たかのてるこさんの『ガンジス河でバタフライ』を読みました。
読み始めは独特の関西弁を織り交ぜた文章に若干の拒否反応を感じていましたがw、読んでいるうちにすっかり魅了されてしまいました。
しかもところどころに刺さる文章がちりばめられていてハッとさせられます。
これを読んだら旅に出たくなってしまいました(ルワンダに住んでるいまは毎日が旅のようなものですが)。
ぼくはいままで20カ国ほど旅してきましたが、旅に出るとさまざまなものごとを得ることが出来ますよね。
今回は、『ガンジス河でバタフライ』を読んで感じた旅に出る素晴らしさを7つ、自分の旅を振り返りながらまとめてみました。
もくじ
『ガンジス河でバタフライ』あらすじ
20歳にして、長年夢見ていたひとり旅に出たてるこ。極端な小心者だからこそ、五感をフルに稼働させて、現地の人とグッと仲良くなっていく。インドでは聖なる河ガンジスを夢中で泳ぎ、ぶつかってしまった人に謝ると、なんと流れゆく死体だった……。ハチャメチャな行動力とみずみずしい感性が大反響を呼んだ、爆笑紀行エッセイ第一弾。
引用元: Amazon.co.jp
『ガンジス河でバタフライ』感想
思い込みの殻を打ち破る
たかのさんが香港の食堂で出会ったおっちゃんと、「グッド」と身振り手振りだけで会話できた話。
ただの「グッド」でこんなに話ができるとは思わなかった。単純な言葉でも、しぐさや感情の込め方次第で、いろんなことが伝えられるんだ。もしかしたら、ヘタに流暢な英語ができるよりも、身ぶり手ぶりの方がよっぽど“〝気持ち”〟が伝わるのかもしれないな。私は心を開いてオープンになるときのコツをギュッとつかんだような気がした。
引用元:ガンジス河でバタフライ
「英語が話せないから海外なんて行けない」という思い込みはもちろんですが、「○○が出来ないから○○なんて出来っこない」という自分で勝手に作ってしまっている殻を打ち破るきっかけを旅は与えてくれます。
英語に苦手意識があって海外に出られない人は、これを読みましょう。
出川さんに勇気をもらえます。
国が違っても、みんな同じ人間
国籍が違えば、もちろん文化や考え方は違います。
でも、ご飯を食べて、トイレに行って、しゃべって、笑って、寝るっていう基本的な営みはどこに行っても同じです。
日本を出てみるまでは、よその国の人がごはんを食べたり、笑ったり、恋をしたり、大声を出すとスッキリする、自分と同じ人間だということを、こんなふうに身近に感じたことがなかった。
引用元:ガンジス河でバタフライ
旅に出ると、それを実感としてつかむことが出来ます。
どこの国も、行ってみるまでは怖く思えて仕方がない。だけど、インドでさえこうなんだから、きっとこの世にはそんなに変わった国もないし、そんなに変わっている人もいないんだろう。秘境や辺境などと呼ばれる場所でも、住んでいる人にしてみればごくごく普通にそこで暮らしているだけの話で、変わった場所だと思い込んでいるのは、そこに行ったことのない人の偏見なのに違いなかった
引用元:ガンジス河でバタフライ
ぼくもそうでした。
短期留学をした韓国でも、
WWOOF(ファームステイ)をやったオーストラリアでも、
青年海外協力隊として活動しているルワンダでも、
食べて、笑って、おしゃべりするのはみんな一緒です。
それを肌で感じることが出来て本当によかった。
世界を鏡として自分を振り返る
旅は自分で行く所も食べるものも選ぶことが出来るので、それだけその行程に自分自身が反映されます。
今の旅は、今の私にしかできないものなのだと思うと、旅はその時々の自分を映し出す鏡になるような気がした。
引用元:ガンジス河でバタフライ
旅先での出会いによって、自分の知らなかった一面に気付かされることもあります。
たかのさんが、物乞いの子どもを冷たくあしらってしまった時のこと。
だがそうはいっても、相手はまだ幼い子どもだったのだ。貧しいのは彼らのせいではないし、食いブチを稼ぐために必死になるのは当然のことなのだ。私は、自分が弱い立場に置かれている人に対して、あんなにも冷たい態度を取れる人間なのだということを、彼らの姿を通して見せつけられたような気がした。
引用元:ガンジス河でバタフライ
