アフリカのルワンダでスタディツアーの運営や情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
わたしはルワンダで会社を立ち上げたので、この国に納税をしています。今年の3月で2回目の年度末を迎えて、より簡単にできるオンライン納税を試してみたのですが半端なく遠回りしてしまいました。。
この苦労もきっと1ヶ月後には忘れていると思いますし、超レアケースですが同じ苦労をする人が出ないように、書き残しておきたいと思います。
こんなにも強く「税金を支払いたい」と願う優良市民は、世界のどこを探してもなかなかいないのでないかと思うレベルで四苦八苦しました。
とは言え、結果的には家を出てすぐ近道があったのに、一周してきてやっとそこに近道があることに気づいたみたいな話です。
Contents
Bank of Kigali口座を開設!
ルワンダの法人税は、Bank of Kigali(略してBK)かBPRという銀行かどちらかで支払いをおこないます。わたしはどちらにも口座を持っていなかったので、これまでは直接窓口を訪問して現金で支払っていました。
しかしBKにはオンラインバンクシステムがあるのです……!これを使えばわざわざ銀行に行かなくても家で納税できるかも?と思って、BKで口座を開設することにしました。
パスポートが必要だということを知らずに行ってしまったので1度ムダ足にはなりましたが、思ったよりスムーズに口座開設完了。別の窓口でオンラインバンクシステムを使う手続きも書類を書いて提出するだけでできました。
- パスポート(またはIDカード)のコピー
- Application letter(誰が何のために口座開設を希望するかを書いた書類。書式は特に指定なし)
- Cirtificate of company(RDBへの登録後にポータルサイトからダウンロードできる書類)
- Detail Cirtificate(2の詳細が書いてある。同じくRDBポータルサイトからダウンロードできる書類)
- Application form(銀行に置いてある空欄を埋めるタイプの書類)
- 現金(ルワンダ・フラン口座の場合10,000RWF, USD口座の場合10USD)
帰り際、担当の行員さんから思い出したかのように「チェックブック(小切手)は作りますか?」と聞かれました。
「(わざわざ聞くってことはなくても良いのかな?今日はもう疲れたし、また必要になったら作ればいいか)」と思って、私はつくらなかったんですね。これが失敗でした。
オンライン納税に挑戦!
数日後、納税に必要なお金をUSドルから現地通貨のルワンダ・フラン(RWF)に両替して口座に入金。
それから家に帰って、オンラインバンキングにアクセスしてみました。
ちゃんとお金が反映されてる!
「Bank services」のところから、RRA(Rwanda Revenue Authority)の税金支払を選択。
自分の税金レファレンス番号を入れます。すると……
料金が自動的に出てきました!これは税務署のポータルサイトで申告した額とばっちり一致しています。ちゃんと連携されてる!
そしてパスワードを入れて確認(Confirm)ボタンを押すと……
Success!!
できる……できるぞ!オンラインで税金の支払いが……!!
1年前、どうやって払って良いのかわからず途方に暮れていたことが嘘のように、一瞬で支払いを済ませることができました。ビバテクノロジー。ビバキャッシュレス社会。
ところが。これだけじゃ終わらないんですね。
ルワンダの税金は何種類かあるので、最後に残った一番大きな額の税金(CIT=Corporate Income Tax)を払おうとしたら、「50万RWF(約5万円)以上は払えません」という警告文が出てきて先に進めなくなってしまったのです。
わたしの支払うべき額は100万RWF以上。さあどうしよう。
※ちなみにわたしの支払い額が多くなってしまったのは、下記の図にある理由。
- CIT(Corporate Income Tax)は前年度の納税額を1/4ずつ四半期ごとに支払い、前年度と今年度の差額をQ4で調整する仕組み
- 当社は前年度が4ヶ月だけの営業(9月に起業してから12月まで)だったため、前年度(4ヶ月分)と今年度(12ヶ月分)の売上額に大きな差額が生じた
- それによりQ4での差額支払いが大金になった
銀行窓口へ
「オンラインでは50万RWFが限界なのかな?」と思って、窓口へ。
窓口で「この会社の口座から税金を支払いたいんですが」と尋ねても答えはNO。50万RWF以上は小切手がないと支払いができないんだとか。50万RWFの壁。。
しかし覚えておいででしょうか?口座開設のときのやりとりを。
そう。ぼくは「小切手を作りますか?」と聞かれたものの、「まあ今度でいっか」と思って作っていなかったんです。
「それならしょうがない、作るか」と思ってオンラインサービスから注文。受け取りは家の最寄りの支店にしました。
愛しの小切手
数日後、銀行からは小切手ができたという親切な通知など来るわけもないので、そろそろ出来たかなと思って最寄りの支店へ。
そこで聞いてみると「いまはコロナの影響でここでは小切手はつくれないから、本店へ行ってください」とのこと。
なんと。。「本店へ行く」というと簡単に聞こえますが、現在ルワンダはコロナでロックダウン中。タクシーやバイクタクシーなどの交通手段は停止中です。そして本店までは自宅から歩いて約1時間。さらに注文できたとしてもまた取りに行かなきゃいけないから最低2回は通わねば。
「注文だけでもオンラインでできるのでは?」と思ったものの、なぜか他の支店は選択肢に出てくるのに本店が選択できず。なんでや。。
そうは言っても税金を期限内に支払わなければ、ペナルティがかかって余計なお金を払わされることになります。それは避けたい。ということで、がんばって本店まで歩いたり走ったりして行ってきました。
そして本店に行ってようやく小切手作成の申請が完了。これで何日か待って受け取れたら、小切手を使って税金を払える!
