘訣を学びたい」と思って本書を手にとってみました。そして、まんまとこう思わされます。「ビルのような人間になりたい……!」と。

この記事では、ビル・キャンベルがどれほどまわりの人から愛される人間だったのか、彼がなぜ「名コーチ」と呼ばれたのか、その教えを我々はどう活かすことができるのか、についてまとめました。

1兆ドルコーチ 目次

まずはこの本の概要を知るために、目次を見てみましょう。……と思って軽い気持ちで書き始めたら、とんでもない数の目次がありました。。それだけテンポ良く短編小説のようにサクサク読めることの裏返しですね。

Chapter 1 ビルならどうするか?
——シリコンバレーを築いた「コーチ」の教え
シリコンバレーでの無数の偉業/チームに「思いやり」を持ちこむ /すばやく動く /「やっちまえ!」の行動原理/クラリスのスピンオフ 「人材育成」は千差万別に向き合え /スティーブ・ジョブズとの信頼関係/グーグルCEOたちへのコーチング /シリコンバレー中のCEOをコーチする /誰が壇上に上がったか? /ビル・ゲイツへのハグ 「1兆ドルのコーチ」とは? /チームをコミュニティにする /パフォーマンスが高いチームの条件 /ビルならどうするだろう?/ビルのメソッドの「4つの側面」/Don’t fuck it up!
Chapter 2 マネジャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる
——「人がすべて」という原則
マネジャーを置け /現場の士気がすべて/ リーダーは部下がつくる/ マネジメントの「細部」にこだわれ/ 人がすべて 「最高のマネジャー」の条件/ 「旅の報告」から始める/ 職場環境とパフォーマンスの相関性/ コミュニケーションが会社の命運を握る/ 
議論すべき「トップ5」を挙げよ/ 同僚の意見に注意を払え/ 本心からのメッセージを伝える/  円卓の「背後」に控える/ 
コンセンサスは「クソくらえ」/ マリッサ・メイヤーの問題/ マネジャーは「決着」をつけよ/ 「第一原理」で人を導く/ 
つねに第一原理に立ち戻る/ 「天才」とうまく付き合う/ 功罪の「両面」を分析する/ カネはカネだけの問題ではない/ 
プロダクトがすべてに優先する/ スピードの「邪魔」を取り除く/ 異端を受け入れよ/ 去る者に敬意を払う/ 会議を仕切る/ 
資料は絶対に「先」に共有する/ ハイライトとローライトを含める/ 
Chapter 3「信頼」の非凡な影響力
——「心理的安全性」が潜在能力を引き出す
信頼は「きれいごと」ではない/ 「建設的」な意見の不一致/ 「心理的安全性」が高いチームをつくる/ 正直で謙虚な人材を見きわめる/ コーチされるのに必要な資質/ 正直に弱点を認められるか?/ 「フリーフォーム」で話を聞く/ 「ありきたり」の声かけでいい/ 「完全な率直さ」を身につける/ フィードバックは「瞬間」を捉える/ 「真っ正面」から向き合う/ 「率直さ+思いやり」の方程式/ 「すべきこと」を指図するな/ 「人当たりの悪いギバー」になる/ 「勇気」の伝道師になる/ 突き進む許可を与える/ 
「ありのままの自分」をさらけだす/ 
Chapter 4チーム・ファースト
——チームを最適化すれば問題は解決する
チームがなければ何もできない/ 全員が「チーム・ファースト」になる/ エゴと野心を超えてチームをまとめる/ 勝つだけでなく、正しく勝つ/ 問題そのものより、チームに取り組む/ グーグルとアップルの「おもちゃ」の取り合い/ 「正しいプレーヤー」を見つけよ/ 「チーム・ファースト」で考えているか?/ 「ずけずけ」と意見を言っているか?/ 「スター」だけではチームにならない/ 「当事者」をチームに加える/ ペアで仕事に当たる/ 同僚フィードバック調査/ 同じテーブルに着く/ 優秀なチームはメンバーのIQを上回る/ 性別は関係ない/ 「最大の問題」に切り込む/ さっさと「不満大会」を切り上げろ/ 「すべきこと」に集中する/ 正しく勝利する/ 不誠実を許すな/ リーダーは先陣に立て/ 苦しいときこそ前に出る/ 人々のあいだの「小さなすきま」を埋める/ 全員の様子を「俯瞰」する/ 小さな「声かけ」が大きな効果を持つ/ 「親身になる許可」を自分に与える
Chapter 5パワー・オブ・ラブ
——ビジネスに愛を持ち込め
存在をまるごと受け入れる/ 「やさしい組織」になる/ 同僚の家族に興味を持つ/ 病床のジョブズとの絆/ 個々のやさしさが組織のやさしさになる/ 立ち上がって「応援」する/ アイデアを評価する「5回の手拍子」/ つねに「コミュニティ」に取り組め/ ざっくばらんな集まりをつくる/ 「社会関係資本」を生み出す/ 人を助けよ/ 「5分間の親切」をする/ 創業者を愛せ/ ビジョンは計算を超える/ 会社には「心と魂」が必要/  エレベーター・トーク──雑談の偉大な力
Chapter 6 ものさし ——成功を測る尺度は何か?
成功者は孤立を覚える/ ビジネスを成功させるカギ/ リーダーは「行動」でその座を勝ち取る/  「人間的な価値」が成功につながる/ 次はどうするか?/ 自分の成功を測る「ものさし」

