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1分で分かるトルストイ『イワンのばか』!あらすじ・感想・解説

【2020/05/20 更新】

何か本読みたいなーと思って『青空文庫』のタイトルをパラパラと見ていて、ある作品に目が止まりました。

『イワンのばか』トルストイ

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そう言えば、これ聞いたことあるけどどんな話か知らないなー。38ページしかないし、名作っぽいから読んでみるかーー

ってことで読んでみました『イワンのばか』。本書のあらすじと解説、感想です。これを読んだら、あなたもきっと読みたくなる。

ひとこと教訓

この本から得られる教訓を一言で表すと、

「働く」とは、悪魔のように頭を使い、イワンのように手を動かすこと

です。

以下、ネタバレ注意

『イワンのばか』あらすじ

個性豊かな三兄弟

物語の中心となるのは、「兵隊のシモン」「肥満のタラス」「馬鹿のイワン」の三兄弟。

それぞれ異名がついてますが2/3はただの悪口ですね。タラスの「肥満」に至っては[ふとっちょ]とルビがふってあります(ほんとに)。

この3人を仲違いさせようと、悪魔が小悪魔を一人ずつ3兄弟のところに送り込みます。

小悪魔の策略

シモン、タラスは小悪魔の策略にハマりますが、イワンだけは馬鹿すぎて小悪魔の嫌がらせをモノともしません(小悪魔のツバ入り茶を飲み腹痛になるものの、痛みに耐えながら畑仕事をするなどのストイックさを発揮)。

逆に小悪魔はイワンの返り討ちに遭い、命乞いをする代わりに様々な魔法のアイテムをイワンに献上。そのおかげでイワンは王様になります。

王様になったイワン

しかし、人民たちは「あ、あの人、馬鹿だ」とすぐ気付き、こんな事態にーー

そこで賢い人はみんなイワンの国から出て行き、馬鹿ばかり残りました。

カオスwww

と思いきや、お金を持っていない代わりにみんな一生懸命働き、互いに助け合ったため、この国の人たちは平穏無事に暮らしました。

悪魔登場

ここで「小悪魔には任せておれん」と悪魔が登場。悪魔は人間に変装して軍隊を差し向けますが、人民たちが無抵抗すぎて兵隊の士気が下がり失敗。今度はお金の力で国を支配しようとするも、人民に金銭欲がなさすぎて失敗。

悪魔は失敗続きで餓死しそうになります(もうこの時点で悪魔の方が馬鹿なんじゃないかと)が、やさしい人民たちが交代で彼を養います。

怠け者の手

悪魔がイワンの家に来た時、怠け者にさんざん騙されてきたイワンの妹は「こいつの手はゴツゴツしてないから怠け者だ!」と判断し、食べ残ししか与えませんでした。

そこで悪魔は、自分の行いを正当化するために「誰もが手を使って働かなきゃいけないなんて馬鹿げている。頭を使って働く方が得だから教えてやる!」と言い出します。悪魔、もはや良い人なんじゃ……。

頭を使って働く

しかし「どうしたら働かないで生計を立てて行けるか」ということを語るだけの悪魔に、人民たちはまったくほだされません。

結局また放置されてしまった悪魔は、お腹が減りすぎて、ふらついて、頭を打って、消えてしまいます。しまいには馬鹿な人民たちに、「あいつが言ってた頭を使う仕事って、頭をぶつけることなの……?」などと思われる始末……。

結果的に、手を使って働くイワンの国の人たちは幸せに暮らし、「手のゴツゴツした人は食事のテイブルへつけるが、そうでない人はどんな人でも他の人の食べ残りを食べなければならない」というならわしが出来ました。

めでたしめでたし。

感想:楽して働く=悪?

まさに「働かざるもの食うべからず」という諺のようなお話ですね。

これを読んで、ぼくは正直、あまりピンと来ませんでした。なぜかイワンをいまいち好きになれないーー。

だって、手を使って働くだけが仕事じゃないですよね。やっぱり悪魔が言うように「頭を使って働く方が得」なのは間違いないはず。

頭も手も両方使え!

じゃあ悪魔みたいに演説だけしてれば良いかというと、そうじゃないですよね。悪魔は口だけじゃなくて、人民たちに「こうやってやるんだよ」と行動を示してあげれば良かったんです。

つまり、成功するためには頭も手も両方使わなきゃダメだということ。

ブロガーの場合

たとえばブログの場合、成功や成長の目安となるのはPV(ページビュー)数ですね。ブロガーのみなさんは「どうやったらPVを伸ばせるかな」と日々考えを巡らせていることだと思います。

もちろん戦略を練ることは必要ですが、「今日は○○を食べました」みたいな単なる日記記事を闇雲に書いているだけじゃ、誰も読みに来てくれないですよね。

かと言って、「こんな文体で書いてみようかな」「こんなテーマで書いてみようかな」と考えているだけではPVは上がるわけありません。

いちばん良いのは?

結局一番大事なのは、悪魔のように頭を使い、イワンのように手を動かすこと。この「狡猾さ」と「愚直さ」を兼ね備えている人間がいちばん強いんですね。

仕事に行き詰まってしまったら『イワンのばか』を思い出して、頭でっかちになりすぎてないか、手を動かせているか、と確かめてみると良いかもしれません。

ちなみに読む前は「イワン」は『ちびまる子ちゃん』に出てくる山田くんみたいな「アハハ、アハハ」っていうタイプの馬鹿を想像してたんですが、まさかの一人称「わし」でした。渋すぎるよ……。

ところで、お姫様の病気が治ったのはなんで……??

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タケダノリヒロ(@NoReHero

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遠い世界の同級生、朝井リョウの小説『何者』。心をえぐられた感想。

norihiro415: