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【2017/02/26 更新】
開始3分で泣いたこの映画。
特に何の説明もなく、主人公のキーラ・ナイトレイが嫌々ながらライブハウスのステージに上げられ歌うシーンから始まります。
彼女の歌声、アコギ一本のシンプルな演奏と、”Are you ready for the last act?”と背中を押すような歌詞に一瞬で惹き込まれました。
別に泣くような映画じゃないと思うんですけどね。どストライクでした。
映画好きな友人が勧めていて、しかも監督は『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー。
これは観なきゃと思ったら、まさかこんなにハマるとは。見終わって即サントラも買いました。
「2014年に公開されてたのに、なんでこんな良い映画があるって誰も教えてくれなかったんだよ!!」とちょっとした憤りを感じるぐらい良い映画。
こーれーはー、オススメです。
ちょっと嫌なことがありつつも一日仕事を頑張った夜に、メイクを落としてメディキュットを履いて白湯を飲みながらひとりでこの映画観たら「明日もがんばろ!」って思えるような映画だと思います(ってことで、どちらかと言えば女性向け)。
画像引用元:http://hajimarinouta.com/img/top/bg.jpg
はじまりのうた・あらすじ
ストーリー的には「3つの再生の物語」と言えます。
恋人に浮気された失意の主人公は、才能を開花させながら立ち直っていく。
落ち目の音楽プロデューサーは、主人公というダイヤの原石を見つけ、自分自身もプロデューサーとしての情熱と手腕を取り戻していく。
その過程で、バラバラになっていたプロデューサーの家族も少しずつ歩み寄っていく。
この映画の大好きな点を挙げるとしたら、下記の3つ!
素敵すぎるオリジナル楽曲、「あえて言わない」演出、とにかく美しいキーラ・ナイトレイ、です。
感想はこの3つ!
素敵すぎるオリジナル楽曲
「音楽映画」と言われるだけあって、音楽が映画の軸となっています。
びっくりしたのが、浮気をして主人公を裏切る彼氏役。なんとマルーン5のボーカル、アダム・レヴィーンが重要な役で出演してます。
しかも劇中で惜しげもなく歌声を披露しており、サントラにも彼の歌う曲が4曲も入ってるんです(リミックス含む)。
映画自体も、彼の歌う『Lost Stars』(アカデミー賞歌曲賞ノミネート)で終わっていきます。
ただし、そんな大物歌手にも負けない存在感を放っているのが、主人公役のキーラ・ナイトレイと彼女の歌う曲。
この映画が歌声初披露らしいんですが、まあ素晴らしい。
飾らない、気張らない歌声でずっと聴いていられます。
そこにアレンジを加えていくマーク・ラファロ。
ギター一本で歌うキーラ・ナイトレイの演奏に、彼が頭のなかでピアノやドラム、ストリングスを重ねていき、自殺を考えるほど失意のどん底にいたのにどんどん目が輝いていくシーンが超格好良い。
自分が立ち上げたレーベルをクビになって、ひとりずつバンドメンバーをかき集めていくところもぐっと来ます(ピアノのやつ決断早すぎだろ)。
「あえて言わない」演出・名言
演出がニクい。
主人公とプロデューサーは、音楽を通じてだんだん近づいていきます。
キスやベッドシーンになってもおかしくない場面が何度もあるんですが、一切ないんですね。そういうのが。
だからものすごく爽やかです。それがいい。
アルバムが完成して、ふたりがお別れするシーンも。
ハグしてお互いに感謝を述べて立ち去ろうとするキーラ・ナイトレイを、マーク・ラファロが引き止めます。
見つめ合うふたり。
お、ついに言う?
言っちゃう?
「I love you」とか言っちゃう?
……
……
……
言わないんかーーい!!!
みたいにめっちゃ盛り上がりました(ひとりで)。
ここ数秒間、まったく台詞がないんですね。ただキーラ・ナイトレイを見つめるマーク・ラファロの顔がアップで映し出されるだけ。
でも、何も台詞がないのに、その表情から気持ちは読み取れます。
イヤホンをスプリッターでふたつに分けて、お互いの好きな曲を聴きながら夜のニューヨークをふたりで歩くシーンが最高。
ここでも台詞はほとんどありません。
その後街並みを眺めながら、マーク・ラファロの名言。
音楽の魔法だ平凡な風景が意味のあるものに変わる
そう。
余計な台詞なんていらないんです。
音楽があることで、そこに意味が加わる。
これぞ音楽映画。
とにかく美しいキーラ・ナイトレイ
もう美しすぎます。
全然色気のない、飾らないファッションが逆にいい。
公園のベンチに座って、ちょっとグレてきているプロデューサーの娘、バイオレットに対して恋愛指導をするシーン。
「まず尻軽そうな服はやめて」
「セクシーでしょ?」
「確かに とてもセクシーだけど―― 男に想像させなきゃ」
「まあね」
ここでキーラ・ナイトレイは、茶色に近い地味な赤のワンピースを着ています。
「想像させなきゃ」とか言うもんだから、めちゃくちゃいやらしいことを想像してしまいました。
エロくない方が逆にエロい。あると思います。
歩いている姿を横から映された時に、彼女がなかなかの貧乳であることにも気づいてしまったんですが(※)、そんなこともうどうでもいいです。
※Wikipediaにも「自他共に認める極度の貧乳」って書いてあるほど。
こんなにクールな雰囲気なのに、音楽を聴いてノリノリになってはしゃぐ姿が可愛くて仕方ありません。
同性からの人気があるというのも頷けます。素敵です。
おまけの「再生」
これは3つの再生の物語と言いましたが、おまけでもう1個ありました。
主人公たちがアルバムを野外で録音したときに使っていた公園、セントラルパーク。
「これ、ミスチルの『replay』のPVで使われてる場所じゃん!」
ニューヨークは行ったことないのでセントラルパークも知らなかったんですが、ミスチルのカラオケで本人映像が流れる数少ない曲のひとつなのですぐ分かりました。
映画とは全然関係ないですが、ミスチルファンとして妙に嬉しくなってしまいました。
『はじまりのうた』の原題『begin again』=「もう一度始める」=『replay』=「再生」ということで、一歩踏み出そうとする方にとってもおすすめな映画です!
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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