公用語が4つ!ルワンダのことば事情

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音声配信アプリstand.fmからの書き起こしです。

どうも!アフリカのルワンダからお送りしています、タケダノリヒロです。『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』、やっていきましょう!この番組では、あなたの暮らしやお仕事にもつながる、ルワンダの意外な事実や、知ってほしい話題をお届けしています。

テーマ「ルワンダの言語」

今日のテーマは、「ルワンダの言語」です。言葉についてですね。ルワンダもしくはアフリカで、どんな言葉が使われてると思いますか?

と言っても、想像すらつかないと思うんですが、ぼくが最初にびっくりしたのは、ルワンダには公用語が4つもあるということです。

日本の場合は日本語だけですが、ルワンダではルワンダ語、フランス語、英語、スワヒリ語、この4つが公用語になってるんですね。「そしたら覚えるの大変じゃない?」と思われるかもしれませんが、実はこの4つすべてが全ルワンダ人に使われている、というわけではありません。それぞれの言語について、簡単に説明していきたいと思います。

ルワンダ人の誇り、ルワンダ語

まず一つ目がルワンダ語。これはルワンダ人にとっての母国語ですね。

めずらしいポイントは単一言語だということ(正しい言い方なのかちょっと分からないんですが)。どういうことかというと、他のアフリカの国では沢山の民族がいて、その民族ごとに違う言葉を使ってるパターンが多いですね。

なので一つの国の中で、10以上とか数十とか、もしくは100以上とか言葉が存在する国もあるようです。ただしルワンダの場合は「ルワンダ人」という一つの民族、そして「ルワンダ語」という一つの言葉をみんなで共有している、と認識されていて、それが誇りやアイデンティティになっているように思われます。

ここで「あれっ?」て思った方もいるかもしれません。ルワンダでは1994年にジェノサイド(虐殺)という悲惨な出来事がありました。そしてその虐殺のおもな原因となったのが、「ツチ族」「フツ族」という民族区分です。それなのに「どうして『一つの民族』なんだろう」と思われたかもしれないんですが、今は民族の区分が廃止されているからなんです。

そういった悲惨な出来事が起こったからこそ、もう民族の違いをつけるのはやめて、「ルワンダ人はルワンダ人だ」というふうに今では捉えられています。ちなみにルワンダ語自体は、昔からどの民族にも共通して使われていたということです。

フランス語と英語

そして外国語として使われてるのが、まずフランス語。これはベルギーの植民地だった影響で使われています。ただし10年ほど前からフランス語に加えて英語も使われるようになりました。むしろフランス語よりも英語をメインで使うようになってきています。

これがなぜか、はっきりした理由が公式に言われてるわけではないのですが、おそらくフランス語圏の国よりも英語圏の国と仲良くしていきたいという政府の思惑だったり、ビジネス、経済的に英語を使った方が良いという戦略なのではないかと思っています。

どうやって英語が使われているかと言うと、まず学校ですね。小学1年生から英語の授業があって、小学4年生からは英語で授業をするようになります。これびっくりですよね。想像してみて欲しいんですけど、日本の小学4年生の子たちが、全ての授業、社会とか理科とか算数とかを英語で習ってる、って考えたらめちゃくちゃ難しくないですか?

そして自分だったらそれを理解できるかなと思ったりするんですけど、ルワンダの小学校では4年生からそういう授業が行われています。

ただね、そんなに完璧にできるわけはないので、先生が英語で伝えて、伝わってないようだったらルワンダ語で補足するといった形で行われることが多いかなと思います。あとは先生自身がフランス語で教育を受けてる世代だという場合も多いです。

10年ほど前から英語が主流になってると言いましたが、それまではフランス語で教育が行われていたので、30歳〜40歳以上の人たちは英語よりもフランス語の方が得意だという例が多いです。教える先生も英語がそんなに完璧じゃないということも多々あります。

なので僕がルワンダに来る前に、「フランス語から英語に切り替わった」ということを聞いて、「そんなに一気に切り替えられるなんてめっちゃすごいな!」と思ってたんですけど、実際はまだそこまで完璧ではなくて、徐々に切り替わっている所だという状況です。

