アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
本日は、「コンテンツ、どこまで無料にするか問題」について。
溺れるほどたくさんの情報が無料で手に入る時代。コンテンツを提供する側として、どこまで無料でどこから有料にすべきか、無料または有料にする自分とお客さんのメリットはそれぞれなにか。それによって自分はどんな価値を提供したいのか、考えてみました。
もくじ
オンライン・スタディツアーやります!
新型コロナの影響でルワンダツアーがしばらく開催できなくなってしまいました。。そこで考えたのが「オンライン・スタディツアー」。
ふだんのスタディツアーでやっているような、ルワンダの歴史・文化・ビジネスについての学習や、グローバルに活躍する方々との勉強会をおうちでも体験できるようにしちゃおうという取組みです。
月単位で開催する予定で、5月度は全13コマ。初回はコロナの影響でみんな大変な時期ということもあって、1コマ500円、全コマ参加の「皆勤賞プラン」だと5,000円というかなり低めの値段設定にしました。
ありがたいことに「安すぎる!」「お得すぎる!」というお声も頂戴しています。ぶっちゃけめちゃくちゃお得だと思います。労働量や提供価値から考えたら全然割に合ってません。なので早ければ6月から適切な料金まで値上げはする予定です。
とはいえ、この初回のお得料金でも「こんな大変なときにお金取るのかよ」と思う方もいらっしゃると思います。そのお気持ちもわかります。これだけ無料の情報があふれた時代ですからね。
でもぼくも稼がなければいけません。だけど世の中のためになることもしたい。そんな葛藤の中で、お金を払ってオンラインツアーに参加してくれた方だけに出す情報と、無料で出す情報を分けることにしました。それならみんなハッピーかなと。
でもそうすると、今度はどこまで無料にするか?という問題が出てきます。さあどうやって区別しよう。
無料と有料コンテンツの違い
できるだけ無料でコンテンツを提供したいけど、お金を払って参加してくれる人たちに「無料でも見れるんだったらお金払わないほうが良かった」とは思わせたくない。
そんなふうにあれこれ考えた結果、下の図のように線引きすることにしました。
コンテンツの置き場と環境の違い
まず有料の場合。ZOOMで講座を開いて、補助資料やディスカッションはSlackでおこないます。コミュニケーションはクローズドで、メンバーだけが参加することができます。
そして無料の場合。ZOOMでおこなった授業を録画したものを編集して、短縮版をYouTubeにアップ。教科書はブログやnoteで公開予定。オープンな場所にあるので誰でも見ることができます。これだけ見ても十分「勉強になった!」と思ってもらえるものを提供するつもりです。ただし、ツアーメンバーになってもらえればもっと充実した濃い情報を得ることができますよ、という仕組みにしていきます。
情報の違い
無料で見ることのできる情報は、「グーグルで検索すれば分かる知識」まで。有料メンバーには、これプラス「その知識をどう行動に活かすか」「起業家・生活者として現場に住むタケダの考察や肌感覚」をお伝えします。これは実際にルワンダで活動しているぼくだからこそ提供できる情報なので、お金を払ってもらう価値はあるかなと考えています。
そして、無料で見ることのできるもうひとつの情報は「普遍的な情報」。一方有料メンバーには、これプラス「リアルタイムの情報」をお伝えしたいと思っています。普遍的な情報はいつでもYouTubeでさかのぼって見てもらうことができますが、リアルタイムの情報は刻一刻と変化していくのでライブで伝えるからこそ価値があります。たとえば新型コロナのニュースにしても、今日の感染者数や街の様子を1ヶ月後に伝えてもあまり意味がないですよね。「生」だからこそ伝えられる温度感をリアルタイムで共有できることに意義があるのではないでしょうか。
機能の違い
そして有料メンバーには、クローズドの情報共有グループに入ってもらうことで、コミュニティ機能を生かしてもらうこともできます。
おなじ課題をリアルタイムで共有するので、それについて意見を交換し合うこともできますし、その交流を通じて新たに交友関係を広げてもらうことも可能です。なんならこのコミュニティ機能がオンライン・スタディツアーに参加するうえで一番価値あることかもしれませんね(あと全コマ出席の方には1対1面談も用意してます!)
