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アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、実はぼくも感染疑惑で3日間自主隔離を余儀なくされていました。
ぼくが住むルワンダでも空港が閉鎖されて鎖国状態になるなど、大きな影響が出ています。
これは間違いなく歴史に残るできごとになるので、いまルワンダで起こっていることを現地在住者・当事者になりかけた視点から記録しておきます。
【追記】
いちど接触した人に陽性反応が出て、ぼくも自主隔離をすることになりましたが、その本人やグループが悪いとは全く思っていません。誰でもそうなり得る状況でしたからね。。なのでもしこれを読んで気を悪くさせてしまったら申し訳ありませんが、批判する意図はいっさいないと補足させてもらいます。
もくじ
3月14日(土)
3月14日(土)、あるルワンダ短期滞在グループの勉強会にゲストとして呼ばれたので、お話に行きました。
首都キガリ、某ホテルのレストランにて数名で1時間半ほど楽しく対話。
この日にルワンダでも初めての新型コロナ感染者が発生。最初の感染者はインド人でした。
3月15日(日)
ルワンダでさらに4名(ルワンダ人3名、ウガンダ人1名)の感染が確認されました。これで合計5名。
3月16日(月)
ルワンダでも感染者が出たことで街の様子が変わっていないか気になったので、スーパーで買い占めが起こっていないかなど撮影してきました(YouTube動画↓)。
この日、ルワンダでさらに2名(ルワンダ人、ドイツ人)の感染が確認されました。これで合計7名。
このあたりで「(近隣国に比べて感染者が増えるスピード速くないか……?)」と焦りが出てきました。
南アフリカやセネガルではすでに数十名の感染者が確認されていましたが、その他の国ではまだ1〜2名だったので(下記ツイートのマップ参照)。
🌍#COVID19 cases in #Africa update.
(16/03/20) Benin, Liberia & Tanzania announce first confirmed cases of #coronavirus. pic.twitter.com/YYhhAfTWuq
— WHO African Region (@WHOAFRO) March 16, 2020
3月17日(火)
感染者と接触してた?
お昼の12時ごろ、土曜日に会ったグループの引率者から連絡が。
「先日お会いいただいたグループの中の◯◯さんにコロナの検査で陽性反応が出ました」と……!
えー!!完全に寝耳に水……!危惧してはいたけど、まさか身近なところから陽性反応が出るとは。。
具体的には
・陽性が出た人の体調は全然問題なし
・メンバーはみんな自主隔離中で、本日おそらくコロナの検査を全員する
・竹田まで検査が必要な場合は連絡するが、今のところそのような指示はなし
という連絡でした。
どうやって検査に至ったのか経緯を聞くと、
・日曜(2日前)にサファリに行った際に検温があり、37度で病院に連行された
・そこから念のため検査すると言われて今に至る
とのこと。
つまり
土曜日:ぼくがそのグループに会う
日曜日:グループがサファリに行った際に検温。ひとりが微熱だったため病院で検査
月曜日:検査結果待ち
火曜日:検査結果が判明。ぼくに連絡
という流れでした。
大使館からの電話
この後、在ルワンダ日本大使館から連絡があり、あらためての状況説明と、2週間自主隔離をすること(外出しない、家族と寝食を分けるなどできるかぎり接触しないこと)、114(ルワンダの保健省)に電話をして状況を報告し指示をあおぐことなどを伝えられました。
ちなみに「大使館から連絡」と聞くとたいそうなできごとのように聞こえますが、ルワンダは小さな国なので大使館の方々と在住者との交流の機会も日頃からあったりして、担任の先生から電話がかかってきたぐらいの感覚です。頼りになる人から目をかけてもらえて安心だなあ、みたいな。
ぼくが検査しなければいけないかどうかについては、「病院もすでにパンクしている可能性があるから、おそらく症状が出るまでは自主隔離だけで病院に行く必要はないだろう」とのこと。
イタリアや韓国では可能性の低い人まで検査して医療崩壊した、って話もありますからね。
ぼくが病院に行ったら本当に優先度の高い人が処置を受けられなくなってしまったり、本当は感染していなかったのに病院で感染してしまうという危険性も考えられます。
そこで大使館の方に言われたとおり、114(ルワンダの保健省)に電話をしてみることにしました。
保健省に電話
「いますぐ検査に来てください!」とか言われたらどうしよう、などとドキドキしつつ114をダイアル。
最初は女性が出ましたが、あまり英語が得意ではないのかうまくやり取りができず、しばらくするとハキハキ話す男性に代わりました。
そこで名前と一連のできごとを説明。一度ですべて理解してくれて(有能!)、「とりあえず3〜5日は自主隔離をして、もし症状が出たらすぐにこの番号に連絡してください。そのときは医療チームがご自宅から病院まで搬送にうかがいます」と教えてくれました。
