BOOK

いい人生に必要なのは納得感!ちきりん×ウメハラ『悩みどころと逃げどころ』

各所で絶賛されている『悩みどころと逃げどころ』を読みました。

社会派ブロガーのちきりんさんと、プロゲーマーの梅原大吾さんの対談本です。

良い大学→良い会社とエリート街道を進んできたちきりんさんに対して、「学校は寝るところ」だったものの14歳で国内最強の格闘ゲーマーとなり世界チャンピオンにもなったウメハラさん。

正反対のふたりに共通しているのは、「学校的価値観」によって作られた既製品の「いい人生」にとらわれていないということです。

では「いい人生」とは何なのか?

どうすればそれを手に入れられるのか?

学校教育論から人生観まで、真逆の生き方と考え方をもつふたりの、足掛け4年・100時間に及ぶ議論から出された答えとは。

2016年上半期に読んだ中で間違いなくNo. 1の、スーパーおすすめ本です。

いい人生に必要なのは納得感

ちきりん ところで私たちは、どっちもやりたいことをやれているから「いい人生」だと思ってるでしょ? ってことは、やりたいことがやれないと、いい人生は手に入らないのかな?

ウメハラ そんなことはないでしょう。もちろん一度しかない人生、やりたいことをやれたらすばらしい。でも世の中には、何らかの事情でやりたいことを選べなかった人もいれば、やってはみたけど、うまくいかなかったという人もいる。でもその人たちの中にだって、「いい人生」を送れてる人はたくさんいるはず。

ちきりん ……それ、具体的にはどういうイメージ?

ウメハラ たとえば僕の父は、子どもの頃から剣道一筋でかなり強かったらしいんです。で、それを職業にしようと考えたんだけど、「剣道で飯が食っていけるか!」と祖父に大反対されて、結局、普通のサラリーマンになりました。でも今、父にいい人生かどうかを尋ねたら、たぶんイエスと答えると思う。

ちきりん なんらかの理由でやりたいことができなくても、結果としていい人生になることはあるってことね。

(中略)

ちきりん  だとすると、「やりたいことは成就できなかったけど、いい人生だった」と思える人の条件は何ですか?

ウメハラ ひとつは、自分で人生を決めたっていう納得感があることかな。

ちきりん ウメハラさんのお父さんも、剣道は諦めたけど、それは自分で決めたことだから──自己決定したから、納得感があるってこと?

ウメハラ そうだと思います。

やりたいことが出来なければ「いい人生」とは言えないのか?というと、そうではありません。

やりたいことが出来なくても「いい人生だ」と思える人には、人生を自分で決めたという「納得感」があるんですね。

ただし、この納得感を得るためには悩んだり葛藤したりという「あがき」のプロセスが必要です。

納得感を得るために「あがく」

プロゲーマーとして成功していなかったとしても、「いい人生」だと言えると思うか?という質問に、はっきり「言えます」と答えたウメハラさん。

その思いは「納得感」に裏打ちされていましたが、それが生まれたのは「あがく」というプロセスがあったからだと説明しています。

ウメハラ    なぜかと言うと、とことんまで頑張って、あがいてあがいてあがき尽くすと、自分の器というか、〝分〟みたいなもの、役割とか居場所みたいなものがわかってくるから。

ちきりん どういうこと?

ウメハラ とことんあがくと、自分という人間がだんだん見えてきて、これ以上は高望みなんだなとか、自分はもうここより上には行けないんだなっていう、位置づけが見えてくるんです。もともと運命的に与えられている「自分はこれぐらいの人間なんだ」っていう器の大きさがわかってくるんですよ。

ちきりん その「これくらいの人間なんだ」っていう気持ちに対する納得感が高いことが、「いい人生だ」と感じられる理由になってるのね?