読み終わった人はこの目次を読み返すだけでも「名言集」として活かせそうなほど。この中から特に個人的に印象深かったエピソードを抜粋してご紹介します。

愛される人、ビル

本書を読んでまず驚いたことは、この伝説のコーチ、ビル・キャンベルがまわりの人たちから信じられないくらい愛されていたこと。

1000人の親友

たとえば、彼が亡くなったときにゆかりのあるフットボール競技場で行われた葬儀でのできごと。そこには彼の友人だけでなく、名だたる経営者やビジネスマンなど1000人以上が列席していたのですが、その多くが「ビルを無二の親友のように思っていた」とされています。

退任時に新聞広告

さらに、ビルがクラリスという企業を退任することになったときは、その別れを惜しむ従業員たちが感謝を伝えるために新聞に全面広告を出しました

従業員たちが出した感謝の新聞広告

「さよなら、コーチ」という見出しのもとに、「ビルへ、あなたのリーダーシップ、あなたのビジョン、あなたの知恵、あなたの友情、あなたの気骨が恋しい」というメッセージが書かれています。「あなたは僕らに独り立ちする方法を教えてくれた。永続できる会社に育ててくれた。もう僕らのコーチはしてもらえないが、これからも誇りに思ってもらえるように頑張るよ」と伝えたのです。

そんなことあります……!?これらのエピソードから、ビル・キャンベルがどれだけ慕われ、愛されていたかがわかりますね。ということは、それだけ彼が周囲の人々にたくさんのものをGIVEしていたのでしょう。いったい彼が「コーチ」したこととは何だったのでしょうか。ビルが偉大なコーチになれたのは彼の人柄に寄るところが大きいのは間違いないですが、その姿勢や行動でぼくらにも真似できることをピックアップしてみました。

会議は旅の報告から始める

まずぼくらでも取り入れられそうなことは、ミーティングで本題に入る前に、週末に旅行帰りの人がいればその旅の報告をしてもらうというもの。もちろんこれは旅に限った話ではなくて、家族のことやプライベートの遊びのことでも構いません。要はそれらの話題を通じて、家庭や仕事外の興味深い生活をもつ人間同士としてお互いを知り合うこと。そして、全員が特定の専門家や責任者としてだけでなく、ひとりの人間として最初から楽しんでミーティングに参加することが目的なのです。

これによって、全員の関わり合い方が変化し、共感力が高まり、ミーティングの雰囲気が良くなったんだとか。

ということで、ぼくらが参考にすべきビルの教え、ひとつめはこちら。

「旅の報告」から始める
チームメンバーの連帯感を生み出し、高めるために、旅の報告など 仕事以外のプライベートな話題からスタッフミーティングを始めよ。

フリーフォームで話を聞く

続いてのビルに学ぶ人材育成法は、フリーフォーム(自由回答式)で話を聞くこと。彼は、コーチングセッションで、いつでもじっくり耳を傾けました。うわのそらでスマホをチェックしたり、腕時計をちら見したり、窓の外に目をやったりすることは決してなかったそうです。

