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タケダノリヒロ( @NoReHero)
男性のみなさん、女性と食事デートをするとき、お会計はすべて自分で支払いますか?それとも割り勘にしますか?
ふと「女性には男がおごるべき」っていう風潮を不思議に思ったので、改めて考えてみました。「平等」と「公平」って違うよね、というお話と、複数人で食事したときにみんながハッピーになれる魔法のようなお会計方法について。
もくじ
デートで割り勘が当たり前だった男の心理変化
私はついこの間まで彼女との食事は「完全割り勘」でした(共通の財布を作って数万円ずつ入れ、そこから捻出する支払方法)。割り勘にしていた最大の要因は収入が同程度だったこと。
しかし今年以降、私が少し多めに出すスタイルに変わりつつあります。それはお互い海外から日本に帰ってきて、収入に変化があったから。
帰国直後でふたりとも職探し中&起業準備中(またの名を無職)なのですが、私はブログやライターのお仕事で多少収入があるので、夕食代を私が払うと昼食代は彼女が払ってくれるという形になってきています(厳密なルールは決めてません)。
※今年1月頭までいたルワンダに、夏ごろ戻って起業します。そんな冒険に彼女も付き合ってくれることになっているため、彼女はいまから日本で働こうと思っても数か月しか働けず、気軽に就職するわけにはいかないという特殊な状況です。私と付き合ってなかったら、彼女も同世代の女性たちと同じように働いて、同じくらい自由にお金を使えてたはず。感謝しないと。。
私はもともと「男女平等がカッコいい」と思っていました。だから「男性が外で稼いで女性が家事・育児をする」なんて役割分担は古臭いと感じていましたし、「男だからと言って女性におごるのもなんだか偉そう」と感じて、あまり好きではありませんでした。
そのため帰国してからもしばらくは以前の「完全割り勘スタイル」でいいかなと思っていたのですが、あるとき彼女からふと「ノリくんはブログで稼げてるよね」と言われて「これは不公平だな」と啓蒙され(手のひらで転がされ)、いまのスタイルに変わってきています。
「平等」より「公平」であるべき
この時に気づいたことがあります。それは、人間関係において大事なのは「平等」よりも「公平」であること。
「平等」と「公平」の違い
それを分かりやすく表しているのがこの図です。有名なので目にしたことがある方も多いかも。
3人の子どもに同じ高さの箱を「平等」に1つずつ渡すと、背の低い子どもは壁の向こうが見えなくなってしまいます。そこで、大きい子どもには箱をあげず、中くらいの子どもに1つ、小さい子どもに2つあげることで全員が野球を楽しむことができるようになる。これが「公平」ということですね。
ちなみに「平等」「公平」「公正」には、類語例解辞典によるとこんな違いがあります。
【1】「公平」は、判断や行動が偏っていないこと。一方「公正」は、「公平」で、かつ正しいことをいい、正当性をはっきりさせたいような場合に用いられる。
【2】「平等」は、差別がないこと、一様に等しいことを表わす場合に使われるが、法律や理念などのレベルでよく用いられる。
引用:goo
「公正」の「正しい」という概念が入ると複雑になるので、ここでは「公平(偏りがないこと)」と「平等(一様に等しいこと)」を用いています。
男女関係の「平等」と「公平」
男女関係も「平等」ではなく「公平」であるべきですよね。
前述の「子どもの背の高さ」を「収入」に置き換えて考えてみましょう。
日本の女性の平均賃金は、男性の73%しかありません(2016年 厚生労働省調べ 出典:日本経済新聞)。
20年前は60%程度だったので以前より女性の賃金は改善しています。2012年入社だった私のまわりでは、男性と同じく総合職で男性と変わらない収入を得ている女性の方が多いので、賃金の差を意識することはあまりありませんでした。
だから若者よりも年配世代に「男が支払うべき」という風潮が強いのかもしれません。それにしても、いまでも女性の賃金が男性の7割というのは想像以上の低さです。。
