国際協力の現場で「頼れる人」になってはいけない

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ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。

モチベーションに関するお話。

誰かのやる気を引き出そうとしたら、あれこれ指図するんじゃなくて「頼る」のがいちばん良い方法なのかもしれないなあ、とふと思いました。

この記事では国際協力について書いていますが、部下や子どものやる気を引き出すときにも応用できるかも。

友だちの相談

日本にいる友人から、「相談がある」と連絡がきました。

ぼくに話が来るってことは、てっきり「彼氏がそっけないんだけどどうしよう♡」みたいな話だと思ってたんですが(その予測もどうかと思うけど)

会社の雇用条件が悪くて、経営者に直談判しているけど改善されない。どうすればいいかな」と。

まさかのなかなかヘヴィな内容w

正直、そんなこと全然知りません。とは言え、わざわざ頼ってもらえたのであればなにか役に立ちたいと思い、知人に当たったりネットで調べたりして、それなりの回答は返すことができました。

前の会社で多少労働組合に関わったりはしてましたが、そういう話題には特段の関心はありません。

でも、その相談をもらってからはわりと夢中になって調べてました。本来どちらかと言えば面倒くさがりな性格ですが、そんな自分でもちょっとワクワクするぐらい。

有給休暇の取得とか時間外手当の給付とか、調べてみると意外とおもしろい。でも、友だちから相談を受けなければそんなこと調べようとは思いませんでした。

人に頼られると、不思議とエネルギーが湧いてくるものなんですね。

国際協力における頼り方

これって、いまぼくが携わっている国際協力の分野でも同じかもしれません。

途上国の人々の生活を向上させていくうえでは、「コミュニティ・モビライゼーション」が大事だとされています。

開発を持続的なものにするために、地域住民の自主的な行動を促進すること。

「内発的動機づけ」、要はいかにやる気にさせるかってことですね。

労働条件の改善なんかまったく興味のなかったぼくのやる気が引き出されたのは、友人から頼られたから。

だから、国際協力の現場で住民のやる気を引き出すためには、教えるというスタンスではなく、相手に頼ってみるのがいいのかもしれません。

「頼る」ことが「助ける」ことになる

いま、知り合いの高校生にルワンダ語を教えてもらっています。

寄付でなく労働の対価を。先生は高校生!ルワンダ語レッスン開始!

本来はぼくがボランティアとしてなにかを教えたり助けたりする立場なのですが、彼にはルワンダ語ビギナーとして頼りっぱなしです。

自分の仕事を説明するための文章をルワンダ語に訳してもらったり、日常生活でよく使うフレーズを教えてもらったりしてるんですが、ぼくが質問したことと関係ないことも嬉々として教えてくれます。たまに「(この情報いらないんだけどな・・・)」と思うぐらい。

彼にはお金を払っているとは言え、「面倒くさいから必要最低限のことだけ教えてればいいや」って思われても仕方ないですよね。それでも彼は自らノリノリで教えてくれます。

それはたぶん、ぼくが彼を先生として頼っているから

青年海外協力隊のように住民と同じ目線に立って支援をする場合は、「助けてあげる」のではなくて、「教えてもらう」くらいのスタンスがちょうどいいのかもしれません。

それによって、「がんばろう」とか「おれがやらなきゃ」っていう意思が相手の内側から引き出される。

だから逆説的ですが、結局は「頼る」ことが「助ける」ことになるんだと思います。

子育てにおける頼り方

そしてそれはもっと一般的なケースでも同じで、たとえば親が子どもに勉強してほしいと思ったとき。

「勉強しなさい!」って言う代わりに「お父さん、九の段の掛け算忘れちゃったなー。なんだっけ?」って聞いたら、「そんなことも知らないのー?」とか言って、得意げになって八の段や七の段まで教えてくれると思うんですよね(本気でバカな親だと思われる可能性もあるけど)。

だれかのやる気を引き出したいと思ったら、あれこれ指図するのではなく相手に頼ってみる。

そうすると、なにか変わるかもしれませんね。

タケダノリヒロ(@NoReHero

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