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2000万円かけてたった1人を救うことは「正しい」のか?〜クラウドファンディングの葛藤〜

音声配信サービスstand.fmでもお話しています(本記事は同様の内容ですが、書き起こしではありません)。

アフリカのルワンダでスタディツアーや情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

現在クラウドファンディングを支援中。JICAボランティア(青年海外協力隊)時代にお世話になったJICAスタッフ、イディさんのお子さんガンザくんが、難病「胆道閉鎖症」にかかってしまいました。

生後6ヶ月のガンザくん

その手術に必要な金額はなんと2000万円。とても家族だけではまかないきれないため、クラウドファンディングが立ち上げられました。

イディさんにお世話になった歴代のボランティアや職員の有志がなんとか力になりたいと、「ガンザ君基金実行委員会」をつくり、わたしもそのひとりとして、情報の拡散や各個人・団体・メディアへの呼びかけを続けています。

支援に対するモヤモヤ

そんな呼びかけに応じてたくさんの方が協力してくださり、なんとか現時点(2021年5月21日)で約1000万円を集めることができました(クラウドファンディングサイトGoFundMeと特設口座の合算)。わたしのツイートも500回ほどリツイート(シェア)していただいており、本当に多くの方のやさしさを感じております。

ただ、今回のプロジェクトに対して、ある種のモヤモヤを抱えていらっしゃる方、多いのではないでしょうか。

実際上記のツイートに対しては、

世界には困っている人がたくさんいるのに、この子だけを支援するのは不公平ではないか

知り合いだけを助けるのは命の選別のように思える

たった一人に2000万円もかけて救うことが本当によいことなの?

といった反応もありました。みなさんそういった葛藤を整理したうえで、このプロジェクトを応援、拡散してくださっている方ばかりですが。

縁のある人だけでも助けられたら

支援しているぼく自身も、実際みなさんと同じようなモヤモヤを感じました。たとえば2000万円もあれば、たったひとりではなく、200万円で治せる病気の子どもを10人救うこともできますからね。合理的に考えれば「正しくない」取組みなのかもしれません。

そしてこれは、ボランティア時代からずっと感じ続けていることでもあります。「Aさんに対しては『なんとかしたい』と思ったけど、Bさんに対してはそこまで感じなかった。これでAさんだけ支援するのは不公平なのかな?」と葛藤したこともありました。

でも、世界の困ってる人全員を救うことなんて、だれにもできないですよね。そしてそこを気にして行動しなければ、誰ひとり救うことができません「誰かを助けたい」と思ったら、どうしても「不公平」になってしまうものだと思います。

もちろんぼくも世界から病気や貧困、紛争がなくなればいいなと思っていますが、それらの問題に対してアクションを起こしてはいません。でも、ガンザくんのことはなんとかして力になりたいと思う。それはぼくがガンザくんの父親であるイディさんと「出会った」から。

たまたま青年海外協力隊としてルワンダに派遣されて、たまたまイディさんと知り合って、たまたまイディさんに親切にしたから、恩返しがしたい。人助けやお金がかかることというのは、慎重に考えなければいけないとも思います。

一方で、難しく考えすぎずに「助けたい」と思った人を助ければいい自分の気持ちが動いたときに行動すればいいとも思います。そうやって自分の心が動くのは、「共感」や「」があるから。たとえば、「ガンザくんと同い年の息子がいるから、ご家族の気持ちを考えたらとても他人事とは思えない」とか、「友だちの知り合いなら、自分も支援したい」とか。

逆に、今回のクラウドファンディングを知っても、支援したいとは思わなかった人もいるかもしれません。それはその人が冷たいとか薄情だというわけではなく、単純に共感できるところや縁がなかったというだけ。日本と1万kmも離れた、聞いたこともないような国でのできごとだったら、そりゃ自分ごととして考えるのは難しいと思います。ぼくだって、まったく違う立場でこのプロジェクトを目にしたとしても、スルーしちゃってたかもしれません。

だから、もし今回支援に至らなかった方がいたとしても、それで「自分は冷たい人間なのかな」と思い悩んだりはしないでください。その気持ちやお金は、心から「なんとかしたい」と人があらわれるときまで、大切にとっておいてください。

クラウドファンディングは、元気玉のようなものです(ドラゴンボール知らなかったらごめんなさい)。「みんな、オラに元気をわけてくれ!頼む!」って、あの悟空ですらお願いをしているんです。それは、みんなのパワーを吸い取ってしまうから。何度も連続でできるわけではないし、ここぞというときにしか使えません。でも、みんなの力を集めるからこそ大きな問題を解決することができる。

きっとこれからも、世界の至るところでいろんな問題が起きて、困ってしまう人が出てくることでしょう。そのときに、それぞれにつながりがある人たちが、それぞれの場所で助け合えばいい。今回ガンザくんの支援にはかかわらなかった人も、きっとどこかで力を使う場面が出てくるはず。

そうやって、ひとりひとりの人が自分のできる範囲で行動していけば、世界もちょっとずつ良くなっていくのではないでしょうか。もちろん「人とのつながりなんてない」と、孤立してしまう人が出てこないような社会にする必要もあると思います。

「2000万円でたったひとりを救うことは正しいのか?」という最初の問いに戻ると、「ぼくにとっては正しい」というのが答え。世界中の人を助けることはできないけど、せめて目の前の縁がある人だけでも力になれたらと思います。

もしこの文章を読んで共感いただけるところがあれば、ぜひご協力よろしくお願いします。フェイスブックやツイッターで投稿をシェアしていただけるだけでも大変ありがたいです。

どうか来年も再来年もガンザくんの笑顔が見れるように、力をかしていただければ幸いです。

クラウドファンディング情報

クラウドファンディングサイト

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ガンザ君基金専用口座

万が一クラウドファンディング以外の方法で支援したいという方がいらっしゃいましたら、専用口座を用意いたしましたので、下記口座をご活用ください。

金融機関名:三井住友銀行
支店名:大分支店
店番号:721
預金種別:普通預金
口座番号:1426512
口座名義:カワノユキ

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norihiro415:
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