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明治時代に『学問のすすめ』と並んで日本でも大ベストセラーとなった、サミュエル・スマイルズの『自助論』。
アダム・スミスやニュートン、シェークスピアなど300人以上の欧米人の成功談を集めた自己啓発書です。
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サッカー選手だけではなく、経営者・教育者としての顔も併せ持つ本田圭佑選手も絶賛していたこの本。
要約、名言、個人的な感想をまとめました。
もくじ
- 1 サミュエルスマイルズ 自助論とは
- 2 『自助論』目次
- 2.1 1章《自助の精神》人生を自分の手で開く楽しみを知る
- 2.2 2章《忍耐》たったこれだけで努力が苦でなくなる!
- 2.3 3章《好機を確実に生かす》この「改善」の手が、いま打てるか!
- 2.4 4章《仕事》いつも最高の成果を生むための基本原則
- 2.5 5章《意志と活力》「使命感」が人の器を何倍にも大きくする
- 2.6 6章《時間の知恵》成功者はみな この「実務能力」を生かしている!
- 2.7 7章《金の知恵》〝楽するため〟にはこの汗をかけ!
- 2.8 8章《自己修養》頭脳と心・体の、効率よく痛快な鍛え方
- 2.9 9章《出会い》人生の師・人生の友・人生の書を持っているか
- 2.10 10章《信頼される人》人望・人格の力は一生通用する最高の宝だ!
- 3 『自助論』名言・感想
- 4 本田圭佑も絶賛!?
- 5 『自助論』感想
サミュエルスマイルズ 自助論とは
『自助論』とは、イギリスの作家・医者であるサミュエル・スマイルズが1859年に発行した成功伝集です。
とくに有名なのが、序文のこのことば。
天は自ら助くる者を助く
Heaven helps those who help themselves
私も中学か高校の英語の授業で、この例文を聞いた記憶があります。
この「自分で自分を助けよう、向上させようとする精神こそ、もっとも重要なものだ」という考え方が本書では貫かれており、それを補足するためにさまざまな偉人の成功談が引用されています。
明治時代には『西国立志編』として日本でも大ベストセラーとなり、100万部以上が発行。福沢諭吉の『学問のすすめ』とならんで読まれ、一時は学校の教科書としても導入されていました。
参考:Wikipedia
福沢諭吉『学問のすすめ』要約・現代語訳・感想~こども向け解説~
『自助論』目次
では、具体的にどんな内容が書いてあるのか、目次を見てみましょう。
1章《自助の精神》人生を自分の手で開く楽しみを知る
1 まず今日、自分の「変革」に手をつける
2 「努力はとぎれることなく引き継がれる」
3 人間の優劣を決める精一杯の努力
4 人生に退屈な時間などない
2章《忍耐》たったこれだけで努力が苦でなくなる!
1 常識に明るく、辛抱強い人間になること
2 人生の九割は〝快活な精神と勤勉〟で決まる
3 逆境を逆境としない生き方
4 勝負のカギとなる「持続力」
3章《好機を確実に生かす》この「改善」の手が、いま打てるか!
1 「ひらめき」の秘密 〝ささいなこと〟にも手を抜かない
2 賢者の目は頭の中にある
3 〝ひとり歩きできる人〟に与えられる勝機
4 幸運は手の届くところで待っている
5 「信念」は努力を無駄にさせない
4章《仕事》いつも最高の成果を生むための基本原則
1 「何かに打ち込める人」が持つ共通の目的
2 「自分に打ち勝つ力」をしっかり植えつける法
5章《意志と活力》「使命感」が人の器を何倍にも大きくする
1 道がなければ道をつくる
2 自分の行き先を方向づける「意志の力」
3 心にしみるのは〝真実の言葉〟だけ
4 「真の誠実」は何にも優る力になる
5 〝旺盛な活力〟と〝不屈の意志〟の表現法
6章《時間の知恵》成功者はみな この「実務能力」を生かしている!
1 ビジネスの手腕にも秀でた〝天才〟たち
2 「満たされた生活」がもたらす脅威
3 ビジネスを成功させる六大原則
4 ウェリントンを大将軍にした「実務能力」
5 〝正直〟はいつでも最良の策
7章《金の知恵》〝楽するため〟にはこの汗をかけ!
1 金は〝人格〟をもって扱え
2 「貯蓄」は心の砦になる
3 人生の転機に絶対に身を誤まらない法
4 金を一銭も腐らせないためにはこの知恵がいる
8章《自己修養》頭脳と心・体の、効率よく痛快な鍛え方
1 〝自学自習〟で勝ち取った知識ほど応用の利くものはない
2 鉄は〝熱くなるまで〟打て
3 「真の知識」と「にせの知識」を混同するな
4 自分の才能を最大限に生かす絶対法則
5 「大器晩成」の先人から学ぶポイント
9章《出会い》人生の師・人生の友・人生の書を持っているか
1 いま、自分の周囲に何があるか
2 〝よい忠告〟よりも〝よい手本〟を探しなさい
3 自分を燃え上がらせる〝熱源〟を持つ
10章《信頼される人》人望・人格の力は一生通用する最高の宝だ!
