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タケダノリヒロ( @NoReHero)
「自分にしかできないことをやりたい」
そう思ったことはありませんか?
若者に大人気の歌手、あいみょんもこんなツイートをしていました。
自分にしかできないことやりたいず
— あいみょん (@aimyonGtter) 2018年12月13日
かくいうわたしも「やりたいず」です。自分にしかできないことをやりたいと思って、アフリカのルワンダまで来てしまいました。
これは先日わたしが投稿したツイートです。
東大に落ちて、浪人はせず私立に行ったからか、たまに東大を目指す夢を見る🏫
いま思えば「日本でいちばん難しい大学に入った」っていう称号がほしかっただけなのかも。
大人になって、世の中にはもっと難しいことがたくさんあるって知った🌍
自分にしか解けない問題に挑みたい。
— タケダノリヒロ🇷🇼アフリカノオト代表 (@NoReHero) 2018年12月12日
東大に落ちたことはくやしかったけども、いま思えば日本でいちばん難しいとされる東大の入試問題も、勉強さえがんばれば誰にでも解けるんですよね。
でも、世の中にはもっと難しい問題がたくさんあります。そして、誰にでも解ける問題だったら自分がやる必要はありません。
せっかく生まれてきたからには、自分にしか解けない問題に挑みたいんです。それがわたしにとって、「自分にしかできないことをやる」ということ。
では。
そもそもなぜ、人は「自分にしかできないことをやりたい」と望むのでしょうか?
そして、どうすればその望みを叶えることができるのでしょうか?
そんなことを考えてみました。
自分にしかできないことをやりたい=自己実現欲求
なぜ人は「自分にしかできないことをやりたい」と望むのか。
それは自己啓発本などでよく出てくる「マズローの欲求5段階説」で説明ができます。
アメリカの心理学者・マズローさんは、人間の欲求を ①生理的欲求、②安全の欲求、③所属と愛の欲求、④承認の欲求、⑤自己実現の5段階に分類したのです。
そしてこの5つの欲求のいちばん上にあるのが「自己実現の欲求」なんですね。
「自己実現」とはどういうことかというと、マズローさんはこのように解説しています。
自分自身、最高に平穏であろうとするなら、音楽家は音楽をつくり、美術家は絵を描き、詩人は詩を書いていなければいけない。人は、自分がなりうるものにならなければいけない。人は、自分自身の本性に忠実でなければならない。このような欲求を、自己実現の欲求と呼ぶことができるであろう。
出典「人間性の心理学」
「人は、自分がなりうるものにならなければいけない。人は、自分自身の本性に忠実でなければならない」
つまり、自己実現の欲求とは、「自分がなるべき姿になりたい」「理想の自分になりたい」という欲望のことだと解釈できますね。
ほかの誰でもなく、自分だからこそできることを成し遂げたい。その想いは、音楽家が音楽をつくり、美術家が絵を描くことに似ています。
だから、「自分にしかできないことをやりたい」という願望は、「自己実現」の欲求だと言い換えることができるのではないでしょうか。
そしてそれは、人間の欲求のなかでも最上位のものなのです。だから「自分にしかできないことをやりたい」と思う気持ちは、人として自然なものなのかもしれませんね。
超越的な自己実現に必要な「至高体験」
マズローのこの説は「欲求5段階説」と言われていますが、じつは自己実現欲求よりさらに上の概念があるのです。
それが「”超越的な”自己実現欲求」と呼ばれるもの(わりとそのままのネーミング)。
”超越的”であるかそうでないかの違いは、「至高体験」の有無で決まります。
至高体験とは、注意を完全に保持するに足るような興味深い事柄に魅惑させられ、熱中し夢中になること。
自己実現はしているけれど、「至高体験」がなければ最大限幸せになることはできないということなんですね。
生活の一つ一つの細部に深く沈潜する
では、どうすれば熱中し、夢中になれるのでしょうか?
「至高体験」とよく似たような概念に「フロー体験」というものがあります。「ゾーンに入る」なんて言い方もありますね。
この「フロー体験」を提唱しているミハイ・チクセントミハイのことばに、ものごとに没頭するためのヒントがありました。
我々は幸福を直接探そうとすることによってではなく、良きにつけ悪しきにつけ、自分の生活の一つ一つの細部に深く沈潜することによって幸福になるのである。
「自分の生活の一つ一つの細部に深く沈潜する」
「沈潜する」とは、心を落ち着けて深く考えたり、深く没入したりすること。ポイントは「生活の一つ一つの細部に」と書かれている点。
たとえば高い山に登ろうとしたとき、つい頂上のことばかり見てしまいそうですが、実際に登るためには足もとに視点を落として、一歩一歩着実に踏みしめていかなければ山頂までたどり着くことはできません。
それと同じように、なにか大きなものごとに取り組むときにも、日々の「すべきこと」ひとつひとつに集中することが大事なんですね。
結局は目の前にあるこまかな作業を丁寧にやっていくことが至高体験(夢中になること)につながり、それによって超越的な自己実現(最大限に幸せを感じられる)に至ることができるというわけです。
もちろんこれに加えて、 生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求という、下位の欲求を満たすことも必要ですが。
まとめ
まとめます!
・「自分にしかできないことをやりたい」という気持ちは、人間として自然な欲求
・その欲求は「自己実現欲求」と考えられる
・「自己実現欲求」の上位には「超越的な自己実現欲求」がある
・「超越的な自己実現欲求」に至るには「至高体験」が必要
・「至高体験」とは、なにかに熱中し夢中になること
・なにかに没頭するには、生活のひとつひとつの細部に深く沈潜すること
先日「夢を叶えた、その先に~「夢ロス」の乗り越え方~」なんて記事を書いたとおり、しばらく目標を見失い気味でした。
ルワンダに来て、念願だったスタディツアーなどのサービスを立ち上げ、日本からたくさんのお客さんに来てもらいました。ある意味夢が叶ったはずだったんですが、むしろ虚無感のようなものを感じていたんです。いわゆる「燃え尽き症候群」のようなものなのかも。
それからすこし落ち着いて、今回「自分にしかできないことをやりたい」という気持ちと向き合ってみたことで、これが自己実現の欲求だったんだと知ることができました。すこしスッキリした気分。
そして、やるべきことをひとつずつ丁寧にクリアしていくことで、最上位の「超越的な自己実現」に到達することができるんだとわかり、これから進むべき方向もはっきりしてきました。
日々の「すべきこと」をおろそかにせず、自分にしか解けない問題に挑んでいきましょう。
【参考】
マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル? | 自分コンパス
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