星野源『ドラえもん』歌詞の意味~映画『のび太の宝島』主題歌~

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【更新 2018/02/24】タケダノリヒロ( @NoReHero

5年ぶりくらいにCD(とDVD)を注文しました。何がそんなに欲しかったのかというと、こちら。

テレレレッテレー

「星野源のドラえもん~」(大山のぶ代さん風に)

なんと、3月3日公開の『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌をあの星野源さんが書き下ろしたのです!

その歌が使用された映画の予告編がこちら。

この予告編つくった人、天才。歌詞の内容と映像が絶妙なタイミングでリンクして、何回でも観てしまいます。

国民的アニメ『ドラえもん』のタイトルをどストレートに用いたこの楽曲。星野源さんはどんな想いを込めてつくったのでしょうか。ラジオでの本人の発言などから、歌詞の意味を考察してみました

「SF」=「すこし・ふしぎ」は藤子先生へのオマージュ

まず冒頭の歌詞。

少しだけ不思議な 普段のお話

このフレーズについて、お笑いコンビ・ダイノジのおふたりが「これはオーバー40にはたまりませんよー!!」と大興奮しながらラジオで語っていました。

なぜ彼らがこんなにも熱くなっていたのかというと、ここには『ドラえもん』の原作者である藤子・F・不二雄先生へのオマージュが込められているから。

『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』など子ども向けマンガで有名な藤子先生ですが、実はSF作品も非常に高く評価されています

↑名作『ミノタウロスの皿』が収録されている『SF・異色短編1』。人間が牛に食べられるために「家畜」として飼われている世界を描いたもの。藤子先生独特の牧歌的なタッチが、ブラックな内容のゾッとする感じを逆に引き立てています。決してハッピーエンドではなく後味の悪い作品も多い。

しかし、彼はSFをいわゆる「サイエンス・フィクション」ではなく、「すこしふしぎ」の略で「ありふれた日常の中に紛れ込む非日常的な事象」をテーマとして扱うジャンルとして定義していたのです(参考:pixiv

星野源さんは、藤子先生が「生活」に主軸を置いているところが大好きだとラジオで語っています。

「生活」が主軸にあることで、物語に自分が入っていいと思えるし、誰も仲間外れにしない。日常から生まれてくる「あんなこといいなできたらいいな」から絶対に外れないから感情移入ができるけど、冒険に連れて行ってくれる。

そんなところが魅力であり、それに対する愛を「少しだけ不思議な 普段のお話」という冒頭のフレーズに込めたんですね。

「生活」を軸にしているのは源さんも同じ。『そして生活はつづく』というエッセイを出しているくらいですからね。

これまでに発表してきた楽曲にも、「ありふれた日常の中に紛れ込む非日常的なできごと」を感じられる箇所はたくさんあるので、あらためて「藤子イズム」を探してみるのも面白いかもしれません。

指先と机の間 二次元

この歌詞も、本人いわく藤子先生を思い浮かべられるようにしたもの。

机の上に載せられた薄い紙1枚にマンガが描かれ、その中で色んなキャラクターが暮らしている。そこには色んな次元があって、その中にまた違う次元がある……というストーリーの奥深さが表れています。

『ドラえもん』というタイトルについて

この歌に関して、まず最初に驚いたのが『ドラえもん』というタイトル。ド直球すぎません……!?

日本人なら誰もが知っている『ドラえもん』という作品・キャラクター名をそのまま曲名にしてしまうなんて、相当な勇気がいると思うのですが……。

これについて源さんは「タイトル先行で楽曲をつくった」と語っています。

映画ドラえもんの主題歌制作のオファーをもらって、まず『ドラえもん』という曲名にすることを決めたんだとか(大ヒット曲『恋』も『恋』というタイトルありきで曲をつくったそうです)。

その理由としては、国民的アニメの『国民的』のレベルがまじで100%だから」。つまり「ドラえもん」というタイトルにすれば、子どもからお年寄りまで100%伝わると考えたんですね。

そして、こうしたタイアップの良さについては、「自分の力だけでは絶対にいけないところにいける」と語っています。作品からヒントをもらえるし、「いまやりたいこと」と「作品のなかに流れているもの」の合致しているところを探すことで新たななにかが生まれるのだそうです。

考えてみれば、昔はタイトルも歌詞も作品ありきで作られたアニメソングが多かったような気がしますよね。『デビルマン』『ガッチャマン』『マジンガーZ』『宇宙戦艦ヤマト』などなど。

作品とのつながりを感じられるような楽曲が少なくなっていた昨今、星野源の『ドラえもん』は上質なJ-POPとしてだけでなく、正面から国民的コンテンツと向き合った正統なる「アニメソング」だと言えるのではないでしょうか。

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埋め込まれたキャラクターたち

この曲の歌詞には、『ドラえもん』でおなじみのキャラクターたちも登場します。

落ちこぼれた君 出来すぎあの子

おそらく「落ちこぼれた君」はのび太くん、「出来すぎあの子」は間違いなく出木杉くんのことですね。

予告編のYouTube動画に「出木杉が映画に出てる!」と驚いたようなコメントを書き込んでいる人がいましたが、実は出木杉くん、映画版では影が薄いながら重要な役目を担うことが多いのです。

映画版初登場は1982年・3作目の『ドラえもん のび太の大魔境』で、探検する場所を探していたのび太くんたちは出木杉くんから魔境(ヘビー・スモーカーズ・フォレスト)の情報を教えてもらうのです。

そんな風に映画版の冒頭で、地理や歴史の背景説明をする役割を担っているんですね。「大冒険に出かける」という設定上、子どもたちにはあまり馴染みのない「魔境」やら「宝島」へ出かけなければいけません。そこを自然に、わかりやすく解説してくれる彼の存在はとっても大事です。