1 〝いざという時〟に困らない絶対的な力
2 理想に現実を重ね合わせる努力をしているか
3 礼儀作法には金がかからない。しかも礼をつくすだけで何でも手に入る
4 真の人格者を知る〝ものさし
「知的生きかた文庫」の現代語訳では、10章に分けられ、このような見出しが付いています。
各章は独立しているので、そのときの気分によって好きな見出しを選んで好きなところだけ読むのもいいかもしれませんね。
『自助論』名言・感想
本書のなかから印象深かった名言を一部紹介します。
生き方
道をつくる
古代スカンジナビア人の紋章には、ツルハシでこんなことばが刻まれています。
われは道を探す。道なくば道をつくる。
― 古代スカンジナビア人の紋章
解決方法を探しても見つからなければ、自分自身でその道を切り開いていくような姿勢と行動力をもっていきたいものですね。
成功に必要なのは才能ではなく決意
どんな分野であれ、成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ。あくまで精一杯努力しようとする意志の力だ。この意味で、活力とは人間の性格の中心をなす力であり、つまるところ人間それ自身であるといえよう。
― スマイルズ
スマイルズは、人間は活力によって行動を起こし、精魂込めた努力を始められると語っています。
才能ではなく決意。努力しようとする意志の力が大事なんですね。
自分自身を動かせ
世界を動かそうと思ったら、まず自分自身を動かせ
― ソクラテス
スマイルズは、「人は自らの非を直すより隣人の非をあげつらうほうが、よほど好みに合っているようである」と補足しています。
なにか問題があると、つい環境や他人のせいにしてしまいがちですが、それを変えたければ自分自身を動かすことが重要なんですね。
顔を上げ、高く飛ぼう
顔を高く上げようとしない若者は、いつしか足もとばかり眺めて生きるようになるだろう。
空高く飛ぼうとしない精神は、地べたをはいつくばる運命をたどるだろう。
― ディズレーリ(政治家)
スマイルズはこれについて、「最高の成果を求めようと努力すれば、誰でも最初の出発点よりはるかに前進できるはずだ」と書いています。
はたらき方
ひとつの仕事に集中
一度に一つの仕事しかしない人間のほうが、むしろ誰よりも多くの仕事をする
― イグナチウス・ロヨラ
あれこれと手を広げすぎると、集中力を欠き、うだつのあがらない仕事をするクセが身についてしまいます。
近年では「マルチタスク」とも呼ばれますが、これは昔から言われていた悪習だったんですね。
打ち込める幸せ
何かに打ちこんでいるほど幸せなことはない
― グレイ(詩人)
なにかに没頭していたら、いつの間にか時間が経っていてものすごく集中していたという経験は誰にでもありますよね。いわゆる「フロー状態」。
こうやって打ち込めることがなによりも幸せなことだと詩人のグレーは語っています。
礼儀・マナー
礼儀作法には金がかからない。しかも礼をつくすだけで何でも手に入る
― モンタギュー婦人
マナーは行動を引き立てるアクセサリーのようなものだ。
― スマイルズ
本書では礼儀やマナーの重要性にも触れられています。
そういえば、芸人のカズレーザーさんが「言葉づかいはお金のかからない最高のオシャレだから」と言っていたそうですね(Twitter情報なので真偽の程は不明)
礼儀作法やマナーがしっかりしている人には好感がもてるもの。その重要性はスマイルズの時代から変わらないんですね。
本田圭佑も絶賛!?
本書『自助論』は著名人でも勧めている人が多く、サッカーの本田圭佑選手もそのひとりです。
本田選手のインタビューをまとめた『直撃 本田圭佑』という本で、つぎのように紹介されています。
「サミュエル・スマイルズっていう作家を知ってます? 彼が書いた『自助論』という作品。最近読んだ中では、一番良かったかな」
(中略)
「題名どおり、自分を助けるっていうことを唱えている本。要は自分を助けることができるのは自分だけだと。すっごくいいよ」
ちょっと冗談っぽく本田は言った。 「もし原稿の最後に2行くらい余ったら、マコ(長谷部誠)やユウトの本もいいけど、『自助論』もいいよって書いておいてよ」
引用:直撃 本田圭佑(文春E-BOOK)
長谷部選手や長友選手を引き合いに出しながら『自助論』を勧めているのがいかにも本田選手らしいですね。
「自分を助けることができるのは自分だけ」という自助の精神が、ストイックに自分を高める本田選手の哲学の共感を得たようです。
インタビュー本『直撃 本田圭佑』名言&今からできるメンタル術!
『自助論』感想
最後に個人的な感想を書いておくと、いちばんは「スマイルズすげえな」のひとことに尽きます。
それぐらいものすごい数の偉人エピソードが引用されています(300以上)。当然ネットなんかなかった時代なので、これだけの情報を収集するには大層な努力が必要だったはず。
これだけの成功談を現代にも残してくれたスマイルズに感謝ですね。
ただ、「名言や成功談の寄せ集め」という印象も否めません。ひとつひとつのエピソードがそこまで深掘りされているわけでもないので、さらっと読み終わってしまう印象すらあります。
とは言え、その時々で自分の置かれた状況や抱える問題は異なりますよね。
その時々で「なにかヒントになることばやエピソードがないかな」と、本書を手にとって目次を眺めてみるとなにか解決の糸口が見つかるかもしれません。
偉大な先人たちの経験を糧にしながら幸せな人生を生きていくために、手元に置いておきたい一冊です。
『自助論』をAudible(アマゾン運営の朗読サービス)で聴く(1冊目無料!)
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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福沢諭吉『学問のすすめ』要約・現代語訳・感想~こども向け解説~
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