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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
今回は「ルワンダで仕事のやりがいを感じた瞬間」について。
営業マンだった日本での会社員時代と比べてみました。
Aさんとの再会
先日、月に1回開催されているマーケットイベント(Kigali Farmers’ And Artisans’ Market)に行ってきました。
民芸品やオーガニックの野菜、アフリカ布製品などのブースが出店されています。
そこをぷらぷら歩いていると、あるお店の人に声をかけられました。Aさんというお土産屋のオーナーでした。
「やっと会えました!いただいた名刺をなくしてしまって。。ずっとご挨拶したかったんです」
と笑顔で握手をしてくれるAさん。
彼女に会うのは約3ヶ月ぶり。10月のツアーでお客さんを連れて行って以来です。
「あのときは本当にありがとうございました。お客さんを連れてきてもらえることは、私たちにとってすごく大きなサポートになるので」
そう言ってくれるAさんの表情から、本気で喜んでくれているのがわかりました。
10月のツアーに参加してくださったのは、政治家、起業家、投資家など18名。
お客さんたちが経済的に余裕のある方々だったこともありますが、Aさんが「(自分も含めて)ルワンダ虐殺を生き延びた女性支援のためにお店を立ち上げた」というストーリーへの共感も相まって、このお店の売上1ヶ月分は優に超えるだろうと思われる額のお土産を購入いただいたんです。
そのことをとても喜んでもらい、またお客さんをたくさん連れてきてほしいという期待も感じて、「ああ、この仕事をやってて良かったな」と思いました。
顔と名前の分かる誰かのために
ぼくは仕事をする上では「手触り感」が大切だと思っています。
どこの誰かも分からない人のために働くのではなく、顔と名前の分かる誰かを喜ばせるために働くということ。
そうでなければ誰も求めていない自己満足に終わってしまったり、何のために働いているのかわからなくなってしまいます。
「人に喜んでもらえる仕事をしたい」と言うときれいごとに聞こえますが、実はそれが幸福度の向上につながることは科学的にも証明されているんです。
人の役に立つことが満足度を高める
2007年、シカゴ大学の研究で約5万人の男女を対象に30年かけて職業リサーチが行われました。
この研究では「満足度の高い職業」が調査されたのですが、そのトップ5は、
1. 聖職者
2. 理学療法士
3. 消防員
4. 教育関係者
5. 画家・彫刻家
でした。
一見バラバラですが、共通点は「他人を気づかい、新たな知見を与え、人生を守る要素を持っている」こと。
つまり「他人への貢献がわかりやすいこと」が、満足度の高い仕事の秘訣だと言えるのです。
参考:科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方
今回ぼくもAさんから直接感謝を伝えてもらえたことで、自分の仕事の貢献度をもろに感じることができ、幸せな気持ちになることができました。
もちろんAさんにとっては「こいつと仲良くしておけば、またお客さんを連れてきてくれる」という打算もあったかもしれません。
でもぼくはそれでもうれしいです。単なる友だち同士だったらちょっと悲しいかもしれませんが、これはビジネスですからね。
質の高いお土産を安く買えて、女性支援にもなるAさんのお店で買い物することでぼくのお客さんの満足度は高まり、Aさんのお店はそれで利益が上がり、ぼくはお客さんからもAさんからも喜んでもらえる。
こんなWin-Win-Winの関係が築けてるなら最高ですよね。
日本の会社との違い
アフリカに来る前、ぼくは日本のお菓子メーカーで働いていました。BtoC企業の営業だったので、「うちの商品で子どもたちとその家族が喜ぶ姿が見れるぞー」と思ってたんです。
まあ浅はかでしたね。。BtoCと言えど、当然ひとりひとりのお客さんに手売りするわけはなく、売買は卸店やスーパー、コンビニを通して行われるんです。
だからぼくがふだん仕事で接していたのは、お菓子に目を輝かせる子どもたちではなく、スーパーのバイヤーとして働くおじさん・おばさんたちでした。
「『顔と名前の分かる誰かのために働く』なら、スーパーのバイヤーさんたちを喜ばせるために働けば良かったじゃないか!」と言われそうですが、もうおっしゃる通りです。
いまでこそそうすべきだったと思えますが、当時は笑顔で接しながらも「なんでこんな利益上げることしか考えてないおじさんのために働かなきゃいけないんだろ」としか思えなかったんですよね。。
でもそれは自分の努力不足でした。そのおじさんにももしかしたら肩を組んで「一緒にがんばりましょう!」と燃えられるような背景があったのかもしれません。ただただぼくが相手のことを知ろうとしなかったんです。
だから、そのときと比べると、いまはやりがいを感じやすい環境だなと思います。ルワンダでは自分の貢献が目に見えてわかりますからね。
だって日本のスーパーの売上が1日1万円上がっただけじゃ店員さんは大して喜んでくれませんが、ルワンダのお土産屋さんの売上が1万円上がったらそりゃもう大喜びですよ。
たとえばInternational Growth Centreの記事によるとルワンダのひと家庭の年収は400ドル(約4.4万円)とされています。「月収」ではなく「年収」です(統計によってかなり差はありますが、この値は実感に近い)。
だからたとえ1万円でもお店の売上が上がることは、ものすごいインパクトのあることなんです。そこで働く人たちの生活が変わりますからね。
その変化を継続的に起こせれば、大げさじゃなく人生が変わるんです。
影響力の「広さ」か「深さ」か
そう考えると、日本の会社員との違いと言えば「影響力の質」ですね。
日本の会社では億単位の金額に関わることができるので、インパクトを与える「広さ」は当然大きなものになります。
一方、ルワンダで起業家としてそこまでの規模感を出すのはかなりハード。でも、まだまだ発展途上のルワンダには「伸びしろ」があるので、インパクトの「深さ」が違うんです。
特にこの深さは「ひとりひとりの人の可能性」に由来するのが面白いところ。
自分の仕事で人の生き方や働き方が変わって、それで国まで変わっていく可能性があるなんてワクワクしませんか?
まあそこまでいくと理想論になっちゃうので、少なくともいまのぼくは影響力の「広さ」よりも「深さ」を求めて、目の前の人に喜んでもらえるように働いていきたいなと思ってます。
ということで今回は、お土産屋オーナーのAさんと再会して、途上国ならではの仕事のやりがいを感じることができた、というお話でした!
【まとめ】
◎他人への貢献がわかりやすいことが、仕事の満足度につながる
◎ルワンダでは自分の仕事の貢献度がわかりやすい。だから幸福を感じやすい
◎影響力の「広さ」よりも「深さ」を追求したい
もし日本で働いていて「なんか違うなあ……」と思ったら、数日でも良いのでぜひルワンダに遊びに来てください。
「非日常」の時間を体験することで、自分の生き方をあらためて見つめ直すことができるかもしれませんよ。
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