JICA・JOCV

「海外ボランティアと風俗を同列に見る」という人へ

アフリカのルワンダで青年海外協力隊としてボランティアをやってます、タケダノリヒロ(@NoReHero)です

こんな記事を読んでしまいました

僕が海外ボランティアと風俗を同列に見る理由

やまもとりゅうけんさんというエンジニアの方が、海外ボランティアについて書いた記事です

この方を批判するつもりも攻撃するつもりもまったくありませんが、まあこんなこと書かれたら気分はよくないですよね

そこで当事者である海外ボランティアとして、思うところを書きたいと思います

※やまもとさんご本人には、掲載の許可を頂いてます。ありがとうございます。

volunteer

やまもとさんの主張

やまもとさんは、こんなことを書いています

僕はボランティアを否定しません。僕はやらない善よりやる偽善だと思っています。その行動で救われる人がいるのであれば、動機がどれだけ俗物的なものであっても価値はあるだろうという考え方です。

ただ、ボランティアなんてやるくらいなら、自分がとっとと実業で成功してお金持ちになって寄付しまくった方が喜ぶ人は多いはずなんですよね。合理的に考えると。

だから、わざわざNPOを立ち上げて海外まで飛んで行って、現地の恵まれない子供達のために2年も3年も汗を流し続ける人がいるというのが全く理解できなかったんです。何故わざわざそんな遠回りをするのかと。

海外の現状をその目で見たなら即帰国して、このめちゃくちゃ稼ぎやすい日本で成功してからお金ばら撒いた方がコスパいいですからね。「寄付だとお金の流れがよくわからないから不安」という人は、信頼できる現地人の口座に直接送金したらいいんじゃないですか。手数料かからない暗号通貨とか使って。

ところが、最近わかったんですよ。彼らのボランティアは、弱者を救済するためではなく、自身が得られる体験(快楽)のために行われているということに。そして、それは本質的には風俗で20K支払うのと変わらないのではないかと。

引用元;僕が海外ボランティアと風俗を同列に見る理由

まとめると、

 ①海外で何年もかけてボランティアするより、実業で成功して寄付した方が合理的

 ②ボランティアは自身の快楽のためにおこなわれてるので、風俗と一緒

ってことでしょうか

また、こんなことも書かれています

「金を稼いでたくさん寄付する方がたくさん社会に貢献できる」ということがわかっていても、そもそも自己肯定感が低すぎて自分が金持ちになるイメージが全く湧かないという人もいます。

彼らは身の丈にあった支援の仕方を模索した結果、ボランティアを選択するんですよね。言ってしまえば、妥協。一流の化学者になって世界の化学史に貢献したかったけど、無理そうだから小学校の理科の先生になって教育者として社会に貢献しようみたいな。

つまり、③妥協してボランティアになってる、

この3点に対して、ぼくが言いたいのはこのふたつ

規模の大きな支援をする人も必要だけど、草の根で活動する人も必要ですよ

自己満だけど妥協じゃないですよ

ってこと

草の根ボランティアの意義

やまもとさんがおっしゃるように、「お金を稼いで寄付した方が合理的だ」っていう意見も分かります

ただ、寄付するだけで解決できるほど実際の問題は簡単じゃないんですよね

たとえば、水問題

水のない地域にお金をポンと渡せば、井戸をつくって水が手に入るようになるかもしれません

でも、その井戸をどうやって管理するのか、そのシステムをどうやって維持していくのか

壊れた時に修理する術を住人が知らなくて、結局使われないまま放置されてしまう

集金する組織が機能していなくて、給水のシステムが維持できなくなってしまう

そういうケースがたくさんあるんです。だから、そのコミュニティに入っていって住民だけでは解決できない問題を手伝う人が必要なんです

日本にいて、その地域に住んでる人たちの顔も名前も知らない人が、そんな仕組みづくりをできると思いますか?

要は、役割分担なんです

もちろん、金銭的な援助をする人も必要です。でもそれだけじゃ問題は解決されなくて、現場にいかないと分からない細かいニーズに対応する人もいるんです

だから「ボランティアなんてやるくらいなら、自分がとっとと実業で成功してお金持ちになって寄付しまくった方が喜ぶ人は多い」とは、ぼくは思いません

ボランティアは妥協か?

