X

ルシ通信⑬感染経路と手洗いダンスの衛生WS!歌のおにいさんになるの巻

青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です

東アフリカのルワンダで水・衛生環境の改善に携わっています

その活動のひとつが、近所のルシシロ小学校での衛生クラブ(委員会)指導

今回は、感染経路についての勉強と、正しい手洗いの方法「世界手洗いダンス」を使って学びましたよ

子どもたちの可愛いダンス動画は必見です

アイスブレイク

アイスブレイクにはいつも『上を向いて歩こう』を日本語で歌っていましたが、みんな憶えちゃったので今回はもう一曲用意しました

ぼくが個人的に好きな星野源の『SUN』

『上を向いて歩こう』が古くてスローな曲なので、新しめでノリの良い曲がいいなと思ってこれにしました

このMVを見せたんですが、ダンスもあって生徒たちにも好評でした

が、やっぱり一回で憶えるのは難しかったみたいで、歌えてたのは最後の「アーアー アーアー」のとこだけ

また挑戦してみます

感染経路

今回の衛生クラブのテーマは「手洗いの重要性」と「正しい手洗いの方法」について

Fダイアグラム

この図は「F図(Fダイアグラム)」と呼ばれています。ばい菌が体内に入るルートを表したもの

「便(Feces)」に由来するばい菌は、「指(Finger)」「ハエ(Fly)」「土(Field)」「水(Fluid)」「食べ物(Food)」など、「F」が頭につくポイントを通って「口」に入ってきます

最初にこの「便」と「口」の間にある「F」を隠しておいて、「どんなFがあると思う?」と生徒たちに質問して当ててもらいました

さすが普段から衛生クラブとして活動しているだけあって、「Fluid」はさすがに難しかったんですが、他のFは全部答えてくれました。先生嬉しい

感染症の予防

それから、水因性疾患(下痢や回虫)の予防にはこのルートをカットしていくことが大事だよというお話


参考:PHAST ステップ・バイ・ステップガイド

「便」から「ハエ」「土」「水」に至る経路は、清潔なトイレを使う(野外排泄をしない)ことによってカット出来ます(図:左の黒い☓3つ)

「指」から「食べ物」「口」に至る経路は、正しい手洗いでカット出来ます(図:右上の赤い☓2つ)

じゃあ、みんなは正しい手洗いができてるかな?ってことで、日本ユニセフ協会が提供している情報をもとに正しい手洗いの方法をおさらいしてみました

手洗い6つのポイント

手を洗うポイントはこの6つ


参考:日本ユニセフ協会 世界手洗いの日プロジェクト 紙芝居より抜粋

「手のひら」「爪」「親指」「手の甲」「指の間」「手首」ですね

世界手洗いダンス

この動きが網羅されたダンスがあります。その名も「世界手洗いダンス」

これをね、アラサー男が生徒たちに教えるために家でひとりで練習しましたよ「アワアワアワワ♪」とか歌いながら

生徒たちの前でこれをやって見せるのも恥ずかしかったんですが、「歌のおにいさん」になったつもりで頑張りました

小学校の高学年の子たちにはちょっと幼稚過ぎるかなと思いましたが、意外にも好反応

可愛いw この学校の子たちはほんと素直でいい子たちです

歌詞は「アワアワアワワ」「ワシワシワー」「ニョコニョコニョコニョコ」「スベスベスー」「チュッチュッチュッ」「チョンチョンパッパ」など、すべてオノマトペ(擬音)で表現されています

特に歌詞カードなども用意していなかったんですが、生徒たちも何回か聴いてすぐに憶えていました。オノマトペのイメージは万国共通で伝わるんですね。ワークショップ終わってからもみんな歌ってました。すげえ

そしてぼく自身、外出先から帰ってきたらいつも軽く手洗いはしてたんですが、このワークショップ以降ついつい手首までしっかり洗うようになってしまいました

恐るべし『世界手洗いダンス』

みなさんも騙されたと思って一度やってみてはいかがでしょうか

手洗い啓発なんて意味あるの?

「手洗いの啓発活動なんてやっても意味ないでしょ」

と面と向かって言われたことはありませんが、多くの人がそう思ってると思います。少し前までのぼくもそうでした

そもそも手洗い用の水がないこともあるし、ちょっと手を洗わなかったからと言ってすぐに死ぬわけじゃない

でも、現実に世界では1日で1400人の5歳以下の子どもたちが下痢症によって亡くなっています(参考:UNICEF2016)

そしてその下痢症は石けんを使った手洗いで48%削減できることが証明されています(参考:Cairncross et al. 2010)

だから、効果は見えづらくても、決して意味なくなんかはない

それにこのワークショップを通して伝えられるのは、何も手洗いの重要性やその方法だけではありません

繰り返し水や衛生について子どもたちと一緒に考えていくことで、間違いなく彼らの意識と行動は変わっています

手洗いだけでなく、日々の生活や人の命、医療について考えるきっかけになっているはず

その子どもたちが数年後親になった時に、それを子どもたちに伝えていってくれれば、もっともっとたくさんの人たちの行動が変わる

だから、いまやっていることはたかだか30人くらいにふざけたダンスを教えているだけですが、その「1」がいずれは「100」や「1000」になっていくはず

『ハチドリのひとしずく』の話のように、自分にできることはあると信じて、一歩ずつ積み重ねていきます


衛生クラブの生徒たちと。右の日本人女性は見学に来てくれた大学生。彼女のエピソードは次の記事で。

タケダノリヒロ(@NoReHero

ルシ通信バックナンバー

ルワンダの小学校に潜入!突撃インタビュー&ワークショップ開催決定

保護者80人!初の衛生ワークショップ@ルシシロ小学校

ルシ通信③半数が雨水利用、7割が水因性疾患!ルワンダ小学校衛生調査

ルシ通信④衛生×アート×生徒150人! 小学校でWASHワークショップ

「考える力」を鍛えねば!衛生クラブ立ち上げ大苦戦の巻

ルシ通信⑥嬉しすぎる!小学校の衛生クラブ本格始動!

ルシ通信⑦ルワンダ版『恋するフォーチュンクッキー』に参加!

ルシ通信⑧まさかの感涙!ルワンダで小学校の終業式に潜入!

ルシ通信⑨日本の大学生がルワンダの小学校訪問&授業体験!

ルシ通信⑩2ヶ月で驚きの進歩!ルワンダ小学校衛生クラブ

ルシ通信⑪衛生啓発ポスターづくり&号泣寸前の発表会!

ルシ通信⑫学校の先生にならなくてよかった

norihiro415: