声をあげることって、本当に意味あるの? #BlackLivesMatter

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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。

#BlackLivesMatter(黒人差別反対運動)について。暴動とか見るのほんとに苦手で、特にメンタルが優れない時期だったこともあり、ツイッターでは「差別」って単語をミュートして、文字通り目を背けてたくらいです。でも余裕が出てきたのであらためて考えてみました。声を上げることって、本当に意味あるの?

「差別をやめよう」で差別はなくなる?

たとえばぼくが「差別はやめよう」とツイートしたとしても、ぼくのことをフォローしてくれてる人たちは「そんなの当たり前じゃん」と思って終わるはず。きっと強い差別意識を持ってるのはもっと外側の人たち。そこまで届かなければ意味がない。

じゃあ、仮に強い差別意識を持ってる人たちにぼくの言葉が届いたとしたら?「差別をやめよう」と言ったら、彼らは「わかった、やめるよ」って大人しくなるだろうか?そう簡単に態度を改めるとは到底思えない。

じゃあ結局何もしないでいいの?

声を上げることで社会が変わる。けど……

いや、そういうわけにはいかないよね。選挙権だって昔の人たちが声を上げて戦ってくれたから、多くの人が政治に参加できるようになった。ひとりひとりの声は小さくても、それが集まることで「世論」になり、社会を変えることにつながる。

↑もちぎさんが良いこと言ってる

じゃあ #BlackLivesMatterってタグがついてるツイートを片っぱしからリツイートすればいいの?そんな殺伐としたタイムラインはぼく自身が見たくない。わざわざミュートしてたくらいだから。自分が見たくないものを、まわりの人たちの面前に押しつけたりはしたくない。特にセンシティブな情報は、その人のタイミングで取りに行くべき。相手に受け取る準備が出来てなければ、昨日までの自分のように「なんとなく怖いから」と言って目を背けられてしまうのがオチだから。

ポジティブな情報発信

そんなことを考えながら#BlackLivesMatterについて調べていたら、ある文章に目が止まりました。

テレビでは過激な暴動ばかりが報道される中、たくさんの人が平和にデモ運動をしようと呼びかけています。

マイアミの近くの街で、警察官が揃ってデモ隊に対してひざまづき、謝罪の気持ちを伝えるという場面がありました。

黒人が集まってダンスをしながらデモをしたり、黒人男性と警察官がハグし合ったりする映像などを見ると、心が休まります。

アメリカの黒人差別のデモ運動はしばらく消えないと思うので、せめてどうか、少しでも平和なデモ運動が増えますように。

引用元:【Black Lives Matter】アメリカの黒人差別|2020年現在のアメリカで起こっていること | 毎日がクリスマス!

これだ。ぼくが見たかったのはこういう世界なんだと思いました。警察官がひざまづいて謝罪の意を伝える写真、黒人男性と警察官がハグし合うという文章。

ネガティブな情報よりもこういうポジティブな情報の方が、自然と取り入れられるし心も動かされる。もちろん黒人が暴力を受けているとか、白人の若者たちが街を荒らしてるとか、そういう現実を伝える情報も必要です。でも、それだけじゃ、タフなハートをもってないぼくみたいな人間は目を背けてしまう。もしかしたらそんなハートフルでピースフルな情報なんかじゃ甘すぎて役に立たないかもしれない。でもいまのぼくはそっちの戦い方を選びたい。

ここで最初のほうの疑問に戻る。強い差別意識をもった人たちは、そのポジティブな情報を見て態度を改めるのか?その可能性は、あると思う。たとえばこの動画。

黒人と白人の赤ちゃんがお互いの姿を見つけると駆け寄ってハグをするなんとも可愛らしい映像で、59万いいねもついてます。前々からツイッターで良く見かけてたけど、それだけたくさんの人たちの心を動かしてる証拠。ぼくのように「差別がダメなのは分かってるけど積極的に運動に関わるのはどうなんだろう」と躊躇してる人たちには、こんな情報だったらきっと刺さる。そしてそれをきっかけに、より能動的に動き始めるかもしれないし、そのそばにいる強い差別意識をもつ人にもその気持ちが波及していくかもしれない。この動画を見た差別主義者が「なんて可愛いんだ!改心しよう!」とはならないだろうけど、「誰とでもハグできる世の中が良いよね」って人ばっかりになればそんな人たちは居心地が悪くなってくるはず。クラスにいじめっ子がひとりいたとしても、その子以外の全員が平和を望んで「いじめとかダサいよね。仲良くしてるほうが楽しいよね」と言ってれば、そのいじめっ子は自分が不利益を被ることに気づいてきっといじめはなくなるだろうから。「空気」の力は強い。

だからぼくは、#BlackLivesMatterに関してはポジティブな情報を積極的にシェアしていきたいと思う。暴動の映像よりハグの映像を、なんて我ながら軟弱でユートピア的な発想だなとも思う。けど何もしないよりは、自分の気持ちの整理がすこしついたかな。繰り返しになるけど、ネガティブな情報が必要ないわけじゃない。ただ、その情報を受動的に摂取しすぎるのは健全じゃないから、まずは取っつきやすい話題から入れば良いと思う。音楽や映画、アートなど、反差別や平和を謳った名作もたくさんある。

【参考】プロテスト・ソング特集:人種差別や抑圧、偏見に立ち向かい、不正の告発や反戦のために歌われた歌の歴史とは?

単純に「差別をやめよう」と叫ぶよりは、そんな作品の力を借りるのもひとつの手では。#BlackLivesMatterというタグをつけて声を上げるだけが正義とも思わない。無言を貫く人がいても良いと思う。ただ、どこかのタイミングでいちどは「差別」について立ち止まって考えてみてもいいかもしれない。そしたら自分なりのスタンスの取り方が分かるはずだから。ルーツが違うというだけで差別を受け、命の危険にさらされる。自分の生まれた国なのに、安心して生きていくこともできない。そんな不安を抱えていく人がひとりでも減るような世の中にしていきましょう。

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