ボランティアに一番必要なのは「金儲け」する力〜社会貢献って何?〜

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青年海外協力隊としてルワンダでボランティアをやっています。

「ボランティアとは何か」「社会貢献とは何か」ってことを考えずにはいられないんですけど、現地で活動していて実感するのは「ボランティアに一番必要なのは金儲けする力」だということ。

年商400億の起業家に学ぶ社会貢献

そう思ったきっかけはこの記事。『世界へはみだす』の著者・金城拓真さんと堀江さんの対談。この2人が話して面白くないわけがない。

行き当たりばったりで年商400億円!誰より早くアフリカで商売ができた理由――金城拓真×堀江貴文[1] | 僕らはどこにでも行ける | 堀江貴文 | cakes(ケイクス)

韓国の大学に留学中、アフリカ向けに中古車販売のビジネスを始めた金城さん。そこから今ではアフリカで50社以上経営し、年商400億円を稼ぎ出しています。

興味深いのは「行き当たりばったり」と言っているにも関わらず、結局そのビジネスが大成功し、現地の人々を助ける社会貢献にもなっているという点。

中古車販売→タクシー会社経営→バイクタクシー会社立ち上げ→ドライバーはスラムの子たち→その村の若者の6~7割が社員に→政治家に選挙協力依頼→その人が当選し「学校を建てたいけど治安が悪いから建設会社が来てくれない」と相談される→「建設会社を作るから、入札案件を用意して」と頼む→入札したのは自分だけで自ら落札→学校を作る→建設資材が必要だから建材を調達する会社を作る→全社合わせて従業員は3~4,000人

スラムの若者に対して雇用創出、学校を作って教育の機会まで創り出しています。しかも従業員は3~4000人ってことは、その家族も含めたら軽く1万人以上の生活を支えていることになります。

これぞ社会貢献。

「カネ」という視点をもつ

自分は心のどこかで「金儲け=悪」と思っていました。

もちろん社会貢献にお金が必要だというのは頭では分かっていましたが、「金儲け」という選択肢を無意識のうちにフィルターにかけてしまっていて、自分の活動に落とし込めていませんでした。

別にお金を稼ぐことは悪いことでもなんでもなく、むしろ必要なことです(青年海外協力隊では利益を得る活動は禁止されていますが)。

西原理恵子さんの『この世でいちばん大事な「カネ」の話』(これも名著)にこんな一節があります。

自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる。

「いいじゃない。お金にならなくても」ってやってるうちは、現実にうまく着地させられない。それこそ、ふわふわした、ただの夢物語で終わっちゃう。 そうじゃなくて「自分はそれでどうやって稼ぐのか?」を本気で考え出したら、やりたいことが現実に、どんどん、近づいてきた。

ボランティアとは無償の行為ですが、ぼくらが利益を得ないというだけで、ボランティアの対象となる人たちには絶対にお金が必要なんです。

ぼくが住んでいるルワンダの田舎の小学校には、水道がありません。雨水を溜めて飲んでいるから子どもたちが水因性疾患にかかっています。衛生教育をすればある程度病気を減らすことは可能ですが、根本的な解決にはなりません。

でもお金があればわざわざ雨水なんか使わなくても、学校に水道を敷いて安全な水を使えるようになるんです。

若者も仕事が無くて困っています。ほんの少しの資本金があれば、それでビジネスを始められるかもしれません。

ある村では、井戸の修理代を節約するために、自分たちでパーツを作ったり、耐久性を無視してコスパを重視したりしています。

お金だけでは問題は解決出来ませんが、最も重要な要素であることは間違いありません。

現金支給が一番の支援?

ある意味「バラマキ」と捉えられかねない活動をしている団体もあります。

途上国の貧困層に現金支給しているGiveDirectry

まず途上国の極度に貧困なエリアを探す(現在はケニアの農村部のみ)。次に支援対象の住民を選び、賄賂等にお金が使われなそうか一定期間モニタリングする。支援対象に決まったら1,000米ドル(ほぼ1年分の収入!)をM-PESAで携帯送金する。そしてその後、そのお金が有効に使われているかをモニタリングする、というものである。借金ではないので返済義務は生じない。

引用元;貧困層への支援は現金支給がいい?

これに対する主な批判は、お金をただでもらうと勤労意欲が下がり、経済的にマイナスだというもの。

しかし、検証の結果、34%が収入増、52%が資産増、42%が子供に食べさせられない日が減少、そしてタバコやアルコール消費が増加した世帯は0%、という結果が出ているそうです。

あげたら放置ではなく、モニタリングもされるのであれば単なる「バラマキ」にはなりません。

「ボランティアがお金をあげるだけでは継続的な支援にはならない」という定説が本当に正しいのか、それとも非現実的なステレオタイプなのか、一度考えてみる必要がありますね。

タケダノリヒロ(@NoReHero

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