BOOK

本田圭佑は現代のチェーザレ・ボルジアである〜マキャベリ「君主論」〜

マキャベリの『君主論』を読んでいて、初めて読むのに不思議な既視感を覚えていました。

小国が乱立していたルネサンス期のイタリアで、外交官として活躍したマキャベリ。歴史上の人物を引き合いに出しながらリーダーシップを説いた著作で、理想的な君主とされているのがチェーザレ・ボルジアです。

「こんな感じの人、どこかで見たことあるような……」

あるときビジネス系のニュースサイトを眺めていると、現役のスポーツ選手でありながら「経営者」として特集を組まれている人がいました。

本田圭佑

そうだ。本田だ。記者会見で年長の選手に対しても「憧れのような気持ちでやってもらっては困る」と言い切ったり、ビッグマウスと叩かれても有言実行を貫いたり、経営哲学を俯瞰的に語ったりする姿が、この本で語られているリーダー像とぴったり重なりました。

本田圭佑は2012年にサッカースクールを開校し、オーストリア3部リーグ・SVホルンの実質的なオーナーを務めるなど、経営者としての顔も持っています。

『君主論』からの引用と本田圭佑やその周辺人物の発言を交えて、500年に渡って支持されている理想のリーダーの在り方を考えてみました。

本田圭佑は、現代のチェーザレ・ボルジアである。

君主論

軽蔑を避けるには?

リーダーは常に周りからすごいと思われなければならないため、人から軽蔑されるようではいけません。軽蔑されてしまう要因のひとつが、人の意見に翻弄されること。気が変わりやすく軽薄であれば、軽蔑の対象となってしまいます。

さらにリーダーは行く先々を見通し、未来のあらゆる事態に備えなければなりません。そのためには優秀な人材を集めて、組織の体力作りに努めることが大事です。先の見通しが甘いと、組織が危険にさらされてしまいます。

本田は次のように語っています。

目標は誰が何を言おうと揺るがない。もちろん人生で有言実行できなかったことも多々ある。でも、デカい目標を掲げたことを後悔したことは一度もない。僕は別に非凡な人間ではない。ただ人とはちょっと違うビジョンを見ることができて、周りに笑われてもひたすらそこに向かっていく努力ができる。それが、自分の最大の武器なんだと思う。やるよ、全員で成し遂げるよ。今は、僕らしく前に進んでいくことにしか集中していない。

引用元:米国人は僕を知らない それが燃える:日経ビジネスDigital

この発言から、揺るぎない信念や先を見通す力、組織を統率する力を本田が持ち合わせていることが見て取れます。

一匹狼だと思われがちな本田ですが、「全員で成し遂げる」と語っている通り実際はリーダーとしてチームワークを重視しているんですね。

運命の女神は○○に微笑む

マキャベリいわく、日々の努力を惜しまないリーダーにこそ良運は運ばれてきます。慎重に事を運ぶ者より、自分の計画に対して果敢に猛進する者にこそ運命の女神が微笑むからです。

運命は女神というだけあって女性に似ているもので、荒々しい若人のような人物を好む傾向があるんだとか。

自分の夢、そんなに簡単に諦められるかって話でしょ。

リスクのない人生なんて、逆にリスクだ。僕の人生なんてリスクそのものなんで。

世界一になるには、世界一の努力が必要だ。

引用元:本田圭佑の名言・格言集。あきらめない言葉 | 癒やしツアー

人に笑われても、リスクを負ってでも、自分がやりたいこと、叶えたいことを貫き通す。そのためには死ぬほど努力する。

本田△。

恐れられること、恨まれないこと

リーダーが組織を守るための方法は、本人が人から恐れられる存在になり、また人から恨まれないこと。「恐れられる」と「恨まれない」を平行して行うことは可能だとマキャベリは語っています。

この点に関する本田圭佑の資質について、SVホルンのスポーツディレクター大本は次のように語っています。

彼は誰に対しても、一定の緊張感を必ず作ります。もちろん信頼関係を築いて、周囲の人間に対する優しさもある

ハラハラ感とワクワク感。本田は社内の人間にもそれを与えていると思います

引用元:本田圭佑が考える、経営者の「必須条件」:日経ビジネスオンライン

リーダーは組織を守るために、緊張感やハラハラ感を持たせなければならない。

ではそのためにはどうすればいいんでしょうか?

「厳しいリーダー」ってどんな人だろうと考えると、「怒鳴る人」や「叱る人」が思い浮かびますね。でもそれってほんとに正しいんでしょうか?

「怒る」=「叱る」?

少なくともぼくはそんなリーダーにはなりたくありません。アドラー心理学を解説したベストセラー『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』にこんなことが書いてあります。

怒ることと叱ることは、同義である

引用元:幸せになる勇気 – 岸見一郎、古賀健史

「怒る」のはダメだけど、「叱る」のは良い。そんなイメージがありますよね?

でも違います。「叱る」という行為は、言葉でコミュニケーションすることを煩わしく感じ、手っ取り早く屈服させようとする手段に過ぎず、むしろ自分の「人間としての未熟さ」を相手に露呈することになってしまうんです。

怒るのもダメ。叱るのもダメ。じゃあ問題があったときはどうすればいいんでしょうか?

これからどうするか」を考えるんです。本書に登場する、「カウンセリングを受ける人の心理を表した三角柱」を図解してみました。

スクリーンショット 2016-03-20 11.31.11

問題が起こると、ぼくらはつい「あの人のせいだ」とか「こんな目に遭って自分はなんて可哀想なんだ」と思ってしまいます。しかしいくら「うんうん、そうだね」とそれをやさしく聞いてあげても、一時的に気持ちが楽になるにせよ、根本的な解決にはなりません。

大事なのは、もうひとつの側面にある「これからどうするか」を一緒に考えるということ。組織を運営するリーダーには、常に「自立」という目標が課せられています。

経験豊富な上司が部下の失敗を叱ったり、尻ぬぐいしたりするのは簡単ですが、それでは組織としての成長はありません。部下の決断を尊重し、援助し、近すぎない距離で見守ることで自立を促すことが出来るんですね。

怒らず、叱らず、ただ「これからどうするか」という現実的な次のアクションに関しては一切妥協しない。そう考えると「恐れられる」と「恨まれない」の両立も出来そうな気がしてきますね。

そう言えば、サラリーマンとして働いていた時に一番怖かったのは、感情的に怒ったり怒鳴ったりする人じゃなくて、理論的に「結局どうするの?何をするの?」と詰めてくる人だったな……。

まとめ:君主論と本田圭佑に学ぶリーダーシップ

ここまで小難しい君主論の内容を、本田圭佑を例に説明してきました。最後にまとめます。

リーダーにとって重要なのは……

・揺るぎない信念、先を見通す力、統率力

・日々の努力を惜しまず、自分の計画に対して果敢に猛進すること

・恐れられること、恨まれないこと

でした。

タケダノリヒロ(@NoReHero

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