ルワンダ水問題を救う!自作ソーラークッカー10個のメリット

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青年海外協力隊として、アフリカ・ルワンダにあるムシャセクターという地域で先月から活動しています。

ぼくの要請内容は、「水の防衛隊」としてこのセクターの水・衛生環境を向上させること。

取り組むべき問題を発見したものの、いい解決策がなかなか出なかったところに、先日良さそうなアイデアがひとつ浮かびました。

こんなアイデア、どうでしょう?

solarcooker

水因性疾患をどう減らすか?

歩きまわって、住民と話をして、浮かび上がってきた問題が水因性疾患。安全でない水が原因で下痢などの病気が蔓延していました。「たかが下痢でしょ?」と思うかもしれませんが、ルワンダでは毎年2,000人以上の子どもたちが下痢で亡くなっています。

ではどうすれば水を安全に飲めるのか?

煮沸すればいいんです。

じゃあなんで煮沸しないのか?

煮沸するための薪が足りないんです。そこにかけるお金がないんです。

 

詰んだ、と思いました。

薪になるような木を植えるか?でもそんなもん使えるようになるまでどんだけ時間かかるんだよ。じゃあ収入向上を手伝うか?出来たとしても一家族ずつ地道にやってくしかないし、「綺麗な水を確保する」っていう目的達成の手段としては道のりが遠すぎる。お金や薪・炭・ガスを提供するか?これもその場しのぎでしかないし、どこから財源引っ張ってくるんだよ…。

と考えてはみたものの、有効な解決策になりそうな案は一向に浮かびません。

スクリーンショット 2016-03-14 20.04.22

山道を歩いていて思い浮かんだ解決策

ぼくの住むムシャセクターは、首都キガリから車で一時間。幹線道路沿いのバス停から、急斜面のでこぼこな山道を15分ほど登った所にあります。町に出るたびに軽い登山です。

先週末も、先輩隊員の送別会でキガリに行っていました。その帰り道のこと。

日曜日の昼過ぎ。ジリジリと太陽が照りつけて、汗でTシャツが背中に貼り付きます。風に舞って口に入ってくる赤土の粒子を吐き出しながら、いつものようにとぼとぼと坂道を登っていました。

「この辺までよく子どもたちが薪を拾いに来てるもんなー。確かに木はそこそこ植わってるけど、落ちてる枝なんてたかが知れてるしな……ガスも炭も高くて使えないって言うし……しかし暑いな……」

なんて考えていたら、前にノートに描いた絵がパッと頭に浮かびました。

派遣前、二本松訓練所での講義で取っていたノートIMG_8884

ソーラークッカー……!!

ソーラークッカーとは

ソーラークッキングは、燃料を消費せずに、また台所を暑い場所にすることなく食品を調理する最も簡単、安全、かつ便利な方法です。 多くの人々がこれらの理由によりソーラークッキングを選択しています。いっぽう、世界中の何億人もの人々は、木か糞を燃やした炎で調理をしており、薪を集めるために何キロもの危険な道のりを歩き、わずかな収入の多くを燃料の購入費に充てています。こういった人々にとっては、ソーラークッキングはもはや選択肢ではなく、まさに天の恵みなのです。また、安全な飲料水が手に入らず、毎年予防可能な水が原因の感染症で病気になるか、死んでしまう何百万人もの人々にとって、太陽熱による低温殺菌法は命を救う手段です。