にもかかわらず、決して冒険には連れて行ってもらえないんですよね。「優等生だからと言って幸せになれるとは限らない」という藤子先生からのメッセージなのでしょう(たぶん違う)。

機械だって涙を流して 勇気を叫ぶだろう

これはおそらくドラえもんのこと。考えてみれば、ドラえもんって「機械(ロボット)」なんですよね。

あんなにのび太くんたちと一緒に泣いて笑って暮らしているので、ついついそんなことは忘れてしまいますが、その秘訣はあの丸いフォルムにあるのかもしれません。「ロボット」というと四角くてカクカクした印象がありますよね。

そんなイメージとは真逆のあの体型は、藤子先生が新連載のマンガの締め切り当日までアイデアがまとまらず右往左往していたときに、娘の「起き上がりこぼし人形」につまずいたことから浮かんだとされています(参考:Wikipedia

↑こんなの売ってた

拗ねた君も 静かなあの子も 彼の歌も誰かを救うだろう

「拗ねた君」はスネ夫、「静かなあの子」はしずかちゃん、歌を歌う「彼」はジャイアンのことでしょう。

最初聴いたときは「あれ?ジャイアンの名前が入ってない?」と思いましたが、しっかり含まれてましたね。

台風だって心を痛めて 愛を込めてさよならするだろう

最後にもうひとり!見過ごしてはいけないキャラが隠れていました。

「台風」はきっと「フー子」のことですよね。もともとは『台風のフー子』という短編作品に登場しただけでしたが、そのストーリーをもとに『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』という映画までつくられてしまったほどの人気キャラクターです。

原作のフー子は、あのダメダメなのび太くんが両親に反対されながらも躾をして、愛情をかけて育てていました。しかし野比家を壊滅させるほどの巨大台風が発生したために、家族を守るためにひとりで立ち向かって消滅してしまうというストーリー。

まさに「台風だって心を痛めて 愛を込めてさよならする」んですが、もうこれを書いてるだけで思い出して涙が……。

音楽について

歌詞とあわせて音楽についての考察!

「どどどどどどどど」の由来

源さんが「タイトルを『ドラえもん』にする」ということのほかに、最初に決めたのは「『ぼくドラえもん』(昔のテレビテーマ曲)のメロディーを間奏に使う」ということでした。

残念ながら前述の映画予告編では間奏まで流れていませんが、フルで放送されたラジオを聴いたら見事に「♪あったまテッカテーカ さーえてピッカピーカ そーれがどうしーた ぼくドラえもんー」のメロディーが新曲に馴染んでいてもう素晴らしすぎました。

それと、もっとも印象的な「どどどどどどどど どっどーらえもん」のところは、オーティス・レディング(Otis Redding)の『I Can’t Turn You Loose』(モノマネ番組のBGMで有名)の「gotta gotta gotta」のオマージュだそうです。

これはのび太くんがよく言っていることから取り入れたわけではなく、メロディーが先にできて「どどどどどどどど」しかないと思ってつくったら、「そう言えばのび太も『どどどどどどどど』って言ってる!」と後から気づいたんだとか。

モチーフは『笑点』!?

曲全体の雰囲気に関しては、「『笑点』とニューオーリンズ(※)サウンドのハイブリッドをJ-POPにしたかった」と発言しています。

※ルイ・アームストロングなどに代表される、ジャズ発祥の地

アルバム『YELLOW DANCER』発売時には、「大好きなブラックミュージックを自分のフィルターを通して表現したものを『イエローミュージック』と呼んでいる」と言っていましたが、まさにこの笑点とニューオーリンズのハイブリッドも星野源ならではの「イエローミュージック」に仕上がっていると言えますね。

個人的イチオシ歌詞

最後に、私がもっとも好きな歌詞はここ。

何者でもなくても世界を救おう

藤子先生と星野源さんが描いている「日常の中の非日常」という世界観が大好きなんですが、そこで活躍するのはほんとに「何者」でもないただの子どもたちなんですよね。

予告編でのび太くんが「ぼくが助けなきゃ……!」と言っていますが、彼らが冒険を通して他者(人間に限らず自然・生き物・ロボットなどすべてのもの)への愛情を育みながら仲間とともに困難に立ち向かって、まさに「世界を救う」という物語は、いくつになっても勇気を与えてくれます。

楽曲の発売は2月28日。映画の公開は3月3日です。はー楽しみ。→映画観てきました!(映画『ドラえもん のび太の宝島』あらすじ(後半ネタバレ)と感想~父と子の物語~

ミュージックビデオ

2018年2月18日、YouTubeに公式ミュージックビデオが公開されました。

「いつか時が流れて 必ず辿り着くから」の後の歌詞、音だけで聴いてる段階では「君をつくるよ」と「君をつくる世を」どっちかなと思ってましたが前者でしたね。

いつか時が流れて 必ず辿り着くから きみをつくるよ

この歌詞からは都市伝説となった「ドラえもんの開発者のび太説」を思い出しますね。ファンの方がつくったオリジナルストーリーなんですが、あまりにも良くできた話なので知っている方も多いのでは。

ある日突然動かなくなってしまったドラえもん。原因はバッテリー切れだったが、バッテリーを交換すると記憶までなくなってしまう。それを案じたのび太はドラえもんをいったん押入れにしまい、猛勉強してトップクラスのロボット工学者に成長。結婚した妻・しずかとともに修理が完了したドラえもんのスイッチを入れると、いつものように「のび太くん、宿題は終わったのかい?」と声をかける、というお話でしたね。

この歌詞ももしかしたらこのストーリーを意識してつくられたのかも?

タケダゴロク
 
オモえもん役での映画出演を期待(絶対ない)

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