ルワンダで中高生と衛生啓発イベント開催!のはずがお客さん3人しか来なかった

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青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。

アフリカ・ルワンダで水・衛生環境の改善に携わっています。

今回、中高生を中心にして住民向けの衛生啓発イベント「WASHフェス」を開催しました!

が、しかし。

やっぱり協力隊の活動はそう甘くはないですね。

お客さんが3人しか来ませんでしたw

いったい何があったのか、事の顛末と今後に向けた課題を書いておきます!

WASHフェス開催までの道のり

生徒を集めて発表をするだけでも大変でした。

まずは今回のイベントの背景から。

昨年 生徒からの要望

昨年、青年海外協力隊のほかの隊員とともに、私の任地のセカンダリースクールで3回にわたって衛生啓発ワークショップを実施しました(5〜11月)。

すると、最後のワークショップ後に生徒から「今度は自分たちで地域に向けてやってみたい」という声をもらったんです。

それはこちらとしてもぜひやってもらいたい!ということで、改めて彼らに声をかけてイベントをやってもらうことにしました。

4月28日 学校に打診

まずは学校側にイベントの打診。

窓口になっている教頭的な立場の先生の許可をもらい、衛生クラブのリーダーと話して打ち合わせの日程を決定。

5月1日 生徒と打ち合わせ(中止)

いよいよ1回目の打ち合わせ!

セカンダリースクールを訪れると、見覚えのある顔が。

去年小学校で教えてた生徒たちが中学1年生になっていて、まさかの再会!

1年以上ボランティアやってると、こんなこともあるんですねー。

なんて、上機嫌で打ち合わせに臨もうとしたんですが、急遽学校全体のスケジュール変更により打ち合わせ中止に。

がっかり。

5月6日 生徒と打ち合わせ1

ようやく1回目の打ち合わせ!

学生のくせに生意気にも平日は時間が取れないということで、わざわざ土曜日に学校に出向いてやりましたよ(恩着せがましい)。

改めて全員にイベント開催の意志があるか確認して、具体的な日程やテーマ、コンテンツ決め。

テーマはもっとも一般的な水因性疾患である下痢の予防について。

その訴求手段として、をもちい、最後に実験器具を使って手洗いチェックをすることに。

ここで以前アップしたこの記事を書きました。

[青年海外協力隊]WASHフェス開催に向けて~地域を巻き込むイベントづくり~

5月12日 生徒と打ち合わせ2

一週間後、進捗確認のために学校を再訪。

すると、歌はすでに完成してました。素晴らしい!

一方「劇はどう?」と聞くと「も、もうすぐ完成するよ!」という担当の生徒。

うん、何もやってないなw 先生そんなんじゃ騙されませんw

まあ本番までは全然時間あるからまだ焦らなくても大丈夫。

そして、生徒から手洗いチェックの実験ではなく、簡易手洗い器のつくり方を教えたいという意見が上がり、コンテンツを変更することになってこの日は終了。

関係者とのやり取りに苦戦

生徒たちはなんとか動き出しました。

今度はまわりの大人たちを動かさないといけないんですが、これも一苦労。

まあ会えないし、連絡がつかない。

勝手にやるわけにもいかないので上司に相談しようと思うものの忙しくてつかまらないし、協力してもらおうと思ったヘルスセンターの職員を訪ねてもいない。

企画書だけでも印刷して渡そうと思っても事務所のプリンターが使えない。

この辺りの経験から「匍匐前進でも一歩前へ」という名言っぽい私の協力隊観が芽生えました。

結果だけ見れば何も進まなかったという日は往々にしてあります。

でも「この空振りも次に進むための一歩なんだ」と思ってアタックを続けることが大事なんですね。

結果、上司ともヘルスセンターとも話をすることができました。

上司からはイベントの承認をもらい、当日のスピーチと、お客さんを集めるための呼びかけをしてもらうことに。

イベントの趣旨にも賛同してもらい、これで後ろ盾はつきました。

ヘルスセンターのスタッフは本番の日程に都合が合わないため、今回は不参加に。残念。

5月26日 打ち合わせ(中止)

本番まであと一週間。生徒との打ち合わせに学校へやってきましたが、異様に生徒が少ない…嫌な予感。

と思ったら、このセクター全体で起こっている水道トラブルのために水が不足し、生徒たちはほとんど水汲みに行っているとのことで、またしても打ち合わせが出来なくなってしまいました

幸い衛生クラブのリーダーには会えたため、ビジュアルエイズを作るための紙とマジック、簡易手洗い器を作るための材料とマニュアルを渡し、「もう本番前日にしか会えないから、自分たちで仕上げといてね!」と依頼。

不安しかないw こんなんでほんとにできるのか…。

6月2日 前日リハーサル

本番前日、恐る恐る学校を訪問。

教室に行くと歌声が…!

