IT立国ルワンダでスマートなアプリが普及しなかった理由〜バイクタクシーの事例〜

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どうも!アフリカのルワンダからお送りしています、タケダノリヒロです。2021年3月23日火曜日、『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』、やっていきましょう!

今日は IT がテーマです。ルワンダで一般的な「バイクタクシー」という交通手段を事例にお話をしたいと思います。テクノロジーに興味のある方や、途上国で IT系のサービスを普及させたいと考えてる人は、参考になるかもしれないのでぜひ最後まで聞いて行ってください。

ルワンダ市民の足、バイクタクシーとは?

まずバイクタクシーとはなんぞやという話ですね。日本人からすると全然聞いたことがない言葉だと思います。ただ、ご想像の通りバイクのタクシーです。運転手が前に乗って、乗客が後ろに乗って、二人乗りをする形で、お金を払って目的地まで連れて行ってもらえるというサービスです。

ルワンダでは「モト」と呼ばれているので、この後もモトという呼び方をします。ルワンダにはいくつか交通手段があるんですね。まず一般的なのはバス。バスは割と値段が安いので幅広く使われてるんですが、ちょっと本数が少なくて待ち時間が長かったりするので、あまり便利ではないですね。僕もバスは全然使っていなくて、モトを頻繁に利用しています。

そして電車がないのも日本とは違うところですね。タクシーは割と値段が高いので、富裕層とか外国人しかあまり利用していないかなと思います。

そして今回のメインであるモト。何が便利かって言うと、早くて安いんですね。まず「早い」っていう点では、そこら中にモトが走ってるのですぐに見つかります。大きな通りに行けばたくさん走ってますし、あとは溜まり場みたいなところが決まっているので、そこに行けばほぼ確実にバイクを拾えるっていうところが便利なポイントのひとつですね。

あとは「安さ」も魅力です。ルワンダの首都キガリ市内だったら、50円から100円ぐらいで行けます。100円以上になるとさすがにバイクではちょっと厳しいかなっていう距離になるので、100円を超えることはほぼないと思っていいと思います。それくらい安くてすごく便利な乗り物がモトと呼ばれるサービスです。

デメリットをあげると危険性ですね。ぼくはもともと青年海外協力隊としてボランティアをやっていたんですが、その時は JICA という組織が協力隊を管轄していて、JICA ルールでは「モトは危ないので使わないでくださいね」ということになっていました。なのでその時は使えていなかったんですけど、今は個人で働いているので当たり前のように使っています。

ただし、もし事故ってしまった場合は、普通のタクシーとかに比べると大怪我につながる可能性が高いので、できれば使わない方がいいんですけど、やっぱり便利だし安いので割と頼ってしまってるって言うのが現状ですね。

スマートなアプリは流行らなかった……

そんな庶民の足とも言えるモトという交通手段なんですが、ルワンダはここにも IT の力を活用しようとしていました。が、今のところうまくいっていない、という話をしたいと思います。

まずルワンダは「IT 立国」を目指しているんですね。資源があまりないので、経済を発展させるためには農業などの一次産業よりも、二次・三次産業を発展させていこうと。その中で特にITに力を入れていこう、ということが国として目指されています。そしてこのモトにおいてもスマートなテクノロジーを導入しようということで、「YegoMoto」って言うUBERのような配車アプリの導入が計画されていました。どんなアプリかっていうと、乗客がスマホでアプリを立ち上げて、そして現在地と目的地を入力します。そうすると近くにいるモトがマッチングされて迎えに来てくれるんですね。そのバイクに乗って目的地まで連れて行ってもらって、支払いをして、サービス完了ということになります。

今まではこの支払いが交渉制だったんです。ドライバーとお客さんが話をして、いくらで行こうというのが決まっていたんですけど、この「YegoMoto」というアプリを使うと、メーター制になるので、初乗り2 km で30円、それ以降は1 km あたり13円で支払いをするということになっています。

去年の8月のニュースによるとRURAっていう規制局があるんですが、この役所がキガリ市内の全てのモトをカバーできるくらいの量のメーターを手配済みだという記事が出ていました。去年の8月の時点で、既に75%のモト(26000台中19500台)が登録されているという風に言われています。 半年以上前にはこのシステムを導入する準備が整っていたっていうことになりますね。

【参考】 Kigali based taxi-motos to use cashless payments from Mid-August | The New Times

なぜ普及しなかった?