大使館の方と話したときは「2週間の自主隔離」と言われていたので「長いなあ……」と思っていたのですが、保健省からは「3~5日」という指示だったのでちょっとだけ安心。
結果的に症状が出ることもなかったので見れなかったのですが、もし医療チームが我が家まで搬送に来たらどんな感じだったんだろう(好奇心)。。
スタディツアーの中断
じつは自分が主催するスタディツアーがこの日から開始予定だったのですが、それもできなくなってしまいました(後々それどころではない事態に発展したので、いずれにせよ中断はまぬがれませんでしたが)。
もともと予約があった11名からキャンセルが相次いだものの、最終的に参加表明してくださった方が2名。ひとりは前乗りしてすでにルワンダ入りしており、もうひとりはあと数時間後に飛行機でルワンダに到着するという最悪のタイミングでの自主隔離。。
ツアー催行を決定した時点では、統計から計算したところ「日本人が無自覚に新型コロナに感染している可能性は、乗っている飛行機が落ちる確率と同程度(0.0009%)」だったことなどから、予防策をしっかり講じれば問題ないだろうと踏んでいました。
ところが、落ちてしまいましたね。。飛行機。。自分のツアー参加者ではないところから陽性反応が出るところまでは想定外でした。。
ぼくは家から出られなくなってしまったので、友人のルワンダ人にツアー参加者の空港送迎を急遽お願いし、参加者2名が宿に着いた時点でZOOMにてツアーの中断とお詫び、コロナの現状とこれから起こりうることについて説明しました。
80%陽性?
この日のコロナ情報は特に注視していたのですが「ルワンダでさらに感染者1名(ブルンジ人)確認、合計8名に」ということで、ぼくが接触した人の情報は出ていませんでした。
夜にそのグループの引率者とやり取りしたところ、「陽性のメンバーは明日2回目の検査を受ける」「今はまだ80%陽性の状態で、明日のテストを受けて最終判断になるらしい」とのこと。
「80%陽性」……!なるほど。だから公式発表に出てなかったのか。
完全に陽性だと思っていたので、まだ陰性の可能性があることでひと安心。全然症状もなさそうだし、微熱で一応検査されただけだからきっと大丈夫だ……!
3月18日(水)
3月18日、ルワンダでさらに感染者3名確認、合計11名に。
そして現地滞在中の全外国人に衝撃の通達。
「キガリ発着のすべての商用旅客便は、3月21日から30日間停止(20日の23:59までは運行)」
1ヶ月の間は飛行機に乗れない、つまり実質閉じ込められるというかなり厳しい措置……!
個人的には「入国」を制限することはあっても、「出国」を制限することはないだろう(リスクのある人は早く国外に出したいだろう)とたかをくくっていたのですが、自国へのウイルス流入を遮断するとともに、他国に感染を拡大させないという決意の表れでしょうね。
ツアーは中断したもののルワンダにとどまっていたツアー参加者たちに、急いで飛行機を取ってくださいと連絡。宿にはほかにも日本人が何人かいたので、電話越しに軽くパニックになっているのがわかりました。
3月19日(木)
午前中に陽性反応が出たグループの引率者から「自主隔離していたメンバーは全員陰性でした」と連絡が。よかった……!
それなら接触頻度がすくなかったぼくも陰性の可能性が高いはず。
陽性反応が出た本人の2回目の検査結果は、この日の17時ごろに分かるとのこと。
この日、ルワンダで感染者が確認されてから初めて、新たな感染者が出ませんでした。良い流れ!
17時ごろに結果が出ると言われていた陽性疑惑の方に関しては、結局この日は連絡来ず。
3月20日(金)
朝方、陽性反応が出たグループの引率者から「陰性でした!」と連絡が。よかった!これにて自主隔離解除!
大使館からも自主隔離を解除して大丈夫だということ、万が一症状が出たらあらためて報告してください、という旨の連絡をすぐにいただきました。
大使館の方々もきっとてんやわんやだと思いますが、個別でも滞在者全体でも連絡をくださるのでとても安心感がありますね。こんな状況でも真摯に対応してくださる大使館のみなさんには本当に頭が下がります。
緊急帰国する人たちも
そしてぼくのお客さんも含めて、一部の人たちは緊急帰国の準備。
ただしこれがまた大変でした。
ネットで飛行機のチケットを取ってもすぐにキャンセルされてしまったり、価格が暴騰していたりしたので、空港や航空会社のオフィスに直接交渉に行く人も。
こういう緊急事態には予約が殺到してダブルブッキングになったりするから、ネット予約は当てにならないんですね。。
しかも刻一刻と空港封鎖や渡航制限を設ける国が出てきて、せっかくチケットを購入したのに発券されなかったという事態も発生。
緊急事態の飛行機予約における注意点
こんなことめったにないですが、今回学んだ「緊急事態の飛行機予約における注意点」をまとめておきます。
【緊急事態の飛行機予約における注意点】
・ネット予約だと連絡もなしに取り消されてしまう可能性もあるため、航空会社の窓口または航空会社と強いパイプのある旅行会社経由でチケットを予約する
(私のお客さんは日本人宿キセキオーナーの山田美緒さんと旅行会社Satguruに助けてもらいました。本当にありがとうございます……!)
