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タケダノリヒロ( @NoReHero)
Twitterで人気のコピーライター・田中泰延さんが、こんなツイートをしていました。
2018年、最高に面白い本に出会ってしまった。
ビジネス書は大嫌いなんだけど、これは違う。
なんちゅう人間くさい本なんや。
映画か、テレビドラマになってほしい。『小さくても勝てます』 さかはらあつし https://t.co/z8xZoMzEsu @amazonJP
— 田中泰延 (@hironobutnk) 2018年1月25日
激推しされていたのは、さかはらあつしさん著『小さくても勝てます』。
理容室の若い店主が、経営コンサルタントのアドバイスをもとに店を繁盛させていくという、小説仕立ての経営書です。これから個人事業主として働き始めた自分にとっても、ものすごく役立ちました!
この中で紹介されていたテクニックのうち、特に使えそうなのが「初めて&一番の法則」。
「自分の名前で働きたい」「SNSでの影響力・動員力を高めたい」という方にもおすすめですよ。
第一人者になる「初めて&一番の法則」
本書の説明は後回しにして、さっそく「初めて&一番の法則」を紹介。
コンサルタントの立三(たつぞう)は、理容室「ザンギリ」を世間に覚えてもらう手段として、店主に3年間ほど情報発信を続けることを提案しました。
その際にしたアドバイスが、「情報は『個性もしくは専門性』と『何か』の掛け算でつくれる」というもの。
そして、「掛け算する相手は「パタパタ変わるもの」(雑誌やネットニュースの見出しなど)を選ぶこと」。
ブログを毎日書くのって大変ですよね。朝礼時に社員が持ち回りで時事ネタについて話す、という取組をしている会社もあると思いますが、そんなときも話題を探すのは一苦労。
本書では、ザンギリの店主は「理容師の視点」と「政治家の髪型」をかけ合わせて、「政治家髪型評論家」を名乗ることにしました。
店主はコツコツと3年間ブログを更新。論評した人数が1000人に達したところで、ついにテレビ局から依頼を受けます。これによって「政治家髪型評論家」として世間からの認知も高まり、仕事が舞い込むようになったのです。
たしかに『ホンマでっかTV』でも、聞いたこともないような専門家が登場してますもんね。そしてそういう人の話が意外と面白い。
職業・肩書きを自分で創って、先行者利益を得てしまおうというわけです。
ポジションを取れ
これは「現代の魔法使い」落合陽一さんの言う「ポジションを取ること」に通じますよね。
「手を動かせ。モノを作れ。批評家になるな。ポジションを取った後に批評しろ」とは、まさにザンギリの店主がやったこと。
昨日、天才・落合陽一さんが言っていた。
多動力は大切。でも、多動を発揮するためには、まず何か一つのジャンルで頭角を現さなければいけない。何か一つのジャンルで突き抜ければ、他の業界のトップオブトップとも仕事ができるようになる。
みたいな。まさに。半端に色々とやっても仕方ない。
— 箕輪2.0 (@minowanowa) 2017年11月6日
「一つのジャンルで突き抜ければ、他の業界のトップオブトップとも仕事ができるようになる」。まずは一つのジャンルで突き抜けること。
そのためには地道に情報発信を続けること。これまでは「そうは言っても、ネタが続かないもんな…」と思っていましたが、「パタパタ変わるものと組み合わせる」という作戦なら、無限にアイデアが湧いてきそうですね。
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『小さくても勝てます』概要
では、本書で一番印象的だった点を紹介したところで、あらためてどんな本なのかを解説します。
ひとことで言えば、「『夢をかなえるゾウ』の経営版」です。腕は確かなものの、低迷する同業他社と同様に決して繁盛しているとは言い難い理容室「ザンギリ」の二代目店主・大平法正(おおだいらのりまさ)。
彼が大阪弁の経営コンサルタント・役仁立三(やくにたつぞう)と出会い、彼のアドバイスをもとにお店を立て直していくというストーリーです。
小説仕立てなのでものすごく読みやすいうえ、経営のキーワードも各章末で解説されているため、きちんと知識を吸収することもできます。
「実際の経営は小説ほど上手くはいかないだろ」と思ってしまいそうですが、実はこの物語は実話に基づいていて、「ザンギリ」という理容室も実際に存在しています。
「日本一出世するビジネスマンが多い理容室」っていうコンセプトも、店主の「大平法正」さんっていう名前も一緒だ…!ほんとにあるんですね。
ストーリーもトントン拍子に進むわけではなく、9年かけて月間来客数を2.5倍(400→1,030人)、売上を3倍(200→631万円)にするという地道な経営改善が描かれています。
中小企業の経営者の方、個人事業主の方、経営について勉強してみたいけど難しい本はニガテという方、この本を読んでみてはいかがでしょうか。
『小さくても勝てます』名言
この本には名言もたくさん登場します。ストーリーの中でも、「来店したお客さんに渡すお店のカードにビジネス名言を載せておく」という戦略も出てくるほど。
それだけ言葉には人を動かす力がある、ということですよね。本書に出てきた名言から、グッときたものをピックアップしてみました。
好きなことがある、儲からんでもどうしてもやりたいことがあるいうんは、才能があるいうことや
↑コンサルタント立三が、「理容室は儲からないかもしれないけど、それでも立て直したい」という店主に向けてかけたことば。
非合理的に決めた志を、合理的に追いかけた者だけが、志を達成するんや
↑非合理的に決めた志(「儲からないかもしれない理容室をなんとか立て直したい」)を、合理的に追いかける(経営メソッドを取り入れる)ことで、店主は志を達成しました。
その時、その時、『これかな』と思った好きなことを真剣にやってみることは大切だ。それが不思議につながるのが人生だと思う。そうしたら自分にちゃんと返ってくるよ。
↑店主が父から言われたことば。スティーブ・ジョブズの言う「Connecting the dots」ですね。
自らを灯明とし、法を灯明とせよ
↑お釈迦様のことば。人生は自分で判断して、自分で切り開くしかない、ということ。「法」とは、物ごとの本当のあり方のこと。
凡眼には見えず、心眼を開け。好機は常に眼前にあり
↑日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじたでん)のことば。実際の目では見えないが、心の目を開いて見れば、好機(商機やチャンス)はいつも目の前にある、ということ。
『ひょっとしたら一番になれるかも』と思ったら可能性がある。『アカンかもな』と思うんやったら大抵あかん。
↑店主が「優勝は難しいかもしれない」というコンテストへの出場を辞めるよう進言した立三のことば。ここで無駄な挑戦を避けたことによって、「政治家髪型評論家」への道がひらけました。まずはやってみて、「ダメそう」と思ったら諦めて方向転換することも大事。
まとめ
個人や中小企業が「小さくても勝てる」方法をとってもわかりやすく教えてくれる本でした。おすすめ。
自分でビジネスを創りたいなら、こちらの本も。
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