ルワンダで遭遇した変な出来事を紹介する「ルワンダ事件簿シリーズ」の第1回
いやあ当時の衝撃と動揺っぷりが伝わってくる記事ですが、5ヶ月ほど経った今ではほとんど問題なく快適に過ごせています
「住めば都」ってほんとですね
もくじ
不安しかない
今日は語学訓練はお休み。来月から働く職場と住む家を見に、任地訪問してきました
ぼくの家はなかなかの所らしく、調整員の方から「他の人と比べないでね」と言われていたので、「まあ大変なところでも、せっかくのアフリカ生活だし逆に楽しめるかな」と心の準備もしていました
そんなこんなで実際に見てきたんですが、かなりの衝撃を受けております…。やっていけるかな…
まずは同期隊員の任地へ
まずは同期隊員のゆきが配属される、ルワマガナ郡庁に行きました。ここはぼくが配属されるムシャセクターの上部組織であり、他の先輩もここに配属されています
噂には聞いていましたが、郡を束ねる東部県のオフィスも兼ねているのでかなり立派です
それからゆきのお宅訪問。写真は撮り忘れてしまいましたが、綺麗で水も電気も問題なく、非の打ち所がありません
庭には前の隊員が残していった畑もあって、野菜が植わっていました。野菜不足が懸念されるルワンダ生活で家庭菜園が出来るなんて素晴らしすぎる…。まあね、こんなもんでしょうね
それからンゴマ郡庁に配属となるしんごの職場と家へ
職場の方は良い人そうで、「ルワンダネームを付けなきゃな。改めて配属された時に付けてあげるよ」とウェルカムな感じでした
家の方は、こちらも素晴らしく良いところでした。ゆきの家と比べると若干小さめですが、小綺麗で良い感じです
「二人ともすごくいい家だから、きっとおれも大丈夫だろう」と安心し始めてたんですけどね
完全に甘かったです
いざ任地ムシャセクターへ
まずは職場となるムシャセクターオフィスへ
郡庁と比べると当然小さいですが、とりあえずちゃんとした建物です
中に入って上司兼カウンターパート(相棒となる人)とご挨拶
しかし、まさかの英語が喋れない…。現地の住民ならともかく、相棒と英語でコミュニケーション出来ないのはかなり辛い…
ごく簡単に自己紹介を済ませると、ルワンダ人JICAスタッフから「何か質問があったらルワンダ語でしてみたら?」という無茶ぶりが
ルワンダ語の授業はまだ5日しか受けてないので、出てくる質問はせいぜい頑張っても「何歳ですか?」「趣味は何ですか?」「明日は何しますか?」ぐらいです。合コンかよ
20日後の派遣までに相当頑張らないと…。でも、逆にルワンダ語を習得するチャンスです。頑張ります
これから2年間住むことになる我が家へ
さて、いよいよ我が家です
移動中の車内にて、調整員から「竹田さんの家は教会の敷地内にあるわよ」という新情報が
あれですか、私は神に守られるんですか。どうかご加護を
それと「家庭菜園とか出来ますかね?」って聞いたら「好きなだけ出来るわよ」と意味深な回答が。
それから本当に教会に着き、門から入って裏手にまわると…ありました。じゃん
ぐるっとまわって裏に行くと、開けた景色が見れました
唯一のポジティブな前評判だった「眺めが良い」というのは本当でした。ただしこれから塀をつくるらしいので、この眺めも見えなくなってしまうかもしれませんが…
家のまわりは鬱蒼と木々が茂っていて、どこまでがウチなのか分かりません。これは手入れが必要だな。ほんとにいくらでも畑作れそうです
ようやく神父さんズが鍵を持ってきてくれたので、中に入ります
あれ、暗いな…。そして何もない…。あるのはきったないカーテンと、マットレスが破けて虫が這っているきったないベッドのみ
JICAから大家に提示されている契約では、ソファやテーブルなどの基本的な家具は備え付けることになっているはずですが…
部屋の左奥にはトイレとシャワーがありました(扉なし)
そしてその手前の部屋
ここはわりと明るくて、ちゃんと家具を置いたりすればそれなりになりそうです
あれ…??これで終わり…??もう部屋ないの…??家具とかないの…??
と思ったら、「ここをぶち抜いて、キッチンと繋げるから。ここ、ドアね」と神父さん
オーマイゴッド。あれですか、神父ジョークですか
「あと2週間しかないのに大丈夫かしら…」と、ついに調整員さんも心配し始めます…
大丈夫です!正確にはまだ20日あります!