生徒たちが自主的に衛生啓発ソングの練習をしてました!

歌はもうバッチリ。

劇もスクリプトは完成しました。

みんなで流れを共有して練習。

これなら生徒の発表はなんとかなりそう!

お客さん呼んでおくよと言っておきながらちゃんとできるのか不安だったので、全然他の人に声かけてませんでした。

でもこんなに練習してくれてるならやっぱり見てもらわないと!

と思い、前日から当日朝にかけて他の学校の先生や、教会の神父さんたちにも声をかけました(やっつけ感)。

あと心配なのは、上司が村人にちゃんと声かけしてくれてれるかどうか

「セル(※)の職員を通して村人に伝えるよ!」と約束してくれましたが、全然信用できない。

※私や上司が所属しているのが「セクター」、その下部組織が「セル」

人集まるかな…。

本番はまさかの雨

いよいよ本番当日。

めっちゃ雨w

あれ、いま大乾季だよね?

この数週間、断水のうえに全然雨が降らなかったから「ちょっとでも雨降ってほしい…」と懇願してたけど、今日だけは降らないでほしかった…

ずっとAちゃんのことが好きで付き合いたいと思ってたけど、そこそこ可愛いBちゃんから告白されてまあいっかってOKしたらその直後にAちゃんからも告白されてしまったときみたいな「今じゃない感」(そんな経験ないけど)。

日本に住んでたら「雨くらい大したことないじゃん」って思いますよね。

でもルワンダでは「雨が降ったら出かけなくていい」という謎のルールがあるんです。

ぼくもすっかりルワンダナイズドされてしまったので、ほんのぱらっとでも雨が降ったら「出かけなくていい」どころか「出かけちゃダメだ」くらいに思ってしまいます。

日本で「あ、今日、雨降ってるので会社休みますね」とか言ってたら完全に社会不適合者ですよね。

ですが、ルワンダ(特に田舎)ではそれが普通。

ということで、雨が続いたままイベント開催予定の14時が来てしまいました。

この時点で来てるお客さんはほかの協力隊隊員がふたり。その隊員が連れて来てくれたほかの地域の学校の先生1名。

つまり計3名w

この地域の人はゼロ。

なにより発表者である生徒たちすら来てません。

まあね、想定の範囲内ですよ。この雨ですからね。

生徒たちは学校の寮にいるので、雨が止んだら5分もあったら来れます。待ちましょう。

生徒登場

15時前、一向に雨は止みません。

しかしその雨の中生徒たちが来てくれました!よかった!信じてたよ!

みんなで雨が止んで住民が来るのを待ちます。

が、…むしろ強まる雨。

生徒「ノリ、村の人たち来ると思う?」
私「…これはー来ないだろうね…ちなみに延期とかはできないの?」
生徒「それは難しいねーやるとしたら来期かな」

ということで、仕方なく我々だけ(3人)に見せてもらい、その様子を録画しておくことに。

衛生啓発ソング

観客は3人しかいませんでしたが、まずは生徒オリジナルの衛生啓発ソングを披露。

衛生啓発劇

それから衛生啓発の劇。これも生徒が筋書きから配役まですべて決めました。

手を洗わなかった子のお腹が痛くなってしまうというストーリー。

バナナを食べる生徒

なぜ手洗いなどの予防が重要なのか、どうすれば正しい手洗いができるのかなど、衛生啓発として必要なエッセンスは十分含まれていて、立派な劇になりました。

村の人たちに見せられなかったのは非常に残念ですが、映像は撮れたので学校や地域をまわって見せていこうと思います。

ちなみにミニ発表会が終わった直後に雨が上がり、ぼくが直接声をかけた先生や神父さんたちはそのすぐ後に来てくれました。タイミングw でも約束通り来てくれてありがとう。

上司は連絡すら寄こさず、村人を呼んでくれてたのかも結局分からなかったけどね…。

これから

「WASHフェス」として大々的に衛生啓発イベントを開催するという目標は持ち越しになりました。

しかし今回は実験的に小規模でやりたかったので、ひとまず「生徒主導で発表する」という形だけは出来て良かったです。

隊員に連れられて見に来てくれたほかの地域の先生も「これを参考に自分の学校でも衛生クラブをつくっていくよ」と言ってくれたので、それだけでもやった甲斐がありました。

生徒にとっても、「どんな問題があって、それをどうやって伝えるか」ということを考えるいい機会になったと思います。

次回は3校くらい集めて、学校対抗で衛生啓発イベントをできればいいなあ。

そのために今回撮ったビデオを参考材料として、ほかの学校で活用します。

遅々として進まなかった準備段階から雨に阻まれた当日まで、久々に胃がそわそわするような緊張感と、生徒に成功体験を持ってもらいたかったという悔しさを味わえました。

ひとまず一歩前進ということで。

タケダノリヒロ(@NoReHero)

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