大使館職員がルワンダ農村ホームステイ&小学校で授業!3つの発見とは

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ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です

首都キガリで働いている友人が、ぼくの任地ルワマガナ郡ムシャセクターに遊びに来てくれました

村人の家にぼくと一緒にホームステイして、小学校で授業もしてもらいましたよ

ぼく自身村人の家に泊まるのも、他の日本人が授業するのを見るのも初めてでした

そこで気づいた新たな3つの発見とは

今回のムシャゲスト

豊永くん

豊永 開さん(在ルワンダ日本国大使館 専門調査員)

この6月からルワンダで働いている豊永くん

先日大使館の行事で会ったとき「どっかで見たことある気がするな…」と思ってたら、なんと同じ大学の同学年、同学部でした

在学中は接点はありませんでしたが、共通の友人も多く、ぼくの家に来たこともあったそうです(一緒に住んでたルームメイトが共通の友人だった)

まさかルワンダでお近づきになれるとは。SILSのみんなー、留学アドバイザーのみなさん、豊永くんと仲良くなったよー笑

美味すぎる自家製アボカド

日曜の昼過ぎにホームステイ先へ到着

さっそく家で採れたアボカドとパパイヤを出してくれました

アボカド パパイヤ

この家ではアボカドに塩をつけて食べるみたいで、これがめちゃくちゃ美味しい!

真似しよ

タケダ家テラスで宅飲み

それから外をぶらぶら。ぼくの勤務先や住民が普段使っている湧水まで案内しました

一段落して眺めの良いぼくの家の庭で、一本だけおビールを

庭

お互いの仕事のことや、これまでのこと、これからのことなど真面目に語り合えたので、個人的にはこの時間が今回のハイライトでした(ホームステイ関係ない笑)

夕食の支度

6時半ごろホームステイ先に戻ると、ホストファミリーが夕食の支度をしてくれてました

インバブラと呼ばれる小さなカマドと炭を使って、外で調理します

dsc_7209

この家は比較的裕福なので炭を使ってますが、この辺りでは拾い集めた枝を薪の代わりにして燃やす家庭が多いです

発見①時間感覚の違い

ここで1つ目の発見

ルワンダ人は「時間が勿体無い」という感覚が薄い

ぼくらは「お金」と「時間」を天秤にかけて暮らしています

大阪に行くのに高速バスを使えば値段は半額になるけど、2倍時間がかかるから新幹線で行こう、とか

コンビニで買えば5分で済むけど、15分かけてスーパーまで行けば150円のジュースが100円で買えるからスーパーまで行こう、とか

お金と時間と、どちらを費やした方が得かを考えながら暮らしてますよね

ルワンダ人の場合は、「時間が勿体無いからお金を払ってでも空き時間を作り出そう」という考え方をあまりしない気がします

だから何時間もかけて薪を拾いに行ったり、水を汲みに行ったりすることへの抵抗が少ない

その要因としては、「そもそもお金がない」とか、「時間が出来てもやることがない」とかになるんでしょう。趣味がある人も少ないです

この日も夕食が出てくるまで3時間くらい待ってました。丹精込めて作ってもらってこんなことを言うのは罰当たりだとは百も承知ですが、あまりにもお腹が空きすぎて「早く食べさせて…そんなに作り込まなくて良いから…」と思ってしまいました。ごめんなさい

気長に待つことを苦にしなかったり、滅多なことでは怒らないルワンダ人の器の大きさは見習わなきゃいけませんね

9時過ぎ、待ちに待った夕食

ホームステイ食事

メニューはご飯、パスタ、フライドポテト、キャベツの煮物(炒め物?)、牛肉入りのソース。とっても豪華な食事を用意してくれました。有り難い。全部美味しかった!

