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ルワンダ青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です
水・衛生環境の改善に取り組んでいます
セカンダリースクール(中学・高校)で手洗い啓発のワークショップを行うため、先生との打ち合わせに行ってきました
正直、「衛生啓発活動なんて、ほんとにやっても意味あんのかな…」「小学生ならまだしも中高生(しかも優秀)には余計なお世話なんじゃないかな…」という気持ちがあったんですが、現場を見てみてその必要性を強く感じました
なぜ、衛生啓発活動が必要なのか?
本当に手洗いで病気は予防できるのか?
ワークショップ、いる?
今回のワークショップは、「ペットボトル手洗い器づくり」です
こういうの↓
参考:クロスロード 2015年5月号
途上国では、おけに貯めた水で数人が手を洗ったりするため感染予防になりません。そこで流水での手洗いを促すためこういったツールが役立つんですね
これをセカンダリーの衛生クラブの子たちと一緒に作って、トイレなどに設置しよう!というのが今回のワークショップの目的です
が、実はぼくの地域のセカンダリーには、すでにこんな感じの立派な手洗器があるんですよね。。
引用元:Water Charity
前に訪問したときもこれを使って先生が手を洗っているのを見て、「しっかりしてるなー」と思ったほどでした
だから、今回のワークショップはうちの学校には必要ないんじゃないか…と不安だったんです(同内容を3郡3校で実施します)
が、現場を改めて見てみたらやっぱり必要でした
手、洗えないじゃん!
打ち合わせのために、改めて学校を訪問。先生に校内を案内してもらいました
トイレに行ってみると、男子生徒ふたりがちょうどチャックを上げて出てくるところでした
が、手を洗わずにそのまま外へ…
「やっぱり洗ってないじゃん!」と思いましたが、そもそも手を洗うための水がないんですよね
トイレの外には水道が付いていましたが、水は出ませんでした
さらに周辺には木で作ったティッピータップがありましたが、壊れたまま転がってました
この写真はモザンビークのJICA技術協力プロジェクトを実施している村で撮ったもの。うちの学校のはもっとゴツくて維持も面倒そうでした。だから修理せずに放置しちゃってるんだねー…
でもペットボトル手洗器なら壁に掛けておくだけで手を洗えるし、維持管理も簡単です。これは使えそう!
習慣がない
学校での手洗いが根付かない理由について、先生と話してみました
「トイレの近くに水が置いてないから手洗い出来ないですよねー。手を洗えるほどの水がないとか?」
「いや、そんなことはないよ」
「なら生徒たちにはトイレの後や、食事の前に、必ず手を洗うようになってほしいんですけどねー」
「うーん、ルワンダではそういう習慣がないからなー」
習慣がない
自分にとって、「手を洗う」という行為は当たり前だったので、ルワンダ人も水さえあれば手を洗うだろうと思っていました
でも、どうやらほんとにそういう意識がないだけなのかもしれません
ぼくはトイレに行った後に手を洗えなかったら「気持ち悪い」と感じますが、それは「トイレに行ったら手を洗うもの」という風に子どもの頃から教えこまれていたから
そう考えると、ルワンダ人にもそれをちゃんと伝えられれば行動を変えられる可能性があるんですね
手洗いで下痢は45%削減できる
日本のように衛生環境が整っていると「ちょっとぐらい手洗わなくたって大丈夫でしょ」と思ってしまいますが、やっぱり手洗いは大事なんです
世界では毎日1,400人以上、年間53万人の子どもたちが下痢性疾患によって亡くなっています
下痢は、途上国では命に関わる病気なんです
でも、石けんを使った手洗いで、下痢の発生を約45%削減することが出来るんです
参考:Diarrheal Diseases in Lower Income Countries
子どもたちに手洗いをする習慣を根付かせることが出来れば、彼らが大人になったときにその子どもたちにも手洗いを教えてくれるはず
そうすれば、53万人のうち少しぐらいは亡くなってしまうはずの子どもたちを救うことが出来るかもしれません
結果の見えづらい活動なので「衛生啓発なんて意味ないんじゃないか?」と考えがちですが、きっと意味があると信じて、意味あるものになるように、取り組んでいきます
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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