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佐藤健主演で映画化もされた小説『世界から猫が消えたなら』、読みました。
「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」。脳腫瘍で余命わずかと宣告された僕が、自分の命と引き換えに電話、映画、時計を消していく。LINE初の連載小説。2016年映画化。
Twitterに投稿した感想。
『世界から猫が消えたなら』読了。良くも悪くも「軽い」。短くテンポの良い文章。映画のセリフを引用したやりとり。命、家族、人やモノの存在価値。気軽に読めてしっかり泣けるけど、「狙った感」を抱かずにいられず読後の爽快感はない。
— タケダノリヒロ🇷🇼ルワンダスタツア参加者募集中 (@NoReHero) June 14, 2016
金に物を言わせてスタープレイヤーを集めた球団が、あっさり日本シリーズで優勝してしまった。
一流シェフが一級品の食材を集めて、素材の味を活かした料理を作りました。
そりゃ強いよ、そりゃ美味いよ、っていうそんな感じの印象です。
もちろんしっかり泣いちゃったんですけどね。
でも、どうしても引っかかってしまう「狙った感」。
「どうせこないな感じにしたら泣くんやろ?」(←イメージは胡散臭い関西人)って言われてるような。
若手経営者がおすすめの本を紹介した『新世代CEOの本棚』で、『世界から猫が消えたなら』についてクロスカンパニーCEOの石川康晴さんはこう語っています。
「マーケットをどう捉えるか」のお手本のような1冊でした。あらゆるトレンドが入っていて、途中から経営学を学ぶような気持ちで読んでしまいましたから。
家族愛、恋愛、動物愛……いろいろな愛が1冊に詰め込まれているうえに、悪魔が出てきたりとファンタジーの要素も入っている。
そう。これはマーケット感覚を掴むには良い本なんだろうなと思います。
『世界から猫が消えたなら』の原作者は、『悪人』や『告白』、『寄生獣』などヒット作を次々と生み出している映画プロデューサーの川村元気さんです。
一流の料理人(ヒットメーカー)である川村さんが、一級品の食材(トレンド)を集めて振る舞った。
だからこそ「ずるい」と思ってしまうほど簡単に泣けます。
だからと言って、誰にでも書けるものではありません。
今の時代に「どんなものが受け入れられるか」を敏感に感じ取って、それをストーリーとして組み立てられる川村さんだからこそ書ける小説。
と言ってもこれが発売されたのは2012年なので、いまさらこの本を読んでマーケット感覚を磨こうと思っても遅いんでしょうが。
読むなら「イマ」読むべき。トレンドを抑えているだけあって、時間が経つに連れて内容の古さが際立ってくるはずだからです。
数十年後に読んだら、逆に「当時はこんな世の中だったんだな」と時代の空気を感じられる良い小説になりそうですが。
「さくっと読めて気軽に感動を味わいたい!」という方にはおすすめの本です。
それと、Twitterに呟き忘れた一番大事な感想。
猫が飼いたくなります。
タケダノリヒロ(@NoReHero)
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