ウメハラ そうです。僕の場合、子どもの頃から自分には格闘ゲームしかないとは思ってたけど、当時はそれが自分に与えられた〝器〟だと納得できてたわけではないんです。

ところが一度その道を諦めて、他の仕事までしてあがきまくった末にたどり着いた「やっぱりここしかない」っていう感覚は、子どもの頃の「ゲームしかない」とは明らかに違うレベルの納得感です。そういう、本気出して真剣にあがいた経験を経ないと、このレベルの納得感は得られない。

ウメハラ 今、僕が「いい人生」だと思えてるのは、何年も罪悪感や不安感に苛まれながら、悩んで葛藤して苦しんだ時期があるからこそなんです。そのプロセスを通じて確固たる〝納得感〟が得られたから、今の生き方に満足できてるんです。

ちきりん でもね、ウメハラさんはその迷いのプロセスに入る前、17歳ですでに世界チャンピオンになってますよね? 世界チャンピオンになっても得られなかった「これこそ自分の道だ」という納得感が、介護の仕事とか、全然関係ない仕事をしながら悩んだ日々によって得られたってことなの?

ウメハラ 世界チャンピオンになっても世間の認識が変わらないという現実に直面したことで、「これじゃないのかも」という気持ちが強くなりました。だからむしろ世界チャンピオンになってから、本格的な迷いの時期が始まったんです。

ちきりん 世界チャンピオンになるのはウメハラさんの最終ゴールじゃなかった?

ウメハラ 明らかに違います。僕は自分の進む道に対して「この道だ!」という確固たる思いを持ちたかった。それに必要なものが、世界で勝てば手に入るのかと思ってたらそうじゃなかった。だから悩んだんです。

ちきりん 今、私が理解したのは、ウメハラさんほどの人でも「自分はコレで行くんだ」って確信するのが、それほど難しいんだなってことです。  普通の人は、自分のやりたいことを見つけるのにすごい苦労する。だからやりたいコトを見つけられた人を、とても羨ましいと思ってるんです。そういう立場から見ると、ウメハラさんなんて小さな頃に自然な形で天職と出会えてて、すごく羨ましく思える。  でも、そうじゃないんだね。私はよく「自分のやりたいことが見つからないんです」っていう悩み相談を受けるんだけど、ウメハラさんがそこまで悩むなら、普通の人がそんな簡単に好きなことを見つけられないのも当然かも。

17歳で世界チャンピオンになったゲーム界の神、ウメハラさんもこんなに葛藤していたんですね。

決して迷いなくこの道を突き進んで来たわけじゃなく、世界チャンピオンになっても納得感を得られず、常に「この道でいいんだろうか?」と悩みながらあがいてきたと。

ウメハラさんでさえ、こんなに葛藤するのであれば、ちきりんさんが言うように普通の人にやりたいことがなかなか見つからないのは当然ですね。

あがいてもいないのに「やりたいことが見つからない」と嘆くのが、いかにおこがましいことか痛感させられました。

今はとにかくあがこう

「いい人生」を得るためには、「納得感」が重要で、その「納得感」を得るためには「あがき」のプロセスが必要となる。

この考え方にはすごく共感出来ました。

自分自身に落とし込んでみると、今はまだ完全な「納得感」が得られていない、「あがき」の段階なんだと思います。

「社会貢献」「ソーシャルビジネス」「国際協力」「子育て(教育)」という分野に自分の道があるかもしれないと思って、3年間働いた会社を辞めて、青年海外協力隊としてルワンダにやってきました。

今のところ自分で人生を選べているので、間違いなく「いい人生」だと言えますが、「この道だ!」という確固たる思いはまだ得られていません。

ということは、まだ「あがき」が足りないんですね。

マンガに学ぶあがき方

ルワンダに来てから、自分でもびっくりするくらいマンガにハマっています。

『HUNTER x HUNTER』、『ちはやふる』、『四月は君の嘘』、『ジャイアントキリング』、『アイシールド21』、『キングダム』…

初めて読んだものも、数年ぶりに読み返したものもありますが、共通しているのはどれも「この道だ!」という信念に基づいて自分の未熟さと葛藤しながらあがきまくって成長していく点です。

そこに自分を重ねていたから、こんなにマンガを読んでアツくなってたんだなと妙に納得してしまいました。

Kindleで大事なところにハイライトを引いていたら、ほとんど色が変わってしまった『悩みどころと逃げどころ』。

この本から学べたことは、まだまだ書き足りません。

「いい人生」について考えてみたい方は、ぜひ読んでみてください。

納得出来るまであがいていきましょう!

タケダノリヒロ

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