ぼくもルワンダで似たような経験をしました。
日本では出来ないような経験を通じて、「自分はこんなに冷たい人間だったっけ?」とどきりとしてしまうことがあります。
時の流れを実感する
旅で流れる時間は、どうしてこんなに濃密で切ないんだろう。一日の長さは同じだというのに、日常から切り取られた時間は、密度がギュッと詰まっているような気がする。
引用元:ガンジス河でバタフライ
日本にいると日常のせわしなさに流されてしまう時間も、非日常の流れに身を置くことで改めて「時間」というものを実感することが出来ます。
ルワンダ自宅からの朝日。
人生を自分で選択する
知らず知らずのうちに私は、何もかも自分で決めて動いている。自分の人生をこの手でつかんでいるような気がした。食べたい物も、泊まりたい宿も、仲良くなりたい人も、行きたい場所も、目的地に向かう方法も、すべては私の選択にゆだねられているのだ。
引用元:ガンジス河でバタフライ
いつの頃からかおぼろげに夢見ていたことが、現実になっていく。 手を伸ばせばちゃんと届く。 “〝思うことが叶うこと”〟だ。 心はもう、動き始めている。 あとは、私の心が「行きたい」と思った国に、体を動かしていくだけでいい。 私はもうリュックひとつで、世界中どこにだって行けるんだ!
引用元:ガンジス河でバタフライ
アイルランド留学中、初めて本格的な一人旅をしました。大学2年の時ですね。
アイルランドの田舎のB&Bやゲストハウスを転々としながら、行く先々で自転車を借りてサイクリングをしました。
この旅を経験したことで、「自分はどこにでも行ける」という確信を得ることが出来ました。
決めるのは全部自分です。
潜在能力が引き出される
日本への帰りの飛行機に間に合わず、絶対絶命の危機に追い込まれたたかのさん。新しいチケットを買うお金などありません。空港でスタッフに土下座をして、なんとか特別に無料でチケットを用意してもらうことが出来ました。
でも私は、自分が招いたアクシデントだったからこそ、なんとか自力で解決したかったのだ。今まで全部、自分の力で解決してきたというのに、最後の最後に足止めを食らって、親からの送金を待つなどという最悪の事態だけはどうしても避けたかった。「ノー!」と言われたとき、なにがなんでも絶対にあきらめるものか、という強い意思が、胸の奥底から湧き上がってくるのを私は感じていた。いきなり私がタフな人間になったんじゃない。八方塞がりな状況に追い込まれたおかげで、タフな私が引き出されたのだ。
引用元:ガンジス河でバタフライ
人間窮地に立たされると、思わぬ力が発揮されるものですよね。
ぼくも国内の旅ですが、飛行機に乗れなくなったところをなんとか乗り切ったことがあります。
出会いが未来をつくり、気づきを生む
ひとつひとつの選択が新たな出会いにつながって、次の旅先がおのずと決まっていくことの不思議さを、私は感じずにはいられなかった。
引用元:ガンジス河でバタフライ
旅を通じて知り合った恩人が亡くなってしまい、悲しみにくれていたたかのさん。でもそれによって大事なことに気づきます。
いつか来るであろう別れが辛くなるほど素晴らしい人に出会えたことが、本当の幸せだと私はようやく気づいたのです。
引用元:ガンジス河でバタフライ
タイの山岳民族地域でボランティアをした大学4年の夏。このときも別れるのが辛かったですが、そうやって思えることが幸せなんですね。
これからもそんな出会いを築いていきたいです。
『ガンジス河でバタフライ』感想まとめ
旅の素晴らしさは…
- 思い込みの殻を打ち破ることが出来る
- 国が違っても、みんな同じ人間だと気づくことが出来る
- 世界を鏡として自分を振り返ることが出来る
- 時の流れを実感できる
- 人生を自分で選択できるようになる
- 潜在能力が引き出される
- 出会いが未来をつくり、気づきを生む
です。
ということで、『ガンジス河でバタフライ』から旅の魅力について考えてみました。
さあ旅に出よう。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
つぎのページへ!
やりたいことが見つからない大学生へ。「自分探し」より「自分づくり」