スポンサーリンク
J-POP、J-ROCK大好き、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
結成20周年を迎えたアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATION。
2004年のセカンド・アルバム『ソルファ』を再録して再発売するという一風変わったことをやってくれました。
発売したこと自体は知ってたんですが、買うまでには至らず――
しかしAbemaTVにて語られた『ソルファ』再録の理由や、アジカンの音楽に対する姿勢に感動し、ついに買ってしまいました。
そしてめっちゃいい!再録版!
そこでぼくが感動した理由や、再録版『ソルファ』のレビュー・旧盤との違いをこの記事にまとめておきます。
もくじ
アジカン『ソルファ』とは
『ソルファ』はASIAN KUNG-FU GENERATIONが2004年に発表したセカンドアルバムです。
2004年版『ソルファ』 画像出典:iTunes
「sol-fa」とは英語で「音階のドレミファ」という意味。”sing sol-fa”で「ドレミファを歌う」という意味になります。
アジカンはこのアルバムで、グループ初のオリコンチャート1位を獲得。
11ヶ月前に発売されたファースト・アルバム『君繋ファイブエム』は、インディーズ時代に制作したものをキューンレコードが買い取る形でメジャーデビューとなりました。
そこからのオリコン1位なので、とんでもない快挙です。
そして今回の再レコーディング。
新『ソルファ』。ジャケットも旧作を手掛けた中村佑介さんによって更新。画像出典:iTunes
いったいアジカンはなぜ、以前出したアルバムをほとんどそのままの形で再録するという前代未聞の試みに挑んだのでしょうか。
アジカンが20周年で『ソルファ』を再録した理由
なぜあそこまで受け入れられたのかがわからない
再録の意図について、ROCKIN’ON JAPANのインタビューでボーカルの後藤さんはこう語っています。
自分たちの実験としても、どうして『ソルファ』があれほど受け入れられたのかっていう構造について、もう1回封を開けてみるのはおもしろいと思ってる。自分でもよくわからないんだよね。「なんでそんなに“リライト”好きなの?」みたいな(笑)
参考:ro69
あのアルバムが名盤となった理由は本人たちにもわかっていなかったんですね。
新しさへの挑戦
AbemaTVの『オトナに!』という番組でも、『ソルファ』再録の理由について語っていました。
この中で「あのアルバムもっと良くできたなっていう気持ちがある」「あの素晴らしい作品をきっちり収めるだけの体力がバンドにはまだなかった」と語る後藤さん。
バンドとして経験を積んだいまだからこそ、あの名作をもっと良い形で仕上げることが出来ると考えたんですね。
ホスト役のいとうせいこうさんと、「新しさ」や「古典」について語りあう話もとても興味深かったです。
後藤「ほんとに新曲だけが最新なのかっていう疑問がある。世界中のミュージシャンが新曲を作っている、作りまくっている、自分たちでその曲たちに埋もれるほど作ってる。
でもそれがほんとに『新しい』と称していいのかすごい疑問があって、たとえば文楽にしたって演目が固定されているところに人々の技術の『最新』が乗ってきて――」
いとう「違う名人、違う名人、違う名人ってなるからね」
後藤「そうですそうです。その時々の『新しさ』があるから。そういうことをやってもいいんじゃないの?っていう。
更新の仕方はなにも新曲だけじゃなくて、いまの体力で『ソルファ』を録ったらちゃんと『NEW』があるっていう。
毎年アルバムを1枚作る、みたいなほうが『新しさ』に対して不誠実なんじゃないかっていう。
毎年アルバムを作るほうが「新しさ」に対して不誠実、なんて考えたこともなかったです。
たしかに古典芸能の場合、やる内容はほとんど同じでも、人の技術によって「新しさ」が更新されてますもんね。
さらに、古典に関していとうさんが続けます。
いとう「大体みんな『古典芸能』っていうと、出た時から古典芸能だと思ってると思うけど、ヒットして何回も人がやった瞬間に、複数回やられた瞬間に、だんだんだんだん古典になってくる。
てことはアジカンが『ソルファ』をもう一回やるってことは、『ソルファ』を古典にするってことだよね。」
後藤「音楽だとそういうのは『スタンダードナンバー』って言われるんで――(中略)
