ルワンダのドローンが日本を救う!?ジップラインによるリバース・イノベーション

スポンサーリンク

※音声配信アプリstand.fmからの書き起こしです。

どうもアフリカのルワンダからお送りしています、タケダノリヒロです。

2021年4月10日土曜日、『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』、やっていきましょう!この番組では、あなたの暮らしやお仕事にもつながる、ルワンダの意外な事実や、知ってほしい話題をお届けしています。

ルワンダから世界へ:ジップライン日本進出

今日のテーマはドローンですね。僕はよくルワンダのローカルメディアのネットニュースをチェックしてるんですけど、先日珍しく日本関連のニュースが出ていたので、読んでみました。

それがどういう記事かと言うと、「ルワンダから世界へ:ジップライン日本進出」というニュースです。

Rwanda to the world: Zipline goes to Japan | The New Times | Rwanda

これは日本のニュースでも取り上げられていたので、見た方もいらっしゃるかもしれませんね。「ジップライン」というのがルワンダで設立された、世界最大の医療用品ドローン配送サービスです。

ドローンを使って医療用品や輸血用の血液などを運ぶサービスです。このジップラインという会社が、日本の豊田通商さんとの提携を発表したというニュースです。ルワンダでこのジップラインがどういう風に活用されているかと言うと、遠隔地とか農村部の、救急車が入っていきにくいような場所にドローンを飛ばすことでたとえば今までは2〜3時間とかかかっていたところに、30分で輸血用の血液を届けられるようになったというイノベーションが起こっています。

そして現在ルワンダでは、約260のヘルスセンターがこのプランによってカバーされている、という風に記事には書いてありました。正直僕は首都のキガリに住んでいて、このドローンが飛んでいるところを見たことはないので、本当にこんな凄い事が行われてるのかなって半信半疑でした。

でも、知り合いの青年海外協力隊の方に聞いてみたところ、もう1年以上前だと思いますけど、その時にはその人の任地で「ドローンが飛んでいるのを見たことがある」という風に言っていたので、実際に活用がされてるみたいですね。

これはルワンダだけではなくて、ガーナでも展開されているそうです。そしてもともとジップラインはアメリカ生まれなんですけど、アメリカなど他の国にも需要があるのではないかということで、希望を持った記事が書かれておりました。

ルワンダの市場としてのデメリット

ここから、ルワンダのビジネスについて軽く説明したいと思います。経済的な市場としては、正直ルワンダってそんなに魅力のある場所ではないんですね。というのも、まず資源に乏しいことが挙げられます。お隣のコンゴ民主共和国などは鉱物資源に恵まれていて、ほかにもアフリカではボツワナだったらダイヤモンド、南アフリカだったらプラチナとか、資源が取れる国が多いんです。しかしルワンダの場合はそれほど資源には恵まれていません。

もう一つの市場としてのデメリットが、内陸国だから貿易がしづらいという点ですね。日本は海に囲まれているので輸出入がしやすいんですけど、ルワンダの場合は四方を別の国に囲まれていて、海に出るまでには何時間もかけてトラックで物を運ばなきゃいけないんです。

例えば日本から輸入する場合は、まず海を渡ってきますね。アフリカ大陸の端っこの港、ケニアのモンバサやタンザニアのダルエスサラームとかそういった港に着くんですけど、そこから陸路を通ってルワンダまで数日かけて運ばれてきます。

そうなると距離的には海のルートの方が圧倒的に長いんですけど、コスト的に陸を通って来る時の方が高くなってしまうので、輸入した材料を使って商品をつくっても、その輸送分のコストが上乗せされてしまうので、結果的にクオリティの割には値段の高い商品になってしまう。その結果、物が売りづらいということになってるんですね。

しかもルワンダの人口は1200万人ぐらいだと言われてます。日本で言うと東京と同じぐらいの人口ですね。なので規模としてもそんなに大きくはないです。

今の話をまとめると、資源に乏しく、内陸国で貿易がしづらい、さらに人口も少なくてマーケットが小さい、ということでビジネスにおける市場としてはそんなに魅力的な国ではないんですね。

ルワンダの市場としてのメリット

ただ一つ魅力があるとしたら、今回のように先進的な技術の受け入れに積極的なところだと思います。

日本であればそういう先進的な技術があったとしても、それを規制する動きがすごく強いので、中々商品化出来なかったり、実用化できなかったりしますよね。ただしルワンダの場合は、そういう技術をむしろ政府が一緒になって法律を整備して、スタートアップを応援してくれるので、実証実験に向いていると言われています。

そしてこのルワンダで実用化ができたものを、逆輸入という形で先進国に戻っていく。今回であればアメリカで生まれたものがルワンダで育って、日本で展開をされる、ということが期待されています。ここでさらに成功事例が作れれば、アメリカなど違う国にもどんどん出ていくのではないでしょうか。

こういった途上国から生まれた技術が先進国に応用されることを「リバース・イノベーション」と言います。「途上国の方が技術的に遅れている」っていう前提から生まれた言葉なので、あまり気持ちのいい言葉ではないような気もするんですけど、こういうリバース・イノベーションという概念が、まさに今回のジップラインの事例に当てはまりますね。

この『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』というテーマにもすごくぴったりだなと思ったので、今日はこの事例をご紹介させていただきました。このアメリカ生まれ、ルワンダ育ちのジップラインという会社、そしてこの医療用品をドローンで運ぶという仕組みに注目して頂けると、これから日本のニュースなどもより楽しく見れるのではないでしょうか。

お知らせ

最後にお知らせです。アフリカから社会問題を考えるオンラインイベント「ワールドノオト」を開催します。

4/14, 21, 28と水曜日に3回に渡って、それぞれ貧困、IT、ジェンダーをテーマに社会問題をどうやったら解決できるかを一緒に考えましょう、というイベントになっています。

計3回のシリーズとなってますが、一回だけの参加でももちろんOKです。チケットは一回1000円となってます。イベントのリンクを貼っておきますので、チェックしてみてください。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

アフリカから社会問題を考えるオンラインイベント「ワールドノオト」

本日の『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』は以上です。今日の放送を聞いて面白いと思ってもらえたら、ぜひフォロー、いいね、コメントなどお願いします!お便りも募集しているので、レター機能を使ってどしどし送ってください。

ここまでのお相手は、タケダノリヒロでした。じゃあまたねー。

スポンサーリンク







ルワンダ・スタディツアー「START」

ルワンダ・スタディツアー「START」

LINE@の登録はこちら↓

なぜか好評な恋愛記事↓

なぜか好評な恋愛記事↓

ルワンダ情報専門サイト『ルワンダノオト』↓

ルワンダ情報専門サイト『ルワンダノオト』↓
  1. アフリカ・国際

    コーヒーでマラウイの子どもたちの給食支援!NPO法人せいぼ・山田真人氏【PR】
  2. 生き方・働き方

    日本人が外国のために働いてはいけないのか?
  3. アフリカ・国際

    動画「『学校?そんなの関係ねえ!』盛り上がりすぎなアフリカ・ルワンダの歌とダンス…
  4. アフリカ・国際

    旅が好きな人はやさしい
  5. 生き方・働き方

    国際協力の原点とこれから~海外ボランティア体験の場づくり~
PAGE TOP