電子書籍が0円!?投げ銭形式で価格自由な本『実験思考』

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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

即現金化アプリ「CASH」や、誰でもネットショップを簡単に立ち上げられる「STORES.jp」を生んだ起業家、光本勇介さんの本『実験思考 世の中、すべては実験』(2019年5月発売)を読みました。

『実験思考 世の中、すべては実験』をAudible(アマゾン運営の朗読サービス)で聴く(1冊目無料!)

いやー、これは刺激受けた……!!そして自分がビジネスをしていくうえでのヒントもたくさんいただいて、一部はすでに真似させてもらってます。いったい光本さんの何がすごいのか展開されているビジネスの裏にはどんな「実験思考」が潜んでいるのか、そしてこの本自体も「価格自由」で0円でも購入できるという実験になっています。ほんとに価格自由にして利益が出ているのか、という結果についても検証してみましょう。

価格自由で1億円達成

この本『実験思考』の最大の特徴は、価格が自由であること。どういうこと……?と思いますよね。著者の光本さんは「実験」を人生のテーマとしています。そして本書でおこなった壮大な実験が「本の価格を自由に読者に委ねてみたら、定価で売った場合より儲かるのか?」というもの。通常、この手のビジネス書は1500円程度。でもこの本は印刷に必要な原価の390円だけもらい(電子版は印刷が必要ないので0円)、本来の本の値段は読者が決めて、本に掲載されたQRコードから飛べるサイトで支払いをするという仕組みになっています。だから0円のまま読むこともできるし、1万円、10万円払っても良いということ。

ふつうに考えたら0円で「読み逃げ」しちゃう人が多そうに思いますが、結果はどうだったのでしょうか?「実験思考」特設サイトを見てみると、なんと支払総額は1億円を越えています……!しかも「1.5ヶ月で1億円達成」とのこと。

「1人あたりのお支払額」は「44,374円」なので、通常価格1500円で売るより30倍も利益を得た計算になりますね……!すさまじい。「でも、ほんとにひとり4万円も払うか??たしかに読み応えのある本ではあったけど……」と思いますよね?(ぼくは思いました)

そこで「金額別お支払い人数」(下図)を見てみると、一番多いのはやはり「0円」の人。そりゃそうです。でも一番下の数字の桁を数えてみてください。

1千万円支払った人も……!

なんと1千万円払った人がいます……!さらに500万円、100万円を払っている人も。これだけ高額を支払った人がいるから平均がぐっと引き上がって4万円くらいになってるんですね。飛行機の利益もほとんどがビジネスクラスから生まれてる、という話もありますが、サービスを設計するうえでプレミアムプランを設けることがいかに重要かがこの『実験思考』でもわかりますね。通常よりたくさんのお金を払ってより価値の高いサービスを受けたい人がいるのに、値段は一律にしてしまっていたら機会損失になってしまいます。

ちなみにこの「価格自由」の支払いにも高額支払い者にはリターンがあって、1000万円の特典は光本さんと一緒に会社立ち上げられる権利、500万円だと一緒にカジノ行く権利となっています。この辺はクラウドファンディングに近い設計ですね。さらに課金された額の半分は100万円ずつ分けて読者にプレゼントする、という特典もあるので、総額5000万円が50人に贈られたことになります。こういった「自分も参加してみたい」とワクワクするような人間心理を突く仕組みがあるからこそ「価格自由」の取組みは成功したんですね。

参考:書籍を0円で売る実験 — 購入後に払ってもらう「価格自由」な売り方 #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議 

毎月150万円稼いでいた高校時代

さあ、こんなぶっ飛んだ実験をしている光本さんは、学生時代どんな子どもだったのでしょうか。本書によると、「毎月150万円くらい稼いでいた」そうです。化け物すぎる。。

まず10歳から18歳までは大学教授をしているお父さんの仕事の関係で海外に住んでいたそうです。10歳から14歳まではデンマーク14歳から18歳までは親と離れてひとりでイギリスの学校の寮に住んでいたんだとか。ほかの人がやらないようなことに挑戦する背景には、こんな生い立ちがあったんですね。

そしてそのイギリスの高校に通っていたころ。夏休みが3ヶ月あるので日本に帰ってきていたそうです。そのときに光本さんは、毎朝5時に起きて、神奈川の大磯から2時間くらいかけて電車で原宿に行っていました。そんなに早起きしてまで遠出して何をしていたのか?というと、A BATHING APEやUNDERCOVERなど「裏原」のブランド店に並んで服を買っていたそうです。そして家に帰ってBBS(今で言う「2ちゃんねる」のような電子掲示板)に商品情報を載せて売り出したのです。購入した5枚のTシャツに、1枚あたり2万円を上乗せして、売上は1日10万円くらい。これを毎日やっていたので、高校生ながら毎月150万円くらいは稼いでいたんだとか。当時はまだインターネットもそこまで普及しておらず、これらのブランドは原宿でしか買えなかったために、多少高くなっても買いたいという人たちがいたんですね。そこに高校生で目をつけて実際にやってのけるとは。。