発見②食文化の違い

ここで2つ目の発見、「食文化の違い」

初体験の貝

豊永くんがお土産でポッキーの抹茶味と、貝の酢漬けのようなものを持ってきてくれました

貝

ホストファミリーは貝を見るのが初めてだったらしく「これってサーディン(ニシン)みたいなもの?」と驚いていました

ルワンダ人は食に保守的だと言われるので心配だったんですが、反応は上々。よかったよかった

ポッキー抹茶事件

食後のティータイム。豊永くんが紅茶だと思ってポットから注いだものはただのお湯でした

そこにホストファミリーから渡されたのが、お土産のポッキー抹茶味。「これも一緒に食べてってこと?」と思ったら、どうやらお湯に溶かして飲むものだと思ってたみたいです

パッケージに抹茶の写真が載ってるし、「お茶の味のチョコレートだよ」って言ってあったので勘違いさせちゃったんですね

Tea with coffee事件

一方ぼくの方は「Tea with coffeeを飲む?」と聞かれました。「え、Tea or coffeeじゃなくて?紅茶がいいな……」と答えるや否や、コーヒーと紅茶の混ざったものがマグカップに波々と注がれて出てきました

ルワンダ人でコーヒーを飲む人は滅多にいないんですが、この家庭ではこうやって紅茶と混ぜて飲むらしいです

…もちろん残さず全て頂きました…

一緒に食卓を囲んでみて初めて、貝という存在そのものを知らなかったことや、紅茶とコーヒーを混ぜて飲むことなどを知りました

一見ぼくらと変わらない食事をしているように見えても、色々と細かい違いがあるものですね

朝食

翌朝、朝食はパン、アボカド、オムレツに昨日食べきれなかった夕飯の残り物を頂きました

飲み物は普通の紅茶でした。良かった…

朝食

「朝にパンを食べるのは普通なの?」と聞くと、「私たちは以前首都のキガリに住んでたから、こういう食事をするのよ。もちろん豆とかウガリとか、伝統的な食事をする人も沢山いるわ。考え方の違いね」と言っていました

朝食を頂いたら、記念写真を撮ってお別れ

豊永くん

最初から最後まで暖かくもてなしてもらいました。また来よう!

ホストファミリーと

ルシシロ小学校へ

ホストファミリーと別れて、豊永くんとふたりで近所のルシシロ小学校へ向かいました

元教師の豊永くんに特別授業をしてもらうためです

日本の学校生活紹介

まずは豊永くんから、日本の学校生活の紹介

PCと生徒

組体操や、屋上にプールのある学校の写真を見て子どもたちは驚いてました。そりゃびっくりするよね。考えてみればすごいことだ

豊永くん 授業

写真を見せながら「この屋上にあるものは何だと思う?」「この組体操のピラミッドには何人いると思う?」と生徒に答えさせながらテンポよく進める豊永くん。上手い…

発表する生徒

生徒たちも積極的に手を挙げて答えてくれました

発見③ワークショップ+英語

ここで3つ目の発見。「ワークショップも英語の勉強になる」

豊永くんは説明をしながら、少し難しい英単語や重要な単語を生徒に繰り返し発音させて憶えさせていました

重要なポイントはしっかり記憶されるし、英語力も伸びるので一石二鳥ですね。真似していこう

マイ・イミヒゴを作ろう

ここからが今日のメイン。『マイ・イミヒゴ』を作ろうというものです

イミヒゴとは、ルワンダの行政が掲げている達成目標のこと。それを自分たちの生活に置き換えて、今後1年間で達成したいこと、そのために必要なアクションを考えてもらいました

豊永くん 授業

豊永くんの用意したワークシートを埋める生徒たち

生徒 ワークシート

少し英語に苦戦している生徒もいましたが、ワークシートや進め方はとてもシンプルに作られていたので全員目標とアクションを決めることが出来ました

教える豊永くん

最後に4名の生徒に発表してもらって終了

生徒 発表

「セカンダリースクールでリーダーになること(来月11月に小学校を卒業して、セカンダリーに進級するため)」「子供向けの英語の映画を見て、英語を勉強する」などの目標を立ててくれました

ちなみに一緒に考えてくれた先生のイミヒゴは「家を建てるための土地を見つける、節約する」というリアルすぎる目標でした。ありがとう!