「彼らのボランティアは、弱者を救済するためではなく、自身が得られる体験(快楽)のために行われている」

これは、風俗どうこうという表現は置いておいて、その通りだと思います

もちろん前提として「困ってる人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」という思いは多くのボランティアがもっているはずです。ただ、「~したい」というのは自分の欲求なので、それを「快楽」だと言うのも間違いではないと思います

「妥協」ということばも、とらえ方しだいなのでここも強く否定はしません

ただ、これはちょっと違うかなと

また、「金を稼いでたくさん寄付する方がたくさん社会に貢献できる」ということがわかっていても、そもそも自己肯定感が低すぎて自分が金持ちになるイメージが全く湧かないという人もいます。

彼らは身の丈にあった支援の仕方を模索した結果、ボランティアを選択するんですよね。言ってしまえば、妥協。一流の化学者になって世界の化学史に貢献したかったけど、無理そうだから小学校の理科の先生になって教育者として社会に貢献しようみたいな。

実現できるとは思えない目標を掲げ続けることほど精神を消耗することはないので、目標のダウンサイジングは非常に合理的です。また、その決断には大変な勇気が必要とされることが多いため、僕は妥協ができる人は賞賛に値すると思っています。多くの人は諦めることを諦められずに辛い環境で耐え忍び続けて鬱病になったりしますからね。

ただ、厄介なのは、「妥協した」という事実を認められない人です。

「妥協じゃねえし。俺たちは俺たちができる精一杯のことをやってるだけだし。」

それが妥協っていうんですよw

ぼくらは別に自己肯定感が低いわけでも、目標をダウンサイジングしてるわけでもありません

ボランティアをやることが、自分にとっていちばんだと思ったからこの道を選んだだけです。それをこんな風に嘲笑される筋合いはない

小学校の理科の先生より、一流の科学者の方が偉いんですか?

一流の科学者は偉大な発見をできるかもしれませんが、将来有望な子どもを育てることはできませんよね

どんな職業にも、その人にしかできない役割があるんです

もちろん社会に与えるインパクトの大小や規模感の違いはありますが、だからといってどちらが優れていると比べられるわけじゃない

ぼくもいずれは社会的に大きなインパクトを与えられるような人になりたいと思っています。でも、支援する人がどんな生活をしていて、どんなことに困っていて、どんな思いをもっているのかも知らずに、ただお金だけをポンと渡すような人にはなりたくないんです

だからボランティアになりました

「海外の現状をその目で見たなら即帰国して、このめちゃくちゃ稼ぎやすい日本で成功してからお金ばら撒いた方がコスパいい」と言いますが、「現状」なんてちらっと見ただけでわかるものじゃないんです。少なくとも、ぼくはそうです

表面的な部分だけ見て、分かった気になって、それで気が済むなら別にいいと思います。でも、ぼくはそれじゃ嫌なんです

だから、自分の快楽のため、自己満足のためではあるかもしれませんが、妥協ではありません。お金だけばら撒くような見せかけの社会貢献をしたくないだけです

心の交流はムダ?

先日、2年間の青年海外協力隊としての任期を終えて帰国する先輩隊員の報告会に出席しました

そこでいちばん印象深かったのは、活動上のパートナーになったルワンダ人の青年と先輩の話

「2年間彼のビジネスをサポートしてきて、彼が結婚して、子どもができて、つらいときもうれしいときもずっと一緒だったんです。そんなに大したことはできなかったかもしれないけど、彼と出会えただけでここに来た意味があったと思います」

こんな思いをもって、活動してる人がいるんです

退廃的な物言いをすると、風俗嬢が客の顔なんて覚えていないのと同様、現地の人間からすると自分を救ってくれる日本人なんてどの日本人でもいいわけですよ。心の交流どうこうで勝手に舞い上がっているのはボランティアマンだけです。そこだけは少し彼らに哀れみを覚えます。

「どの日本人でもいい」?

そんなわけないだろ。日本人だから、とか、ルワンダ人だから、とかじゃなくて、この先輩とこの青年が人と人として向き合ってるからこういう関係を築けたんでしょ

「心の交流どうこうで勝手に舞い上がっているのはボランティアマンだけ」?

「少し彼らに哀れみを覚えます」?

馬鹿にすんな

ふたりの交流は、先輩だけが舞い上がっていたわけじゃなくて、絶対にルワンダ人の青年にとってもいい出会いだったと思います

その出会いは、ただ単にお金を寄付するより価値のないものなんですか?

あなたにとって、人間関係ってそんなもんなんですか?

ふう

別に議論をしたいわけではありません。ただ、ボランティアとしてこんな風に馬鹿にされてるのが許せなくて、気持ちを伝えたかっただけです

実際、ボランティアをしていて「自分のやってることに意味はあるんだろうか?」と無力感を覚える人は多いと思います。ぼくもよくそう思います。でも、絶対に意味なくなんかない

やまもとさん、考える機会をいただいて、ありがとうございました

タケダノリヒロ(@NoReHero

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