これを踏まえると、こんなふうに考えられます。
「男の方が一般的に賃金が高い傾向にある。だから公平を期すために男が支払いをするべき」
「なんで『男が支払いをすべき』なんで風潮があるんだろう」とモヤモヤしてたんですが、これで納得。
特に最初のデートなど、相手の懐事情がよく分からないときは男性が支払いをしたほうが、「不公平」になる確率を下げられるんですね。
女性の方が明らかに役職や年齢が上であるときは女性がおごる、彼氏の方が明らかに収入が高い場合には彼氏がおごる、など状況に応じて「公平」な関係性をつくりたいものです。
あとは女性の方がメイクやファッションにお金がかかるもの(もちろん男性にも自分磨きにお金をかけてる人はたくさんいますが)。
「女性はいろいろお金がかかるんだから、ここは出させてよ」と言える余裕のある大人でありたいですね。
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割り勘より科学的にハッピーなのは「おごりローテ」
最後に、恋愛関係だけでなく複数人で食事をするときに使えるお会計テクニックをご紹介します。
だいぶ古くなってしまいましたが、超有名な行動経済学の本『予想どおりに不合理』に載っているお話です。
お金を払うとき、金額に関係なくなんらかの精神的な痛みを感じることを社会科学では「出費の痛み」と言います。
「出費の痛み」の特徴はふたつ。①何も支払わないとき(だれかがおごってくれるとき)は、なんの出費の痛みもない。②支払う金額にわりあい鈍感。
②の特徴を「感応度の逓減(ていげん)性」と呼びます。
ことばは難しいですが、最初に1ドル払うときの痛みがいちばん大きくて、一旦払ってしまえばあとのダメージは徐々に少なくなるということです(グラフは適当)。
空のリュックに石を入れられたら重く感じますが、もともと石が入っているところに追加されてもあまり重く感じませんよね。
これは支払いにおいても同じ。痛みの指数を「痛(ツウ)」という単位で表すと、
・1万円の食事を4人で割ったら
→ひとり2500円ずつ。ひとり10痛ずつで計40痛。
・1万円(4人分)をひとりで払ったら
→最初の2500円分が10痛、次の2500円分が7痛、次が5痛、最後が3痛。計25痛。(※感応度の逓減性で痛みは徐々に減る)
と、ひとりが全部おごる場合の方が全体の痛みを減らすことができます。
なので、全体の幸福度を高めるには割り勘にするよりも「今日は私が払うから、今度はほかの人が払ってね」と全おごり+持ち回り制の「おごりローテ」にする方法が一番だと考えられますね。
私の場合は夕食の支払いを自分が、昼食は彼女が、と自然と「おごりローテ」になっていました。たしかにせこせこと財布から小銭を出し合うより、スパッとひとりでまとめて払う方が気持ちいい気もします。
割り勘に違和感を感じていた方はお試しあれ。
※「出費の痛み」や「感応度の逓減性」、全おごり+持ち回りの方が全体の幸福度が高まるという主張は『予想どおりに不合理』に掲載されていたものを参考にしましたが、「おごりローテ」ということばは私が勝手に呼んでいるだけで、本を書いたダン・アリエリーさんが提唱しているわけではありません。
ということでまとめ。
・人間関係、恋愛関係において「平等」よりも大事なのは「公平」であること。
・「男が支払うべき」という風潮があるのは、もともと女性の方が賃金が低い傾向にあったから。その差が縮まっているため若者ほど「不公平感」に気付きづらいが、実際にはまだまだ男性の平均収入の方が高い。よって、一般的に男性が支払いをした方が不公平になりにくい。
・支払いは割り勘にするよりも「おごりローテ」にした方が全体の「出費の痛み」が少なくなる。
というお話でした!お金はたかがお金。良好な人間関係を保つために、上手に使いたいものですね。
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「結婚って何?」と思ったので調べてみました。
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