さらにビルは、相手に山のような質問を投げかけました。2016年の「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌の論文によれば、こうした質問の姿勢は、すぐれた聞き手になるためには欠かせません。「発見や洞察を促すような質問をしょっちゅうする人は、最高の聞き手だと相手に思われる」と言われています。

名著『HARD THINGS』の著者ベン・ホロウィッツも「ビルに何をしろと指図されたことは一度もない」「むしろ彼はどんどん質問を投げかけて、本当の問題に気づかせてくれた」と語っています。誰かの話に耳を傾けると、相手は大事にされていると感じることができます。

スウェーデン・ルンド大学の2003年の研究によれば、従業員の話を聞く、声をかけるといった「ありきたりの何でもないこと」が、すぐれたリーダーシップの重要な側面だということがわかっています。そうした行動は従業員に「自分は尊重されていて、目に見えない名もなき存在ではなく、チームワークの一端を担っていると感じ」させることができるのです。

また2016年の研究は、自由回答式の質問をして返答にじっくり耳を傾ける話し方、つまりリーダーの「敬意のこもった問いかけ」に効果があるのは、相手の「有能感」(自分は試されていて、それに応えることができるという感覚)、「関係性」(他者とつながっているという感覚)、「自立性」(自分が状況をコントロールし、選択しているという感覚) を高めるからだとしています。

Googleの初期からの幹部、サラー・カマンガーは「ビルといると気分が高揚した。何を議論していても、話をしっかり聞いてもらい、理解され、支えられていると感じた」と話しています。ここまで言わしめるのはすごい能力ですよね。

「フリーフォーム」で話を聞く
相手に全神経を集中させ、じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを 先まわりして考えず、質問を通して問題の核心に迫れ。

5分間の親切

3つ目に紹介するのは「5分間の親切」という話。これはアダム・グラントの著書『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』のなかで語られていることで、「親切をする側にとっては簡単で、負担もほとんどかからないが、受ける側にとってはとても大きな意味のあるものごと」のことです。

ビルはお金持ちになるずっと前から、友人やその子どもたちにおごったりプレゼントをしたりしていたし、とても多忙でも自分の時間を惜しみなく人に与えたりしたそうです。この小さな贈り物が「5分間の親切」にあたります。ただし、成功するギバーになるということは、誰にでもいつでも何でもしてあげるということではありません。

グラントは「自らの負担より、他人を助けることのメリットが上回るかどうかを意識する必要がある」 とも書いています。これをうまくやる人が「自己防衛的なギバー」です。彼らは、寛大であると同時に自分の限界を自覚しているのです。頼みごとにむやみにイエスと言わず、寛大な行動を楽しみながら持続できるよう、小さな負担で大きなインパクトを与えられる方法を探すのだと言われています。

「ギバー」と言うとただの良い人のようですが、こう聞くとなかなかの策士ですよね。でも、他人を助けることのメリットよりも自らの負担のほうが大きくなってしまっては継続的にギブすることができなくなってしまいますし、チームとして見た場合には損失になり得ます。だからなんでもかんでもギブすれば良いというものではないんですね。「それが正しいことで、全員のためになるという確信があるなら、頼みごとを聞いてやれ」というのがビルの教えです。

人を助けよ
時間や人脈などの資源を、人のために惜しみなく使え。

まとめ

これまで、「会議は旅の報告から始める」「フリーフォームで話を聞く」「5分間の親切」というビルの教えをご紹介してきました。が、こんなの本書に書いてあることのほんのひと握りです。ビルが仲間たちに語ってきたこと、実践してきたことのごく一部でしかないので、これを読んだだけではビルのような人を導く人間にはなれないのですが、すこしでも参考にできたらと思います。

本書の著者は、

インタビューはビルが亡くなってから行われたのに、ジェシーのようにビルのことを現在形で語る人が何人もいた。また多くの人が、いまもビルのことを考えており、何かを決めるときはいつも「ビルなら何と言うだろう」と考える、と語った

と書いています。

このエピソードを聞いて、あらためてビル・キャンベルという人間の偉大さを実感しましたし、ぼく自身もこんなにたくさんの人たちに良い影響を与えられる人間になりたいと思いました。

チームづくりに悩んでいる人、後輩にとって頼れる先輩になりたい人、会社を経営している人にはぜひ読んでほしい一冊でした。気になった方はぜひチェックしてみてください。それでは!

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