・乗り継ぎする国の封鎖状態や渡航制限も随時チェックする
・万が一予約したルートがダメになった場合に備えて、第2・第3の選択肢も頭に入れておく
現時点(3月22日)でほとんどの人が無事日本にたどり着けたようですが、まだ乗り継ぎで奮闘中の方、ルワンダで次の機会を検討中の方もいらっしゃいます。無事にみんなが帰れますように。。
3月20日には、ルワンダでさらに感染者6名確認、計17名に。また一気に増えました。
3月21日(土)
この日は新たな感染者なし!0と1では安心感がだいぶ違いますね。これ以上感染が広がりませんように。
行動制限
そしてルワンダの首相府から外出自粛などの行動制限が出されました。
・3月21日,首相府は,コロナウイルスを抑制するために新措置を導入する必要があるとして,21日23時59分から,最初の期間として2週間,移動制限等の以下の措置が施行されます。また,警察当局等による違反者の取り締まりが行われます。
1 不必要な移動,外出は不許可とする。病院,食料品の買い物,銀行手続きその他必要な業務に従事する場合を除く。
2 銀行やATMを利用するのではなく,可能な限り電子マネーや,オンライン・バンキングを利用する。
3 すべての被雇用者(公務員・民間)のテレワークを推奨する。重要な業務に従事する場合を除く。
4 国境は閉鎖する。貨物,ルワンダに帰国するルワンダ人及び滞在許可を保有する者の入国は許可するも,指定された場所での14日間の隔離義務の対象となる。
5 都市間,区間の移動を禁止する。医療目的や必要な業務は除く。食料,生活必需品の運搬は継続する。
6 店,市場を閉鎖する。食料,薬品(薬局),衛生品,清掃用品,燃料及びその他必要な物品を扱う店以外を閉鎖する。
7 バイクタクシーを禁止する。デリバリーサービスの提供は許可する。都市間を繋ぐ公共交通機関に関しては,必要な移動にのみ運行可能とする。また,乗客同士の距離を少なくとも1メートル以上をあける。
8 全てのバーを閉鎖する。
9 レストラン及びカフェに関しては持ち帰り及びオンライン注文のみ可能とする。
10 地方政府及び警察当局がこれらの指示に従うよう取り締まりを行う。
不必要な外出は不許可、すべての被雇用者はテレワーク、国境は閉鎖、店・市場の閉鎖、飲食店はテイクアウトかオンライン注文のみ、などかなり厳しい措置です。
ぼくは妻といっしょにルワンダに残るので、これからすくなくとも30日は籠城することに。しっかり話し合って食材確保したりしなきゃ。
幸いほかにもこちらに残る日本人はたくさんいるので、メッセンジャーなどで連絡を取り合いながらなんとか乗り切っていきます。
最大限の予防を
こんな経緯でぼくのコロナ感染疑惑は解かれましたが、「万が一」は起こりうるものだということを学びました。
特に不安でドキドキしてたことがありまして……。
陽性反応が出たグループとの勉強会を終えた後、ホテルの出口に設置してあった手指消毒液を使おうと思ったんですが、押しても出てこなかったので「まあいっか」と思って消毒せずに帰っちゃったんです。
「〇〇さんから陽性反応が出ました」と連絡を受けた後、そのときのことを思い出して「(あのとき消毒できなかったから、もしかしたら感染してるかも……)」という不安が拭いきれませんでした。
いつもは手ピカジェルを携帯してこまめに消毒していたのに、「ホテルに消毒液あるから大丈夫」と思って、よりによってそのときだけ持っていなくて消毒できなかったんですよね。だから余計心配になってしまいました。
みなさんも感染する可能性は決して高くないとは言え、常に万全を期していればいざという時でも「しっかり予防してたから大丈夫」と自信をもつことができます。なので、日頃から予防を徹底しておくと良いですよ、というのが当事者になりかけた人間から伝えたいことでした……!
みんなでこの非常事態を乗り切りましょう。
ルワンダの状況は逐次こちらのページに更新中↓
ルワンダにおける新型コロナウイルスの状況 | Rwanda note
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