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ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です
協力隊としての仕事は「コミュニティ開発」。要するに住民の生活向上をお手伝いすることですね
特にぼくの配属先であるムシャセクター(※)では、水や衛生に関する問題の解決が求められています
※首都キガリから車で1時間。キガリやその他の都市と比べるとインフラや経済は未発達。いわゆる田舎
その一環で「収入向上」の取り組みを始めたいと思ってます
が、まだ試行錯誤中です
とりあえず現状報告
なんで収入向上が必要なの?
「『水や衛生環境の改善』が任務なのに、なんで収入向上が必要なの?」って思いますよね(思ってなくてもお付き合いください)
いまこの村の現状を把握しようと思って、家庭調査をしてるんです。そのなかで見えてきた問題は、
- 安全な水が手に入らない
- 十分な食事を取れない(一日一食以下の家庭も多い)
- トイレに屋根がない
- 雨風ですぐ家が壊れる
- ベッドがない。ベッドはあるけど蚊帳がない
- ボロボロの服を着ている
などなど
けど、この問題の原因って、どれも結局「お金がない」ってとこに行きつくんですよね
お金があれば、無料の湧水じゃなくて有料の水道水を買える
お金があれば、朝昼晩食べるだけの食材を買える
お金があれば、トイレの屋根もすぐ設置できます
「じゃあなんでそんなにお金がないのか?」というと、ほとんどが零細農家だからです
土地すら持ってない家庭は、地主さんの畑で働かせてもらって給料をもらっています
その場合、1日の給料は大体700~800RWF(100円以下)。700RWFというと、ハイネケンの瓶一本と同じ値段です(国産ビールのmutzig 330mlなら一本500RWF)
耕してるだけじゃ、餓死するほどではないけど、豊かなくらしはできないんですね
だから、なにか収入を向上させる手段を考えなきゃ、ってことです
バナナチップス
いろいろ考えて「これならいけるんじゃ?」と思ったのが、バナナチップスの生産と販売
収入向上の手段として必要な条件は、
- 低コスト
- 簡単、だれでもできる
- 材料が手に入りやすい(アクセス)
- 需要がある
あたりだと思いますが、バナナならその辺でくさるほど売ってるし、チップスにするなら揚げるだけだし、材料もバナナと塩と油があればできます。機材も火と鍋があればOK
それにバナナはみんな食べ慣れてるし、この辺で気軽に買えるお菓子・間食と言えばビスケットやサモサ、アマンダ―ジ(サーターアンダギーみたいなやつ)なんですが、チップス系のものは売ってないのでいけるかなと
ということで、クックパッドのレシピを参考にしながらさっそく作ってみました
黄色バナナ
バナナを切って揚げます
・・・できた!
なにこれwww
薄く切ったら溶けてしまい、くっついちゃいました
少し厚めに切り、スペースに余裕をもって再挑戦
カリカリにしようとしたけど、焦げるだけ・・・
まずそうすぎるw
てかチップスなのに厚めに切ってる時点でダメだよね・・・
カリカリにしようと思って薄く切ると溶けてしまうので、小麦粉をつけて再挑戦
たしかに外側はカリッとしてるけど、厚みがあるから中はトロッとしてます
これはこれで美味しいけど、なんか違う・・・
食用バナナ
熟れたバナナじゃ難しそう。ということで、こんどはルワンダでよく主食として食べられている「食用バナナ」(青いバナナ)で試してみました
切って揚げてみると・・・
なんということでしょう
良い感じ!
どうです、このビフォー&アフター
黄色バナナみたいに甘味はないけど、塩をかければさつまいもチップスみたいで美味しいです
ちなみにつくってる最中、ついつい口ずさんでしまった歌がこれ(昔観てたニャロメが出てくるアニメの主題歌)
この歌、知ってる人がいたらうれしい
バナナチップス、おーいえー
ルワンダ人に食べてもらおう!