このように、無料でも十分学びのあるコンテンツを提供しつつ、有料メンバーにはお金を払ってもらっているからこそ享受できる価値を感じてもらえるような仕組みをつくっていくつもりです。
フリーミアム戦略の意義
一部のコンテンツを無料にする理由は、なにも世の中の役に立ちたいという立派な思いだけではなく、それが長期的に見ると自分の利益にもつながるから。「フリー(無料)」と「プレミアム(割増料金)」をあわせた、俗に言う「フリーミアムモデル」ですね。
無料コンテンツはチラシになる
まず、YouTubeに置いた無料コンテンツはチラシ代わりになります。誰でも無料でアクセスすることができるので、「おっ、ちょっとおもしろそう」と思ってもらえたら、それが自分のサービスを知る入り口になるんです。もし目先の利益だけにとらわれて全コンテンツを有料にしてクローズしてしまったら、どれだけ良いものをつくっても知ってもらう機会が減ってしまいます。そうすると、もし存在を知っていれば参加してくれていたかもしれない潜在顧客を切り捨ててしまうことになりますよね。
返報性の原理
次のステップは、チラシを見てくれた人に「え!こんなに良いコンテンツなのに無料なの!?」と思ってもらうこと。スーパーで試食をしたとき、「タダで食べさせてもらったのに、何も買わないのは悪いな」と思ったことはありませんか?
これは心理学では「返報性の原理」と呼ばれるもの。人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くような傾向を持っているんですね。
だからまずは無料コンテンツでこのオンラインツアーの存在を知ってもらって、「面白かったからもっと学びたい!」と思ってもらえればうれしいですし、返報性の原理そのままに「こんなに良いコンテンツを無料で提供してもらったんだから、なにかお返ししなきゃ!」と思ってツアーに参加してもらえたらベストですね(そんな上手いこといかないと思うけど……)。
なので無料コンテンツだからと言って手を抜かず、「めっちゃ勉強になった……!」と思ってもらえるようなものをつくっていきます。そしてオンラインツアーに参加してもらった暁には、そこでかけてくれた時間とお金を何倍にもして返せるようなものを用意しておくつもりです。
まとめ
ということでまとめると、
・コンテンツは一部無料で一般公開、一部有料で限定公開に
・有料メンバーには「知識をどう行動に活かすか」「考察や肌感覚」「リアルタイムの情報」「コミュニティ機能」「1対1面談」といった価値を提供
・無料コンテンツも長い目で見ると利益につながる
ってことですね(書くことで自分の脳内も整理してる)。
ゼロからイチを立ち上げてるところなので、すべてウンウン悩みながら決めています。でも、自分で仮説を立てて検証してっていう流れをアフリカでできるなんて、これほど恵まれた面白い環境はないなとも感じてます。
現在5月度は皆勤賞プラン20名、総勢36名・347コマという状況で、想像以上に申し込みいただいているところです。
みなさんに喜んでもらえるように丹精込めてコンテンツ準備しています。どこまでポジティブな結果を出せるか自分でも楽しみ。
仕事もバイトも勉強もできなくて、ただただ暇をつぶすしかないなんて人ばっかりになったらものすごい社会的損失です。こんなときだからこそ、誰かの力になりたい。
そしてこのルワンダとグローバルキャリアについて学ぶオンライン・スタディツアーが、サラリーマンと海外ボランティアとアフリカ起業家という道をたどってきた自分だからこそできる最高の形だと思っています。
この実験結果、また報告するのでお楽しみに!
↓オンライン・スタディツアーの詳細はこちら↓
オンライン・スタディツアー「START」