ただ、今2021年の3月ですがこのシステムを使っているモトは、ほとんど見かけません。結局今までとほとんど変わっていないんです。それは何が原因なのかちょっと考えてみました。

これはいちユーザーとしての意見なんですが、まず利便性が良くないっていうことですね。いちいちアプリを使って呼ぶよりも、直接自分の目で見て元を探した方が早いんです。さっきも言ったようにちょっと大きな道路に出れば、モトがびゅんびゅん走ってますし、溜まり場に行けばだいたい捕まえることができます。なのでもしスマホでアプリを立ち上げて、それでバイクを呼んだとしても、その自分が呼んだバイクを待っている間にもう2台も3台も目の前を別のバイクが通り過ぎていくっていう可能性も考えられます。なのでアプリなんか使うよりも、自分で声をかけたほうが早いということになるのかなと思います。

もう一つ支払いの面ですが、この「YegoMoto」というアプリを使うと距離によって自動的にお金が計算されます。ただし、もともとルワンダでは「値段を交渉する」っていう風習があったので、その変化をお客さんとかドライバーが受け入れられなかった、好きになれなかったのかなという風にも思います。

ルワンダのモトの場合はそんなにボッタクリと言うか法外な値段を請求してくることはないので、交渉した方がむしろメーターよりも安く済むっていうことで乗客が好んでるのかもしれないですね。

ただしキャッシュレス化っていうポイントで言うと、「モバイルマネー」と言う以前もお伝えしたシステム、携帯電話を使って送金するサービスがあるんですけど、このモバイルマネーを使ってモトの代金を支払っている事はありますね。「YegoMoto」というナビとタクシーメーターが合体したようなシステムはあまり使われてないんですけど、一部モバイルマネーというキャッシュレス支払いは使用されているっていう状況です。

キャッシュレス化が浸透したバスとの違い

モトにおいてはスマートなシステムが導入できていないんですけど、バスの場合はキャッシュレス化がきちんと普及しているんですね。日本ではスイカとかパスモみたいなカード型の支払いシステムを使ってますよね。あれと同じようなものが、ルワンダの首都キガリのバスに導入されています。それが普及したのに何でモトの場合は普及しなかったのかなと考えると、会社がたくさんあるかどうかの違いかなという風に個人的には思います。

バスの場合はおそらくキガリ市内で運営している会社は一社だけだと思います(もしかしたら違うかも。地方を結ぶような都市間移動のバスは別で)。一方バイクタクシーの場合は、基本的に運営者が個人事業主になるので、さっきも言ったように2万台以上が市内を走っています。

そうなると、この全員に同じルールを課すのはなかなか難しいのかなというふうに考えています。ルワンダとしてはすべてのバイクがメーター制を導入して、そして支払いもモバイルマネーを使ってキャッシュレスでやってほしいという風に思っていたようです。でも、おそらくそれが普及していない原因の一つとしては、個人事業主がバイクタクシーの運営者だから、同じルールを全員に適用するのが難しかったのかなというふうに考えています。

話をまとめると、この「YegoMoto」は一見便利そうに見える格好良いテクノロジーなんですけど、実際に現場で使おうとするとうまく機能しない、現場に落とし込むとなかなかうまくいかないということが分かっていただけると思います。きっとこういう事例って他にもたくさんあると思いますし、これがもしかしたら何かの参考になるかもしれないので、今後途上国でITサービスなどを普及していきたいと展開していきたいと考えている人は、ちょっと覚えておいてもらえるといいかもしれません。

お知らせ

最後にお知らせです。4月10日(土)にオンラインツアーを開催します。HIS旅カレッジさん主催で、私が案内人を務める「大虐殺を乗り越えた国をめぐり考える、ルワンダ ピーススタディツアー」というイベントです。3月にもおこなったのですが、43名に参加いただき、大変好評でした。

ルワンダ虐殺の背景や、虐殺を生き延びた現地の女性へのインタビュー、現在のルワンダの姿などお伝えしていきます。参加費は2000円で、ZOOMを使ってオンラインでの開催となります。リンクを貼っておきますのでご確認ください。画面越しですが、みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

この番組『アフリカから世界を学ぶゴリラジオ』では、ルワンダの事例をもとにちょっとためになるお話をお届けしています。今日の放送を聞いて面白いと思ってもらえたら、ぜひフォロー、いいね、コメントなどお願いします!お便りも募集しているので、レター機能を使ってどしどし送ってください。

ここまでのお相手は、タケダノリヒロでした。じゃあまたねー。

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