美味しくできたので、こんどはルワンダ人に試食してもらうことに
訪れたのは、いつもお客さんのホームステイを受け入れてくれてる家族
いちばん仲良くさせてもらってて、仕事も探してるって言ってたので、あわよくば「これ美味しいわね!わたし売ってみるわ!」という展開を狙って行ってきました
食べてもらうと・・・
反応は上々!美味しいって言ってもらえましたーよかった
ただし、「わたしが売るわ!」とはならずに話はそこで終了
まあそりゃそうですよね。そもそもこの家族は職探し中とはいえ、土地を持ってて裕福な方なのでバナナチップスなんか売る必要ないんです
「なにをするか」より、「だれとするか」
収入向上に限らず、コミュニティ開発においてぼくが大事にしたいのは「『なにをするか』より、『だれとするか』」ということです
もちろん何を売るかとか、どんな方法を使うかってのも大事ですが、それ以前に「だれの」問題解決を手伝うか、「だれと」一緒に取り組むかってことの方が重要なんですね
そこでその「パートナー」を決める基準はふたつ
「困ってるレベル」と「距離感の近さ」
このムシャセクターには「所得が低い」という問題が間違いなくあります
でもその問題で困っているレベルにはひとりひとり差があって、「一日二食食べれてるけど、もう少しお金があれば三食食べたい」って人もいれば、「二日に一回しか食べれない」って人もいます
だから、当然後者の困ってるレベルが高い人の方が熱意をもって取り組んでくれるはず。というか、そういう人じゃなきゃぼくの助けなんかいらないはず
今回試食してもらったホストファミリーにはよく「仕事紹介して」とか言われますが、バナナチップスを売るほどの「困ったレベル」ではありませんでした
けど彼らとは「人間関係」をほかのどの家庭よりも築けてます。だからぼくの話も聞いてくれるし、ぼくも本気で力になりたいと思えます
なので、今後の課題はこのホストファミリーと同じくらい「近い距離感」で付き合えて、なおかつ「困ってるレベル」の高い人を見つけること
そんな関係は一回会っただけじゃ築けません。ただ、その候補になり得る人たちはこれまでの家庭訪問で何人かいたので、また会いに行ってみるつもりです
まず稼げるようになるのは、ひとりでもひと家庭でもいい。100円でも200円でもいい
最初はどんなに小さくても、はじめの一歩さえ踏み出せれば、それがどんどん広がってくはずです
まずは「出会い」をつくらなきゃ
何をするか。アイデア募集
で、さっき「だれとするか」が大事だって言いましたが、こんどは「なにをするか」の話
ホストファミリーの家から帰ってきて、残ってた冷めたバナナチップスを食べたらシナシナで全然美味しくなかったwこれじゃ売れんw
どなたかチップスをカリカリに保つ方法をご存知でしたら教えてもらえると助かります。もっと薄く切るとか、油の温度高くするとかで変わるかな・・・
バナナチップス以外では、「ゴートバンク(ヤギ銀行)」と「輪ゴムアクセサリー」がおもしろそうだなと思ってます
ゴートバンクはよく国際協力の現場でも行われてて、ヤギを貸し出して子どもを産んだら返してもらうっていうシステムです。ヤギは飼育が比較的簡単で、まとまった金額で売れるので、収入向上にはもってこいですね
あと、輪ゴムアクセサリーはスーダン隊員のマルヤマさんのブログから
輪ゴムでアクセサリー作り。大人なら10分で完成しちゃうよ – 腕まくりをして、アフリカの地に立つ!! 〜人生は夢ばかり〜
簡単そうだし、ふつうにかわいい!
ただし、こないだ首都のキガリで大型スーパーまわったんですが、こんなカラフルな輪ゴムは置いてませんでした・・・。ルワンダでは手に入んないかな・・・
ほかにも「こんなことしたらいいんじゃない?」とか「こんな風にしたらうまくいくよ!」って情報があったら教えてください!
タケダノリヒロ(@NoReHero)
地方にはまだまだこんなくらしがあるんです
食事は1日1回、トイレは屋根なし…ルワンダ農村部の暮らし
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