そして「広いけど使い勝手が悪いかもしれない」という、スタッフからの前情報の意味が分かりました
先ほどの景色が見えたバルコニー側にもう2つと、家のサイドにもう1つ入り口がありました
引くぐらいベッドしかない
どうやらここは教会のドミトリー的に使われていたために、区切られた部屋がいくつかあるそうです
ただでさえ通気性が悪いのに長いこと使われていなかったためか、半端なくジメッとしていてカビ臭が凄まじかったです
すぐに喉と鼻の奥に異変を感じて咳が出て、1分いるだけでも辛かったです。神様、ここが精神と時の部屋ですか
この辺の部屋が区切られていて使い勝手が悪いので、壁をぶち抜いて繋げて1つの部屋をキッチンにするそうです。それでちゃんと換気したら風通ってカビなくなるかな…
最初のメインの部屋は大丈夫でしたが、このままだったら本気で身体悪くするな…
しかもなぜか床が湿っています…
きっとぼくらが来る前に、誰かが掃除してくれたんですよね!
新鮮な空気を吸うために外に出ました
複雑な表情のゆきとしんご
同じルワマガナのゆきは「辛かったらウチに来てもいいからね…」と優しい言葉をかけてくれました
20日後もこのままだったら、本気でゆき宅から通ってしまいそうです…
事前にスタッフから「任地訪問の際は、足りない家具や家電製品などチェックしておいて下さいね」と言われていたんですが、そもそもキッチンすらまだ出来ていないし、ベッド5台以上あるし、壁をぶち抜いて部屋を繋げるという大胆な匠の技がこれから展開されるというのに、何をチェックすればいいんでしょうか
とにかくこの20日間でちゃんと部屋同士が繋がって、キッチンが出来て、フロアが綺麗になることを祈ります(あとあんなにベッドいらない)
いや、最悪その辺は完成しなくてもしょうがないので、カビと空気の悪さだけはどうにかしないと…。換気すれば少しは改善するかな…
一番大事な電気と水は神父さんによれば大丈夫らしいので、むしろ贅沢です!神父さんは嘘つきません!
一緒に見てきた同期2人の家とはいささかスタートラインが違い過ぎる気がしますが、これから2年間住む所なので、どうにかスタッフや神父さんの力を借りつつ快適な場所にしてみせます。住めば都!
5ヶ月後…
時は経ち、2016年6月現在
まさに「住めば都」状態
ほとんど何の不満もありません
水道から水出るし、停電も少ないし、ネットも繋がります
部屋は神父さんの宣言通りぶち抜かれ、見事ひとつの立派な家に
通気性が良くなったからか、カビ臭さもありません
あの謎も解けました
謎の床濡れの原因
床が濡れていたのは、誰かが掃除してくれたせいではありませんでした
もちろん水不足の地域のくせに床から水が湧き出ているわけでもありません
雨が降り込んでてただけでした!
雨漏りしてるわけでもないのに、家の中に雨が降り込むって意味不明ですよね
でもルワンダではよくあること
ドアの下にがっつり隙間があって、しかも床が傾いているので、その傾斜に従って雨が流れ込んで部屋の中に水たまりが出来るって寸法です
とりあえず雨が降ったらドアの下に雑巾を詰めて堰き止めてますが、慣れたら気になりません
お家オシャレ化計画
ルワンダの他の隊員の家に何件かお邪魔したことがあるんですが、みんな小物を置いたりソファに布をかけたりラグをひいたりしてお洒落にしてるんです。良いなあと思ってました
そこで5ヶ月前はこんなだったぼくの部屋も、お洒落にしてみることに
ひとまず先輩隊員のマネをして、椅子と机をアフリカン調の布で装飾してみることに
家の中に色があると気分が明るくなりますねー
アフリカ・ルワンダに溶け込めるように、インテリアから「ルワンダ人化計画」進めていきます
タケダノリヒロ(@NoReHero)
ルワンダ事件簿シリーズ
ルワンダ事件簿①来月から働く職場と住む家を見てきたけど不安しかない。
ルワンダ事件簿②不安しかなかったあの家が!我が家のビフォー・アフター!
ルワンダ事件簿③世界一過酷で世界一雑!?なキガリマラソンハーフ完走!
ルワンダ事件簿④防犯対策し過ぎた自宅に窓をぶち割って侵入した話