スワヒリ語

そして最後のスワヒリ語。これはそんなに日常的には使われてないかなと思いますが、元々ルワンダ語とスワヒリ語って、どうやら同じ語族から発生しているようなので、似てる言葉とか共通する意味の言葉とかがあったりします。あとは例えば時計の読み方が同じだとか、「サワサワ(Sawa sawa)」って言ったりするんですけど、これが”Yes yes” とか “OK OK”っていう意味で、おそらくスワヒリ語由来だと思います。

それからタクシーとかバイクタクシーという乗り物に乗った時に、「ゆっくり安全運転してね」っていう意味で「ブホロブホロ(Buhoro buhoro)」っていうルワンダ語を使ってます。そう言うと”OK pole pole(ポレポレ).”と返事されることが多いんですが、これは同じくスワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」という意味。ルワンダ語の中にたまにスワヒリ語を混ぜて使っているという印象ですね。

現地生活で困ること

ぼくも現地在住者として極力ルワンダ語を使うようにしています。そうするとね、もうすごい喜んでくれるんですよ。ルワンダ語っていうのは、基本的にルワンダでしか使われてない言葉なので、現地の人たちはまさか外国人がルワンダ語を喋ると思ってないわけですね。

日本で考えてみても、デーブ・スペクターさんとか、ボビー・オロゴンさんとか、外国人が日本語を喋ってるのを改めて見ると凄いなと思ったりしますよね。それともおそらく同じような感覚で、ぼくのように(ペラペラではないですけど)少ししゃべれてるのを見て、すごく喜んでくれたり驚いてくれたりするんです。

だからできるだけルワンダ語を使うようにしてますが、それがゆえに困ることもあったりします。たとえば市場に行ったとき。アボカドを買おうと思って、ルワンダ語で「アボカドいくらですか(Voca nangahe?)」と聞くと、「センカン」とよくわからない返事をされることがよくあります。この市場の人は大体40から60歳ぐらいの女性が多いんですけど、わからないので、もう一回 “nangahe?” と聞いてもやっぱり「センカン」。

実はこれ、ルワンダ語じゃなくて、フランス語で返事をしてくれてるんです(”Cinquante”で「50」という意味らしい)。

なので、「(たぶんこれフランス語だよな……)」と思いつつ「フランス語はわからないんです(Sinzi igifaransa)」とルワンダ語で言うと、「ああ!フランス語はわからないけどルワンダ語はわかるのね!」と理解してくれて、ようやく「50ルワンダ・フランです(Mirongitanu)」とルワンダ語で教えてくれるわけです。

そのままルワンダ語で返してくれればいいのに、わざわざフランス語で返されて、すっごいイライラすることがしょっちゅうあるんですね。ぼくもそれを学習すればいいんですけど、何回やられても新鮮な怒りを覚えてしまいます(笑)。

市場のおばちゃんはおそらく良かれと思ってやってくれてるんですよね。まさか外国人がルワンダ語を理解できると思ってなくて、その女性的には「ルワンダ語とフランス語しか知らないけど、ルワンダ語よりはフランス語の方が親切だろう」と思って、あえてフランス語で言ってくれてるんでしょうけど、こっちにとってはちょっとありがた迷惑というか。。

むしろこっちがルワンダ語を喋ってるんだから、そのままで返してくれればいいのになと、毎回ね、イライラカリカリしているということでした。今あらためて喋ってみて、我ながら反省しております(笑)。これからもしそういうことがあったら、「フランス語わかんないからルワンダ語でお願い」って言えばいい、とそれだけの話ですよね。もしくはぼくがフランス語を勉強すればいい、ということだと思います。

そんな感じでね、ルワンダで生活をしております。ということで今日はルワンダの言葉についてお話をしました。公用語は、ルワンダ語とフランス語、英語とスワヒリ語の4つですね。

ルワンダ語オンラインレッスン

ぼくの友達の日本人でルワンダ語ペラペラの人がいて、彼女がルワンダ語のオンラインレッスンを初心者向けにおこなってるので、興味がある方は是非チェックしてみてください!

このマイナー言語を学んでも役には立たないかもしれませんが、間違いなく新たな発見や気づきが得られて世界が広がると思います。詳しくは下記ツイートの大江里佳さんまで!

本日の『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』は以上です。今日の放送を聞いて面白いと思ってもらえたら、ぜひフォロー、いいね、コメントなどお願いします!お便りも募集しているので、レター機能を使ってどしどし送ってください。

ここまでのお相手は、タケダノリヒロでした。じゃあまたねー。

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