先生も大絶賛のアクティブ・ラーニング

この授業には先生も大絶賛

「こうやって生徒の考えをオープンにして引き出すのはとっても大事だね。“Ex-Cathedra” メソッド(※)はもう古いから、こんな風に双方向の授業をやっていかなきゃね」と言っていました

※旧来の学習方法。教会の神父のような一方通行の教え方

ルワンダの教育方法は詰め込み型だとよく言われますが、この学校の先生たちを見ていると、教え方を工夫してなんとか生徒のモチベーションを引き出そうとしているのがよく分かります

今回の授業は、先生にとっても良い刺激になったんじゃないでしょうか

豊永くんルシシロ集合写真

こんな感じでぼくにとっても発見の多い2日間となりました

訪問者コメント

最後に豊永くんからコメントをいただきました

まず初めに、今回のホームステイ及び学校訪問をコーディネートしてくださった竹田さん、そして初対面であるにも関わらずまるで家族のようなおもてなしをしてくださったフェーザさん、ミミさんに感謝申し上げたいと思います。

大使館専門調査員という仕事は、主にキガリ市内で行う仕事が中心で、業務で地方部に赴く機会は今までにありませんでした。ですので、ルワンダで4カ月間勤務したとは言っても、普段の生活範囲である大使館、マンション、テニスコート、スーパーマーケットを出ない限りは先進国で生活しているのとほとんど違いはありません。日本にいる友人や家族からルワンダについていろいろと聞かれたときも、「ほとんどヨーロッパと変わらない」と答えていました。

しかし、日本でもそうであるように、どこの国でも首都とその他の都市の間には大きな差があります。住居、食生活、物価、風景・・・どれをとっても首都が他の町よりもいろいろな意味で「高い」のはもはや常識となりつつあります。つまり、自分はこれまでルワンダ政府が総力を挙げて整備するキガリ市だけを「ルワンダ」として見ていたことになるのです。

ただ、歓迎会などで協力隊員の方のお話を聞く度に、ルワンダにはもっといろいろな顔があるのだということに気付き始めました。彼ら、彼女らの口から語られるルワンダは、自分がこれまで見て来たルワンダとは異なっており、もし日本で自分と協力隊の人がそれぞれルワンダについて国名を抜いて語ったら、同じ国について語られていると考える人は皆無でしょう。僕がもともとルワンダに来た目的のひとつは「違う世界を見てみたい」ということなので、これは早く地方部に行かねばらないと考え、偶然同じ大学学部を同年に卒業していた竹田さんにホームステイのお願いをしたのです。

実際に地方部の生活を目にしていて、キガリとの違いの大きさに愕然としました。蛇口をひねれば水が出てきて、お風呂にだって入ることができるキガリに慣れてしまっている自分は、1時間かけて水汲みをしている人を目にして水のありがたみを再認識しました。その他にもボットン便所や4時間かけて行う調理などを目にして生活環境の厳しさを目の当たりにするのと同時に、地方部には娯楽が少ないということに気付きました。

娯楽がないから時間を気にせずひとつひとつの作業をゆっくりと行うのか、それとも一つ一つの作業、仕事に時間がかかり大変だから娯楽を考える余裕がないのか・・・これについてもいろいろと考えましたが、どうやら、前者のようだと言う結論に竹田さんと話し合ってたどり着きました。自由時間に何をしているのか尋ねても、答えに詰まってしまうというのはムシャの人の共通の反応でした。誰も日本人のように「忙しくて時間がないから趣味がないんだよ。」と言わなかったのです。娯楽や楽しさを追及するような支援の形があっても良いのではないかと思いました。(その意味では空手隊員の教室は画期的だと思います。)

また、竹田さんとは真面目な話に限らず、恋愛のことや学生時代のことなど、くだらない話も含めていろいろとお話できたので非常に有意義でした。周りには同世代の友人が少なく、久しぶりに27歳の本当の自分としての会話ができたのではないかと思います。今後も、竹田さんのところはもちろん、他の協力隊員の方も訪問してルワンダについてもっと詳しくなりたいと思います。

「娯楽や楽しさを追求する支援があってもいい」、たしかにその通りですね。そっちの方面でも活動を考えてみよう

また、指摘の通りキガリと地方部ではまったく表情が違うので、ぜひ他の地域も見て回ってもらえればと思います

在ルワンダ日本大使館で専門調査員として働く彼のブログはこちら
シェルボーイのブログ(専門調査員 in ルワンダ)

豊永くん、またいつでも遊びにきてね!

タケダノリヒロ(@NoReHero)

これも読んでね→→→前回のホームステイの様子
慶應大生がルワンダ農村でホームステイ!虐殺生存者の心境とは?

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