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青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です
ルワンダのムシャセクターというところで、水・衛生環境の改善に携わっています
ムシャにあるルシシロ小学校での活動をまとめた「ルシ通信」(※)の第10回目
※唐突ですがここに来てシリーズ化しました。文末にある過去記事も読んでね
今回は約2ヶ月ぶりの衛生クラブ活動となったので、その間に実施したアクションやぶつかった問題点を話しあったり、メンバーズカードを作るための写真を撮ったりしてきましたよん
上手く行ってない部分に対する子どもたちの上手過ぎる言い訳に舌を巻きました
上を向いて歩こう
まずはアイスブレイクと日本語の勉強を兼ねて『上を向いて歩こう』を歌いました
歌詞はローマ字で書いてあげたらわりとすらすら歌えました
過去に最初のフレーズだけ何度か歌ったことがあったんですが、それだけで生徒たちはびっくりするぐらい上手に歌えてました。すげえ
なんとなく選んだこの曲ですが、ほとんどのメロディが繰り返しだし、歌詞に「春」と「夏」が出てきて日本の四季を説明するのにも使えるので、海外で子どもと歌うにはぴったりの選曲だったかも
ディスカッション
歌って和んだら、つぎはディスカッション
みんなに聞いたのは
『ACTION』=「この2ヶ月でどんな水・衛生にかかわる行動をした?」
『CHANGE』=「それによって何か変わった?」
『PROBLEM』=「そのときどんな問題があった?」
の3点
前回の衛生クラブでは、「煮沸した水をペットボトルに入れて学校に持ってこよう(※)」「そうするように家族や他の生徒に伝えよう」というアクションをしていこう、と決めました
※この学校には水道が通っておらず、あまり衛生状態の良くない雨水タンクしかないため。その雨水もいまは乾季でまったくないので、掃除などに使う水は生徒が家からジェリカン(プラスチック缶)に入れて持ってきたり、学校が週に5000RWF(約600円)出して買ったりしています
その後、進捗を見てあげるはずが予定が合わず2ヶ月も経過。「きっと『これをしよう!』っていうだけじゃ何も変わってないだろうな」と思ってました
ところが………
ティッピータップ設置
「この2ヶ月でどんな水・衛生にかかわる行動をした?」
「『足で踏んだら水が出てきて手を洗えるやつ』つくったよ!」
まじか!それがこれ↓
「ティッピータップ」というもので、木と紐とジェリカンがあれば簡単に作れるので途上国の衛生啓発ではよく使われます。ただし、作っても水を入れないなど維持管理が出来なくてちゃんと使われないケースが多いのが問題点
「あれ、水入れてる?」
「毎朝入れてるよ!」
ジェリカンの中を見に行きました………カラッカラです
「水入ってないじゃん!嘘ついたな!笑」
「…もうお昼になったからね!朝から生徒がいっぱい使ったからなくなっちゃったんだよ!」
「(…言い訳うまいな)そっか…それだけみんながちゃんと手を洗ってるってことだね」
「(ドヤ顔で)イェゴ!(=Yes)」
まあいずれにしても補充係を決めるなどの対策は必要ですし、生徒が自主的にやったのか、学校が指導したのか、学校が政府から指示されたのかも分かりませんが、ティッピータップが設置されたことは事実です
さらに、上手に言い訳出来ていたので、少なくとも手を洗うことへの意識は高まってるよう。素晴らしい
飲み水ボトル持参
「他には?」
「他の生徒たちにペットボトルに煮沸した水を入れて持ってくるように声をかけたよ!」
なんと!ちゃんとこないだ決めたことを実践してくれてました。やれと言われたら素直にやるのがルワンダ人の良いところですね
先週、日本から来た学生さんたちと一緒に訪問した時に、ちらほらペットボトルを持ってきている生徒がいたので「もしかしたら………いやでも元々持参してる子もいたしな」などと半信半疑でしたが、やっぱり目に見えて変化が分かるほど衛生クラブの声掛けの成果が出ていました
「いいねいいね!じゃあこの中(49人中)で何人ぐらいペットボトル持ってきてる?」
ちら
ほら
ちら
3人
なんでやw
「他の子たちに声はかけたのに、自分たちは持ってきてないの?」
「…今日は曇っててあんまり喉が渇かないから!晴れの日は持ってきてるよ!」
そうかルワンダ人は曇ってると喉が渇かないのか…
いやいやいやwそういう問題じゃないだろw
だんだん子どもたちが一休さんに見えてきました(全員ボウズだし)
とは言え、みんながペットボトルに水を入れて持ってこれないのには、様々な原因があるようです
問題点
「じゃあ綺麗な水を入れて持ってこれないのってなんでかな?」と、子どもたちに聞いてみました
①「水源が遠くて水汲みが大変だから」
確かに以前実施したアンケートを見てみると、この学校で水道が通っている家庭は約1割。それ以外は外に水汲みにいかないといけません。遠い場合は2~3時間かかることもあるそうな
保護者向けアンケートより(16年4月)
だから子どもが学校に持ってこれるほどの水がない家庭も多いんですね
②「薪が高いから」
これもアンケートの結果と一致しています。「水を煮沸しない理由は何ですか?」という質問に対して、半分以上の家庭が「薪や炭を節約するため」と答えていました
子どもたちもこれをちゃんと理解しているんですね
③「ペットボトルがないから」
田舎では所得が低いからか習慣がないからか、ペットボトル入りの飲料すら買わない家庭も多いです。そのため水を持参するためのボトルも持ってこれない子が多いよう
これはぼくの家に空きペットボトルがどんどん溜まっているので、持ってない子たちに配っていこうかなと思ってます
④「親が反対するから」
これが一番やっかいなところ。いくら子どもの意識が高まっても親に「水汲みが大変だからダメ」とか「薪がもったいないからダメ」とか言われたらどうしようもないですもんね
しかし聞いてみると、家長である父親だけは綺麗な水を飲んだり、果物もちゃんと洗ったものが出されたりと優遇されているそうです。やろうと思えば出来るんですよね
次のアクションは?
「親を説得する」という課題が出たところで、これを解決するためのアクションを考えてみました
親に綺麗な水を持参する重要性を伝えるためのアクションとして、「劇をやる」「歌をつくる」「ポスターを描く」という3つの選択肢の中から選んでもらうことに
最初は「劇」派が多かったんですが、リーダー格の子が「いちばん簡単そうなポスターからやりたい」と言ったらあっという間にみんななびいてしまいました
ぼくとしても劇や歌は大変そうなので、まずは簡単なポスター作成からになって良かったですが
ということで、次回はみんなで衛生啓発ポスターづくりに挑戦します
メンバーズカード作成
それから、先生に選ばれた優秀な生徒しか入れない衛生クラブの一員であることを誇りに思ってほしいなということで、メンバーズカードを作ることにしました
顔と名前入りのカードを作って、クラブのときはこれを名札として付けてもらおうと思ってます
イメージ
これはルワンダ人の名前が難しすぎて一向に覚えられないぼくのためでもあります笑
それで撮ったのが、既に貼っちゃいましたが、さっきの写真
一休さんのくだりを書くために撮ったわけではありません
こういうのがあったら子どもたちの自主性も高まるかなと思ってます
ただし、名札ケース的なのを自腹で買おうと思ってたんですが、いつの間にか人数が増えてしまってちょっと困っています…49人…日本だったら100均で買えますが、ルワンダだと高そうだな…
どっかでラミネートするとか何か方法考えます
何はともあれルシシロ小学校での衛生クラブ活動、順調に進んでます
次回の『ルシ通信』もお楽しみにー
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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