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[:ja]青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
アフリカ・ルワンダで水・衛生環境の改善に携わっています。
今回は同じく水・衛生に関わる隊員で組織される「水の防衛隊(RW-SAT)」で、衛生啓発の出張ワークショップを行いました。
セカンダリースクール(中高生)向けには「ティッピータップ」(簡易手洗い器)の作り方講座、プライマリースクール(小学生)向けに「正しい手の洗い方」講座を実施。
作成・設置したティッピータップ
具体的にどんなことをしたのかまとめました!
もくじ
場所
ワークショップを実施したのは、南部県ニャマガベ郡のギコンゴロ小中高等学校。
水の防衛隊はふだん全員東部県で活動しているので、我々にとっては初の南部県進出。
理数科教師として配属されている隊員の学校にお邪魔しました。
キガリからは車で約4時間(小国ルワンダにしてはかなりの長距離移動)。
とんでもなく眺めのいいところでした。
校内からの眺め
セカンダリー
セカンダリースクールでは、衛生クラブ(※)の生徒を対象に「ティッピータップ」(足で踏んだら水が出る簡易手洗い器)づくりをおこないました(40人×1時間半)。
課題
生徒たちが給食前やトイレ後に手洗いをしない
原因
水道が少なく、遠くまで手を洗いに行く必要がある
解決策・目的
ティッピータップを設置して、手洗いを楽にしよう!
コンテンツ
コンテンツは「劇」、「ティッピータップの設置場所決め」、「ティッピータップの作り方」、「ティッピータップの管理方法」の4つ。
言語はほぼすべてルワンダ語で実施。
劇
目的:手洗いの重要性を実感してもらう
劇の様子
おもな登場人物は生徒ふたり。カリサはちゃんと手を洗うものの、もう片方のサバティはめんどくさがって手を洗いません。そのせいでサバティはお腹が痛くなってしまうというストーリー。
もうこのような劇は何度もやっているのでお手の物。
現場での事前準備の時間はほとんど取れませんでしたが、あまりにも狙ったとおりにウケるので、演じながら「あ、これはもうモノにしたな」と悟ったほど。
場数をこなすって大事ですね。
この劇の中で「手を洗う場所が遠かったため、サバティは手を洗わなかった」という伏線を含めて、「じゃあどうすれば手軽に手を洗えるようになるか?」と誘導し、そのツールとなるティッピータップづくりへと繋げました。
ティッピータップの場所決め
目的:ティッピータップを設置する場所を決める
校内図
学校のマップを使って、生徒たちに「どこにティッピータップを設置すればいいか」を話し合ってもらいました。
教室の前(チョークで手が汚れるから)などの意見も出ましたが、今回は圧倒的に意見の多かったトイレの前に設置することに。
ティッピータップのつくり方
目的:生徒たち自身でティッピータップを作れるようになってもらい、校内の衛生環境を改善する
参考にしたのはこちらのマニュアル。
引用元:How to build a tippy tap manual
生徒たちに作り方を伝えて材料を渡し、自分たちでつくってもらいました。
作り方を説明する隊員
そしてできたのがこちら。
この構図のヤラセ感がすごい
男子トイレと女子トイレの前にそれぞれ2個ずつ設置しました。
ティッピータップの管理方法
目的:継続的にティッピータップを使ってもらう
最後に、継続的にこれを使ってもらうために、「だれがいつ水を汲むか」という当番表をつくりました。
この学校には我々がしょっちゅう来ることはできないため、自分たちで維持管理してもらわなければ「つくって終わり」になってしまいます。
それを防ぐために当番表をつくったんですが、それを活用してもらえるかどうかは正直あやしいところ。
とりあえず担当の先生と連絡先は交換できたし、我々の衛生啓発活動にも興味を持ってもらえて「ほかの学校も見に行きたい」というコメントをいただきました。
ただ、ルワンダ人は口先だけは調子のいいことを言う人が多いんですよね(あくまでぼくの主観)。
実際翌日にその先生に会いに行ったら、ものすごく面倒そうで別人のように非協力的でした(暗に「昨日で終わりだったんじゃねえのかよ」と言われた気分)w
国際協力には付きものの「継続性」という言葉が身にしみたワークショップとなりました。
衛生クラブのみんなと
プライマリー
プライマリースクールでは6年生を対象に、正しい手の洗い方についての講座(40人×1時間を2回)。
課題
生徒たちの衛生が保てていない
原因
きちんとした手洗い・体洗い・身なりができていない
解決策・目的
正しい手の洗い方を理解して、手の清潔を保てるようにする
※時間があれば体全体の衛生についてもやりたかったんですが、今回は手洗いに絞りました
コンテンツ
アイスブレイク(伝言ゲーム)
伝言ゲームでアイスブレイク。
キーワードに水・衛生関連のことばを入れて、本編のスムーズな導入を促しました。
隣に伝言する生徒
紙芝居
目的:手洗いの重要性を実感してもらう
セカンダリーでの劇とおなじように、手を洗わなかった子がお腹が痛くなってしまうというストーリー。
紙芝居を熱心に見る生徒たち
ディスカッション
目的:手洗いのポイントを理解する
ルワンダ政府が推奨しているCBEHPP(Community-Based Environmental. Health Promotion Programme)というプログラムの教材を使ってディスカッション。
どんなときに手を洗う必要があるか、良い手洗いと悪い手洗いの違いはなにかを学びました。
みんな元気よく手を挙げてくれました(でも答える声はめっちゃ小声)
世界手洗いダンス
目的:正しい手洗いの6ステップを身につける
最後にユニセフのつくった「世界手洗いダンス」。
6つのステップを説明する隊員
手洗いに必要な6つのステップが含まれています。
ダンスを発表する生徒たち
グループごとに発表してもらいましたが、みんな我先にとやってくれました。
そんなに楽しんでもらえて嬉しい限り。
最後に全員でダンス。
「ニョコニョコ」という歌詞があるんですが、ルワンダ語ではあまり良くない意味だそうで、2回目から急遽「んぱんぱ」に変更しました。
6年生のみんなと
まとめ
セカンダリーもプライマリーも1時間程度じゃ物足りないなという印象でした。
ただ、その短い時間のなかでは「なぜ手洗いをする必要があるのか」という動機づけから実際の行動(ティッピータップでの手洗いや、ダンスで身につけた正しい手洗い)に至るまでよくカバーできたのではと思っています。
単純な講義ではなく、劇やゲームを取り入れたので単調にならず生徒たちの反応も上々でした。
ただ、ふだんならワークショップが終わったら「こんなワークショップやったぜ!どやー!」って感じで意気揚々とブログを書くんですが、今回は「記録のためにとりあえずまとめとくか…」というテンションになってしまいました。
自分でもなんでだろうと思ったんですが、たぶん「慣れてしまった」んだと思います。
学校に行って子どもたちと交流するのは楽しい可愛いし、今回は水の防衛隊全員でワイワイ出来て面白かったです。
ただ、いままでのような終わってからの「やりきった感」がない。
それはそれで自分のレベルが上ったと考えれば良いことなんですが、これからは自分自身もっとワクワクできるような新しいことに挑戦していかないと、惰性でやってたら生徒たちに申し訳ない。
今回はグループ全員で取り組んだので、チームをいかに動かすかという点では学ぶところがたくさんありましたが、マンネリにならないように新しいやり方を考えていきます。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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ルワンダ聾学校で手洗い啓発ワークショップ!【青年海外協力隊・水の防衛隊】[:]
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