『日本3.0 2020年の人生戦略』要約・感想・未来を考える本110冊

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【2017/02/21 更新】

NewsPicks編集長の佐々木紀彦さんが書いた『日本3.0 2020年の人生戦略』を読みました。
日本3.0 2020年の人生戦略 (幻冬舎単行本)
最近やたらと「人生戦略」と名のつく本を読んでます(AI時代の人生戦略 『STEAM』が最強の武器である」、「ワーキングカップルの人生戦略 – 2人が『最高のチーム』になる)。

自分としても将来について考えなきゃいけない時期なのは確かなんですが、社会も大きな変革の時期を迎えてるんですね。

これから日本にはどんな変化が起こるのか。そのためにぼくらはどう変わらなきゃいけないのか。

不安もありつつワクワクしながら読めました。おすすめ。

日本3.0とは 要約

タイトルにある「日本3.0」とはどういうことなのでしょうか。

日本にはこれまで2回の大きな社会変革(=”ガラガラポン”)がありました。

第一のガラガラポンが明治維新。第二のガラガラポンが敗戦。

そして、これらに匹敵する大きな変化、第三のガラガラポンが2020年前後にやってくるというのが「日本3.0」の言わんとするところです。

4つの節目

「なんで大きな変化が起きるのが2020年前後?」って思いますよね。

2020年にはターニングポイントとなる4つの節目があります。

それが、

東京五輪、安倍政権の終わり、東京の人口減少、団塊世代の引退

安倍首相は任期を延長して、2021年まで続投可能に。

東京の人口は2025年をピークに減少する見込みです。東京は50代中心の都市になり、人口減少と老いが日本の意識を変えると考えられています。

また東京五輪は団塊世代の卒業式となり、戦後日本の象徴であった世代が完全に引退する節目に。

10のファクター

では、なぜ「第三のガラガラポン」は起きるのでしょうか?

これには、以下の10ファクターが複合的に絡み合って起こると考えられています。

(1)年功序列の終わり
(2)正社員と非正規社員の格差解消
(3)男女逆転(おじさんが既得権を失い、女性の出世争いが加熱)
(4)外国人労働者の登用 (高度人材の獲得)
(5)難民 (北朝鮮と中国から)
(6)業界再編・伝統企業の倒産
(7)スタートアップの興隆 (大企業や海外企業の力を借りながら)
(8)第4次産業革命(AI、ロボット、IoT、ビッグデータ)
(9)交通革命 (リニア中央新幹線、羽田空港国際ハブ化)
(10)グローバル化(TPPなど)

5つの社会変動

これらの10ファクター以外にも、ガラガラポンにつながる可能性があるのが「5つの社会変動」。

財政破綻、政界再編、戦争・紛争、自然災害、天皇の生前退位

2つ目の政界再編に関して、2021年まで続くと考えられる安倍政権の後を担う人材として、小泉進次郎氏が挙げられています。日本政府の若返りはあるんでしょうか。

本書では、この「第三のガラガラポン」によって変わっていく日本を、国家、経済、仕事、教育、リーダーの面で予測し、ぼくらのあるべき姿を提示してくれています。

『日本3.0』感想

維新の志士たちは若かった

読んでいて「おっ」と思うところがいくつもあったんですが、いちばんインパクトがあったのが、明治維新で活躍した偉人たちの若さ

1867年の大政奉還時、維新十傑の年齢

西郷隆盛:39歳
大久保利通:37歳
木戸孝允:34歳
小松帯刀:32歳
江藤新平:33歳
横井小楠:58歳
岩倉具視:42歳
広沢真臣:33歳
大村益次郎:53歳
前原一誠:33歳

10人中7人が30代なんですね。

さらに、若くして海外に飛び立った次の世代。留学生としてロンドンに留学し、帰国後各分野でリーダーとなりました。下記は留学時の年齢。

【長州五傑】

伊藤博文(22歳):内閣の父
井上馨(27歳):外交の父
遠藤謹助(27歳):造幣の父
山尾庸三(26歳):工学の父
井上勝(20歳): 鉄道の父

【薩摩藩遣英使節団】

森有礼(18歳):外交官、政治家。明治六大教育家
五代友厚(29歳):近代大阪経済の父

ぼくはもうすぐ28になるので、ほぼみんな年下です。

歴史をつくってきた人たちは若くして頭角を現してたんですね。年齢や経験を言い訳にせずにチャレンジしなきゃ。

教養を高めよう

著者の佐々木さんは、スタンフォード大学大学院に留学したとき、「教養」の欠如を痛感したそうです。

プラトン、アリストテレスなどの哲学書やルソー、ロックなどの政治思想書を読んだこともなければ、シェークスピア、ドストエフスキーなどの文学も読んだことがない。

かといって、日本人らしい教養、たとえば、『古今和歌集』や『枕草子』や『源氏物語』に通暁しているわけでも、谷崎潤一郎、三島由紀夫を愛読しているわけでも、茶道、書道、歌舞伎といった伝統文化に造詣が深いわけでもない。自分が教養の欠片もない人間だという現実を見せつけられました。

これはものすごく共感できました。

ぼくは大学時代にアイルランドに1年留学し、いまルワンダで1年過ごしたところですが、「日本のこと教えてよ!」と言われるたびに、いかに自分が「日本人らしい教養」を備えていないかを痛感しています。

で、そう思ってきたにもかかわらず、そこそこの努力しかしてこなかったんですね。

日本に帰るまで残り1年。時間の融通が効くいまのうちに、たくさん本を読んで教養を高めます。

オススメ本110冊

ということで、本書で紹介されていた本をすべてまとめました。一部かぶってるのもあるけど、全部で110冊!

