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青年海外協力隊のタケダノリヒロ(@NoReHero)です。
ルワンダで水・衛生環境の改善に携わっています。
日本人が、1日の水使用量のうち16%を使っているのが洗濯です(※)。
※参考 図解入門 よくわかる 最新 給排水衛生設備の基本と仕組み
しかしルワンダでは水が不足しているため、砂まみれになった服を着続けている人もたくさんいます。
電気も不安定なうえに、そもそも収入も少ないため、洗濯機を使っている家庭も滅多にありません。
そこで「大量の水や電気を使わずに洗濯できる洗濯機ってないかなー」と探してみたところ、ありました!そんな夢のような洗濯機が。
ということで、従来の洗濯機とはまったく異なる、次世代洗濯機のご紹介です。
超小型洗濯機Dolfi(ドルフィ)
石鹸のような見た目のこの装置「ドルフィ」は、実は非常に小さな洗濯機です。使い方は簡単で、洗面台のシンクに水を張り、洗濯物と洗濯洗剤と一緒に水の中に入れておくだけです。するとドルフィは、水中で強力な超音波を発し、高圧気泡を発生させます。この作用によって、洗濯物はキレイに洗濯されるといいます。
洗濯に要する時間は約30分で、また超音波で洗うため服の生地を傷めることがないとのこと。
綿などの一般的な素材から、絹、レース、カシミヤなどの生地にまで対応しており、普通の洗濯機に比べて80分の1のエネルギーで洗濯が可能といいます。
公式サイトもありますが、製品化はまだのようです。
100万ドルを集めたクラウドファンディングサイトでは、価格は149USDになっています。
普通に欲しい。
途上国だけでなく、旅行や出張でも重宝しそうですねー。
ペダル式人力洗濯機 Yirego Drumi washer
こちらはもう少し原始的。ペダルを踏んで水流を発生させる小型洗濯機です。
高さ56cmと非常にコンパクトで、重さ2.3km(洋服6枚~7枚程度)の洗濯物を洗うことができます。使い方は簡単で、水5リットル、洗剤、洗濯物を入れれば、5分ほどペダルを踏み続けます。その後、水を入れ替えてすすぎを5分ほどを行えば、洗濯は完了です。排水ボタンで水を出すこともでき、1台で洗濯から脱水までができます。
開発したカナダ・トロントのデザイン会社Yirego社によると、普通の洗濯機に比べて80%の節水・節洗剤効果があるとのことです。
現在、クラウドファンディングキャンペーンで予約注文を行っており、129カナダドル(約1万3000円)で購入可能となっています。
80%の節水・節洗剤効果があってしかも電気要らず。これなら資源の乏しい地域でも使えそうですねー。
価格も1万3千円とまずまず。
これも欲しい。
空気で洗う洗濯機Racooon(ラクーン)
空気(オゾン)で除菌・消臭のできる洗濯機。
値段は価格ドットコムで3万6千円〜となかなか高価。
電気も使用しますし、とても途上国で使える代物ではありませんが、「空気で洗う」という発想自体は別の形で活かせるかもしれませんね。
汚れたままで良いわけない
JICAのサイトに載っている、池上彰さんと水の専門家・沖大幹さんの対談にこんな話がありました。
あるイスラム圏の村で井戸の掘削事業を行ったときのこと。日本のスタッフが最初に村を訪れた時、女性たちは恥ずかしがって出てこなかった。(イスラムの女性は慎み深いからだろうな)と日本のスタッフたちは思ったのですが、井戸が整備された後にもう一度訪問した時には、女性たちがうれしそうにみんなの前に出てきたそうです。理由を聞いたらこうでした。井戸ができるまでは、水不足のため服を洗う余裕などなかった。汚れた服のままでは恥ずかしくて、人前に出ることができなかった。けれども、井戸が整備された結果、服が洗えるようになったのでもう姿を見せても恥ずかしくないんです――。彼女たちはこう話したそうです。
ぼくの村にも、汚れた服を来た人はいっぱいいます。
家庭調査をしたとき、その家のお母さんの写真を撮ろうと思ったらすごく恥ずかしがっていました。
写真が苦手なのかと思ったら、何か言いながらしきりに服を整えていたんです。
言葉は分かりませんでしたが、おそらく「もっとお洒落しとけばよかった」とか「綺麗な服を着ておけばよかった」と言っていたんだと思います。
汚い服を好き好んで着る人なんていないですよね。ルワンダの女性たちだって、やっぱり綺麗な服を着たいしお洒落もしたいはずです。
子どもたちも、それが当たり前になっているので何も感じていないようですが、驚くほどボロボロでドロドロの服を着て遊んでいます。
水さえあれば、気兼ねなく洗濯して、もっと綺麗な服を着ることが出来る。でも、水が無いなら、水を使わずに洗濯する方法だってあるかもしれません。
そんな可能性を感じさせてくれる次世代洗濯機の紹介でした。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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