大企業に就職した理由は「覗き見」

そんなスーパー学生だった光本さん。大学を卒業したら起業する気満々だったそうです。そりゃそうですよね。会社員やるより自分で仕事したほうがはるかに稼げる力をもってるわけですから。でも、実際には大企業に就職することになりました。このときの考え方は、これから社会人になる学生さんたちにも参考になると思うので、ぜひ読んでもらいたいところ。

光本さんは、たまたまイベントで知り合った上場企業の社長に「卒業したら起業する」と話したところ、こう言われたそうです。

たしかにこのまま卒業して起業するのは、あらゆるものをショートカットできるからすごくいいと思う。だけど、起業したら大きな企業とも取引することになる。取引相手の大企業の仕事の仕方や中身を知っているのと知らないのとではぜんぜん違うよ。 だから、一度そういう大きな会社に入って、2~3年学んでから起業するのも価値があるし、遅くもないと思う

これを聞いて、光本さんも「たしかにそうだな」と思ったんだとか。なぜかと言うと、その時点で自分で仕事をして、ビジネスメールの書き方や請求書や見積もりの書き方を知らなかったり、電話の話し方もわからなかったりと、社会人としての振る舞いがわからずに仕事を落とすこともあったから。そこで「このまま起業しても、一生誰も教えてくれないかもしれない」と思ったときに、いつか大きなビジネスをやりたいんだから、大企業のことを知っておいたほうがいいと思ったというわけです。

そこで就職先に選んだのが、外資系の広告代理店でした。なぜかというと、いろんな会社のいろんなビジネスを「覗き見」できるから。そうそう。会社の中のことって実際に入ったり接してみないとわかりませんからね。そういう意味ではいろんな会社と接点をもてる広告やコンサル、金融あたりの業界は強いです。これから就職活動をする人はぜひ参考にしてみてください。

性善説のほうが儲かる

光本さんのビジネスで面白いと思った考え方は、「性善説」にもとづいた仕組みづくり。ユーザーがモノを現金と交換できる「CASH」というサービスでは、モノの写真を撮った瞬間にお金を振り込みます。その品質を確認してから振り込むわけではないので、ニセモノである可能性もあるし、最悪モノを送ってこない可能性もあるんです。1日ひとりあたりの取引額は2万円が上限ですが、もし全員が2万円を持ち逃げしてしまえばサービスは破綻してしまいます。でも光本さんは、100人中5人の悪い人がいて2万円を持ち逃げしたとしても、その他の95人とはきちんとビジネスができるはずだと考えているんです。

逆に世の中のほとんどのビジネスは「悪い人がいる」ことが前提になっています。たとえば駅の自動改札機 。あの機械、1台650万〜1500万円もするそうです。単純に「きっぷを買っているか買っていないか」のチェックをするだけで莫大なコストがかかっているんですね。ここで光本さんは、「仮に100%信用してみたらどうなるでしょうか?」と投げかけています。キセル(不正乗車)をする人がいても、その「損害」より改札機を導入する「コスト」のほうが大きかったら改札機がないようが儲かるかもしれないよね、と。たしかに以前スイスを旅行したとき、改札がない駅も多く、「こんなのキセルし放題じゃん」と思いながらきっぷを買っていた記憶があります。そう、ふつうの人は改札機がなくてもちゃんときっぷを買うんですよね。もしかしたらスイスの駅では、キセルをされる損害よりも、改札機導入のコストが大きいことを見越して、あえてチェックガバガバの仕組みにしていたのかもしれません。

性善説にもとづいたサービスのほうが利益が出るかもしれないし、手間も省ける。これは会社を経営している自分にとっても大きな気付きでした。この学びを生かして、ぼくもできるかぎり不正を防ぐような仕組みに手間をかけるようなことはしなくなりました。

いらないモノは極限まで「削る」

さきほどの性善説の話にも似ていますが、もうひとつぼくが本書から参考にした考え方があります。それは “いらないモノは極限まで「削る」“ということ。光本さんの「TRAVEL Now」というサービスでは、通常の旅行代理店で記入させられるような個人情報を極力省いています。ユーザーの「ハワイ行きたい!ポチッ!」という欲求を叶えるために、パスポート番号の入力をなくしたり、名前は漢字ではなくカタカナだけにしたりしたんだとか。

とにかく表現と体験が大切なのです。サクサクサクサク、気持ちいい、となることが重要。「サービスの明暗を分けるのは、世界観、体験、表現だ」といつもぼくは言っています。

さきほどの駅の改札のように、当たり前に使っているものの、あらためて考えてみたらいらないモノって結構あるんですよね。そしてそれがユーザーの快適さを邪魔している可能性も大いにある。だからできる限りいらないモノを削って、シンプルな体験を演出することが大事なんですね。

まとめ

以上、光本勇介さんの本『実験思考 世の中、すべては実験』についてのレビュー、感想でした!この記事の内容をまとめてみます。

・「価格自由」で1億円達成
・毎月150万円稼いでいた高校時代
・大企業に就職した理由は「覗き見」
・性善説のほうが儲かる
・いらないモノは極限まで「削る」

起業家としてたくさんの刺激とインスピレーションをもらえる本でした。みなさんもぜひ読んでみてください!電子書籍なら0円です!(現在は1億円を突破したため支払いの受付が停止になっていて、堂々と0円で読めます笑)

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