大学の先輩とかがあるタイミングで『お前らがいまやってるのはポピュラーミュージックだけど、いつかスタンダードミュージックになったらいいね』って言ってくれたことがあって。」
『ソルファ』を再録することによって、『ソルファ』を古典にする。言い換えれば、かつて彼らの先輩が言ったように、スタンダード・ナンバーにするということ。
ぼくのなかでは、このアルバムは間違いなくスタンダード・ナンバーになってます。
ちなみにこの番組、めちゃくちゃ面白いのでぜひ観てみてください。あんまりアジカンがしゃべってるところ観たことなかったんですが、トーク上手w 何回も声出して笑いました。
そしてぼくの記憶の「アジカン像」は10年ぐらい前で止まっちゃってたんですが、みなさんものすごくお洒落になってます(髪型とか笑)
こちらが2004年のアジカン。
画像出典:YouTube
そしてこちらが2016年のアジカン。
画像出典:YouTube
一昔前は野暮ったい感じだったのに、結成20年とは思えない若々しさ。
ますますアジカンが好きになりました。
再録版『ソルファ』全曲レビュー
高校時代にバンドを組んで『ループ&ループ』や『君の街まで』をコピーしていたので、思春期にもっとも聴き込んでいたと言っても過言ではないアルバム『ソルファ』。
2004年版と比較しながら全曲レビュー書いてみました。
振動覚
2分半ほどの短い曲。以前はなかったイントロの「さっ!」って声から、「再録版ソルファ、始まるぜ―!!」という後藤さんの意気込みのようなものを感じてワクワクしますね(勝手な深読み)
リライト
というフレーズの、「想像を原動力に、幻想を打ち破る」力強さが増していますね。
ループ&ループ
君の街まで
イントロのベースが印象的なこの曲ですが、再録版では後半がシンプルなルート弾きに。
ボーカルのわかりやすい変化は、2番の「悲しみだけで」の歌い方。以前はその前の「切なさだけで」とおなじように「だけで」が上がってましたが、再録版では「だけで」を下げて歌っています。
ドラムはフレーズが移り変わるところで、ちょこちょこ手数が増えてますね。
ギターはサビ後半のリフがより目立つように。「こんな音入ってたっけ?」と思って旧作を聴き返すとたしかに入ってましたが、もっとつぶれた音色でほかの音に埋もれてました。だから意識してなかったんですね。
この曲でも間奏が長くなってます。
マイワールド
夜の向こう
ラストシーン
サイレン
Re:Re:
『Re:Re:』の読み方は「アールイー・アールイー」。
最初の1分くらい何の曲かわからないほどイントロの序盤に新たな音が足されてました。
いやあ~、これも良くなってますねー!!
ベースの存在感をぐいぐい感じて、疾走感を感じながらも安心して聴いてられます。
ただ、終わり方がちょっとくどいかな。。笑
そういえば、いつのまにかシングルバージョンが発売されてたんですね。
24時
真夜中と真昼の夢
海岸通り
『ループ&ループ』の曲順が変わり、再録版でトリを飾ることになった『海岸通り』。
オーケストラの音色に壮大さが漂い、まるで「アジカン」という20年分の映画を観終わったときのエンドロールのような締り感がありますね。後味最高。
このイントロ、こんなに綺麗なメロディだったんだなー。
『海岸通り』まで来て、また『振動覚』から聴きたくなる。再録版、この曲順で大正解です。
アジカン『ソルファ』再録版と旧盤の違い・まとめ
アジカンの音楽に対する姿勢に感銘を受けてついつい買ってしまった再録版。
驚くほどの変化は少ないですが、それでも買ってよかった。
まるで、いいところはそのままに、洗練されお洒落な大人になってた学生時代の友人と10年ぶりに再会したような気分です。隔世の感。
個人的な所感も含めて旧盤との違いをまとめると、
- イントロや間奏が長くなっている曲が多い(合計収録時間は46:30から49:32と約3分延長)
- 全体的に円熟味や音の厚み、キラキラ感が増している
- ラストだった『ループ&ループ』が3曲目に移行
- メンバーの歌い方、演奏方法に勢いを感じる(気がする)
- 個人的には旧盤で「捨て曲」だった曲もお気に入り曲に(『夜の向こう』『海岸通り』など)
- 自分が大人になり、当時のアジカンメンバーの年齢に追いつき、歌詞に感情移入できるようになった?
しばらくリピートします!
タケダノリヒロ(@NoReHero)
つぎのページへ!
ミスチル『ギフト』歌詞とPVの意味・考察~頑張る人への応援歌~
アイキャッチ画像出典:YouTube
スポンサーリンク