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青年海外協力隊は「無力感」との闘いである。
青年海外協力隊は自分の無力さを突きつけられる体験の連続。それでも何とかしたいって気持ちを糧に何とか出来る方法を見つけていくしかないよね。
— タケダノリヒロ@ルワンダノオト (@NoReHero) August 2, 2016
ほんとこれ。
現実を知れば知るほど、「お前に何が出来る」と言われているような気がしてきます。
家庭訪問の一例
住民の暮らしぶりや人となりを深く知るために、1000軒目指して家庭訪問を実施中です。
昨日お邪魔したお宅。土壁で出来た簡素な作りで、雨が降り込んで来たりするそうです。
この辺りの家庭では、トイレはほぼ外にあります。水が限られているので、水洗式ではなく穴を掘ってあるタイプが一般的。
これ、トイレです。
中に入ってみると、壁に穴があることを除けば普通に用は足せそうです。でも雨の日は足元がぐちゃぐちゃになって嫌だろうな。
家の中に入れてもらいました。
リビングとなるべきところにテーブルやイスはなく、あるのは木箱だけ。
「食卓」と呼ばれるものは存在しません。ごはんは地べたに座って食べるんだとか。
隣の部屋には、決して綺麗とは言えないベッドが1つ。
この家庭にはセカンダリーのAレベル(高校生)とOレベル(中学生)、小学生の3人の子どもがいます。
いちばん上のお兄ちゃんと色々話せました。
部屋を見回すと電気がありません。
「どうやって勉強してるの?」
「見ての通り、電気も机もないからあんまり勉強できないよ。夜に勉強するときはこれを使うかな」
と言って持って来てくれたのがこちら。
電池式の懐中電灯でした。
高校生がこんなんで満足に勉強できるわけありません。
学校も、学費が高く、通うだけでやっとです。
1学期で中学生のお兄ちゃんには15,000RWF、高校生のお兄ちゃんは81,000RWF(ボーディングスクールだから高い)かかります。ってことは、2人で年間288,000RWF(=約44,000円)。
家は農家ですが、人に売るほどは採れないそうです。そのためたまに大きな農家の手伝いをして、1日に700RWFもらいます。
365日休まずその仕事をしたとしても、25万RWFほど。学費にすら届きません。
「これから学費を支援してくれる人を探さなきゃいけないんだ」
卒業出来ても、大学に入るのにもまたお金が必要です。
「卒業して、出来れば弁護士になる勉強をしたいけど、仕事が出来るなら何でもやるよ」
お前に何が出来る?
こんな話を聴いても「勉強が続けられるといいね」ぐらいしか言えませんでした。
他人事かよ。
きっとこのお兄ちゃんみたいに、満足に勉強できずに可能性を埋もれさせてしまう若者がいっぱいいます。
でも、そこにポンと札束を渡して「これで学校行ってきな」って言うことも出来ないし、家の収入が増えるような画期的なアイデアを出せるわけでもありません。
じゃあ何しに来たの?
まじで。
お前に何が出来る?
と、
「無力」ってかかれた印籠を目の前に突きつけられたような気持ちになります。
でも、「大変な生活してるんだね。じゃあがんばってー」で終わったらただの冷やかしです。
だから「なんとかしたい」って気持ちを糧に「なんとかできる」方法を考えるしかないんですよね。無理ゲーだろ、って打ちひしがれてる場合じゃありません。
そもそも、こういう風に「他人事」を「自分事」にしたくて協力隊に入ったわけです。ならどうにか農家の収入を増やしたり、子どもたちが勉強できる環境を整える術を考えないと。
ここをクリアできれば自分自身ももう一段階成長できるはず。
何か突破口がないか、頭フル回転させて家庭訪問続けていきますー。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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