テーマ別になってるので、気になるところから読んでいきましょう。たくさんあるので本ページをPocketにでも保存しとくと良いかと。

※画像ありがKindle版、画像なしが書籍版です。(Embedlyで埋め込むとなぜか書籍の画像がうまく表示されない)

日本3.0の始まりを考えるための10冊の本

現代語訳 学問のすすめ (ちくま新書) | 福澤諭吉, 斎藤孝 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

現代語訳 福澤諭吉幕末・維新論集 (ちくま新書) | 福沢諭吉, 山本博文 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

猪瀬直樹『天皇の影法師』中公文庫

野口悠紀雄『戦後日本経済史』新潮選書

ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』岩波書店

Amazon.co.jp: 陸奥宗光とその時代 (PHP文庫) eBook: 岡崎 久彦: Kindleストア

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー 671) | 半藤 一利 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon

それでも、日本人は「戦争」を選んだ | 加藤 陽子 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: 「明治」という国家 eBook: 司馬 遼太郎: Kindleストア

竹内洋「『第三のガラガラポン革命』が起こる周期」

国家の未来を考えるための10冊の本

チャールズ・カプチャン『ポスト西洋世界はどこに向かうのか』勁草書房

宇野重規『保守主義とは何か』中公新書

問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論 (文春新書)

Amazon.co.jp: [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき eBook: エドマンド・バーク, 佐藤 健志: Kindleストア

村上泰亮『反古典の政治経済学』

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫) | 東浩紀 | Kindle本 | Kindleストア | Amazon

乱流 米中日安全保障三国志 | 秋田浩之 | 政治 | Kindleストア | Amazon

権力の終焉 | モイセス ナイム, 加藤 万里子 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: 人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫) eBook: ルソー, 中山 元: Kindleストア

リヴァイアサンI (中公クラシックス) | ホッブズ, 永井道雄, 上田邦義 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

経済の未来を考えるための10冊の本

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか | ピーター・ティール, ブレイク・マスターズ, 関 美和, 瀧本 哲史 | 産業研究 | Kindleストア | Amazon

タイラー・コーエン『大格差』NTT出版

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 | ジム コリンズ, 山岡 洋一 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

クオリティ国家という戦略 これが日本の生きる道 | 大前研一 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: スタートアップ! eBook: リード ホフマン, ベン カスノーカ, 有賀 裕子, 伊藤 穣一(序文): Kindleストア

第五の権力 | エリック・シュミット, ジャレッド・コーエン, 櫻井 祐子 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書) | 冨山 和彦 | 国際ビジネス | Kindleストア | Amazon

吉川洋『人口と日本経済』中公新書

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書) | 松尾 豊 | 工学 | Kindleストア | Amazon

世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア | 入山章栄 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

仕事の未来を考えるための10冊の本

How Google Works

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える | ラズロ・ボック, 鬼澤 忍, 矢羽野 薫 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

ALLIANCE アライアンス | リード・ホフマン, ベン・カスノーカ, クリス・イェ, 篠田 真貴子, 倉田 幸信 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: ピクサー流 創造するちから eBook: Ed Catmull, Amy Wallace, 石原 薫: Kindleストア

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 | ダニエル・ピンク, 大前 研一 |本 | 通販 | Amazon

Amazon.co.jp: 有名企業からの脱出 あなたの仕事人生が〝手遅れ〟になる前に (幻冬舎単行本) eBook: 冨山和彦: Kindleストア

Amazon.co.jp: 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法 eBook: 藤原 和博: Kindleストア

抜擢される人の人脈力―早回しで成長する人のセオリー | 岡島 悦子 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

福田和也『価値ある人生のために』飛鳥新社

Amazon.co.jp: 一生を賭ける仕事の見つけ方 eBook: 斎藤 祐馬: Kindleストア

スタンフォード大生が読む教養書50冊


画像引用元:日本3.0 2020年の人生戦略

教育の未来を考えるための10冊の本

福沢諭吉『現代語訳 文明論之概略』慶應義塾大学出版会

西郷隆盛「南洲翁遺訓」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) | 西郷 隆盛, 猪飼 隆明 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

松本彦三郎『郷中教育の研究』大和学芸図書

秦郁彦『旧制高校物語』文春新書

学ぶとはどういうことか | 佐々木毅 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫) | プラトン, 納富 信留 | ギリシャ・ラテンの小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

Amazon.co.jp: 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫) eBook: カント, 中山 元: Kindleストア

Amazon.co.jp: 自由論 (光文社古典新訳文庫) eBook: ミル, 斉藤 悦則: Kindleストア

アリストテレス『ニコマコス倫理学』岩波文庫

プラトン『国家』岩波文庫

リーダーの未来を考えるための10冊の本

村上泰亮、公文俊平、佐藤誠三郎『文明としてのイエ社会』中央公論社

代表的日本人 (岩波文庫) | 内村 鑑三, 鈴木 範久 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon

イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル Harvard Business School Press | Clayton M. Christensen, Hal Gregersen, Jeffrey Dyer, 櫻井 祐子 | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon

メノン~徳(アレテー)について~ (光文社古典新訳文庫) | プラトン, 渡辺 邦夫 | ギリシャ・ラテンの小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

プロタゴラス~あるソフィストとの対話~ (光文社古典新訳文庫) | プラトン, 中澤 務 | ギリシャ・ラテンの小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

アリストテレス『弁論術』岩波文庫

キケロ『弁論家について』岩波文庫

ドラッカー名著集8 ポスト資本主義社会 | P F ドラッカー, 上田 惇生 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

カール・ポパー、フランツ・クロイツァー『開かれた社会 開かれた宇宙』未来社

チャーチル『描く楽しさ』美術出版社

ヒトコトノオト

動いてこう。

タケダノリヒロ(@NoReHero

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