引用元:ソーラークッキングとは – ソーラークッキング – Wikia

これなら、薪も炭もガスも使わずに殺菌出来る――。

作り方も簡単で、そんなに費用もかからないはず――。

しかも水を煮沸するだけでなく、調理にも使える――。

ということで、ソーラークッカーの種類や、メリット・デメリットなど調べてみました。

ソーラークッカーの種類

ソーラークッカーと一口に言っても、タイプは様々。

solar cooker

蓄熱ボックス型、パラボラ型、パネル型の3つに分けられます。

パラボラ型は大変そうだから、世界で一番普及しているボックス型(インドでは数十万台使われている)と、比較的安価に手作りできるパネル型を作ってみようかと。

参考:ソーラークッカーのしくみ – ソーラークッキング – Wikia

ソーラークッカーのメリット

  1. 燃料を使わずに、栄養のある調理をすることが出来る(豆類や穀類は本来調理に何時間もかかる)
  2.  煙が出ない(薪調理で出る煙は、肺と目を刺激して病気の原因となる。小児肺炎の死亡者は世界で年間400万人以上)
  3. 薪集めをしなくて済む(女性や子どもが襲われるのを防ぐ、他の活動に時間を使える)
  4. お金を節約できる(世界の貧困家庭では全収入の約25%を調理用燃料に費やしている)
  5. ソーラークッカーでビジネスも可能(製造・販売・修理・レストラン・パン屋での利用など)
  6. 放置しておけば数時間後に調理が完了している。焦げる心配もないのでかき回す必要もない。
  7. 鍋を簡単に洗える(水汲みに何kmも歩かなければいけないので重要)
  8. 持ち運び可能(職場やアウトドアでも使える)
  9. 森林保護(家庭の薪使用量を30~50%削減できる)
  10. 節電(需要を抑え、電力提供トラブルを防ぐ)

これひとつでこんなに沢山のメリットが。

参考:ソーラークッキングとは – ソーラークッキング – Wikia

ソーラークッカーのデメリット・懸念点

  1. 晴れている時、日中しか使えない?

これが最大の欠点。ただ晴れの日だけでも使えれば、だいぶ薪依存による負担は減るんじゃないかと思ってます。

ちなみにルワンダの季節は、こんな感じ。

Itumba(大雨季):3月中旬〜5月中旬
Icyi(大乾季):5月中旬〜10月中旬
Umuhindo(小雨季):10月中旬〜12月中旬
Urugaryi(小乾季):12月中旬〜3月中旬

引用元:Manners in Rwanda : Basic Knowledge on Rwandan Culture, Customs, and Kinyarwanda Language/ Joy Nzamwita Uwanziga

雨季と乾季が交互になってますが、大乾季が一番長いので少なくとも1年の半分以上は雨の心配は少ないってことですね。

 2. 耐久性に欠ける?

製品化されたやつだと2年ほど持つらしいですが……。あと風で飛んで壊れたりもするらしいです。まあとにかく作ってみます。

 3. 材料が手に入らない?

箱とアルミホイルさえあればとりあえずなんとかなりそうですが……。アルミホイルなくても、牛乳パックの裏とか、お菓子の包の裏とかアルミで出来てるやつで代用できないかな。

いまのところそんなに致命的な欠点は見当たりません。とりあえずやってみます。

代替案:SODIS

「水の防衛隊」の先輩隊員にも、ソーラークッカーを作ったことがないか聞いてみました。作ったことがある人は残念ながらいませんでしたが、「こんなのもあるよ」と同い年のムードメーカーたいきくんが教えてくれました。
How does it work?

SODISとは”Soler Disinfection”の略。これなら大げさな装置を使わず、さらに手軽に殺菌できそうですね。これも試してみます。

早く作りたくてウズウズする

ソーラークッカーなら水因性疾患にかかる子どもたちを少しでも減らせるんじゃないかと、ワクワクしながら調べました。

もちろんその成果を出すのが最大の目的ですが、それ以前に自分が『太陽光で目玉焼きを作ってみた』っていうブログを書きたくてウズウズしています。

やっぱり自分が楽しみながらやるのが一番ですよね。どうせ一発で上手くいくはずもないので、どんどん失敗していこうと思います。まずは行動。明日材料買い出しに行ってきます。

プリングルズの空き缶でソーラークッカー

ちなみに、こんなソーラークッカーもあります。

プリングルズの空き缶でソーセージが焼ける!手作りソーラークッカーが優秀

営業時代にプリングルズ売ってたので、これはやらねば……。

取り扱ってる業者さんや、アウトドア好きなキャンパーのみなさん、試してみてね。

他にも「こんな簡単に作れるよ!」とか「こんな使い方もできるよ!」っていうソーラークッカー情報があればぜひ教えてください。

タケダノリヒロ(@NoReHero

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