と思ったのですが、そうは問屋がおろしません。
銀行、まさかの回答
やはり数日待っても銀行からは何の連絡もないので、また片道1時間かけて徒歩で本店に行ってみました。
「さすがにこれだけ日数かかってたら出来上がってるだろ」と思っていたのですが、窓口のお姉さんからはまさかの回答。
「いまはコロナの影響で小切手はプリントできないからつくれません。再開は未定です」
えぇぇぇーー。。何日もかけて小切手小切手と銀行に通い詰めた意味……!
だったら最初からそう教えてくれよ。。最寄りの支店で聞いたときも、本店で小切手リクエストしたときも、言うチャンスあったでしょうに。
コロナがいつ終息するかなんてまるで見えないこの状況。税金支払いの期限内に小切手作成の機能が再開する見込みはまるでありません。絶望的。
税務署とのやり取り
ということで銀行で納税する道は絶たれました。そうなるともう税務署に直接行くしかないかな。でも行って待たされてダメでしたじゃ時間の無駄だしな。。そもそも去年税務署に行ったら「銀行で払って」って言われたんだっけか。。
とりあえず、なにか方法がないか聞きたくて税務署に電話をしてみることに。
……つながりません。
メールをしてみました。これで返事がなかったらもう税務署に行ってみるしかありません。でも返事なんてこないかな。。
と思っていたら来ました!返事!しかもその日のうちに!ありがとう!
返信は「Mr. John(仮名)に電話をかけてください」とのこと(ほんとにそれだけの塩対応)。この日はもう遅い時間だったので翌朝かけてみました。
すると、Johnさん、メールの話はまったく聞いていなかったものの、こちらの説明に丁寧に耳を傾けてくださいました。
税金のレファレンス番号を伝えた後、「もう一度支払いを試してみてください」と言うので、「(え、なに!?なにか特別に50万RWF以上でも支払えるように設定変更してくれたとか??)」とトキメキながら再度オンラインでの支払いにトライ。
パスワードを入れて、確認ボタンを押します。オンラインバンキングの画面の表示は……
「50万RWF以上は支払いできません」
ぬぉぉぉぉぉ。前となにひとつ変わらぬ光景……!
Johnさん、さっきのもったいぶった言い方はなんだったんだい。。
ダメでした。
続いて「税務署で直接払うか、50万RWFずつ何回かに分けて払うかなどの方法はできませんか?」と聞いてみたところ、「小分けにして払うのは大丈夫かもしれません。Bank of Kigaliの〇〇さんに聞いてみてください」と。
またBank of Kigaliかい。。
オンラインバンキング再挑戦
ここで税務署のJohnさん(仮名)との電話は終了。
「Bank of Kigaliの〇〇さんに聞いてみてください」と言われたものの、それはまた面倒そう。。
そこである案を思いつきました。
「(もしかしてオンラインでも50万RWFずつ小分けにして払えるのでは……!?)」
あらためてオンラインバンキングで税金レファレンス番号を入力。
すると、前と同じように支払額が自動で出てきます。
が、手動で入力し直すことができることを発見……!!
いま100万RWF以上ある金額を、上限の「500,000RWF」に打ち直して確認ボタンを押すと……
Success……!!!
できた……!!できたぁぁぁ!!
てっきり自動で出てくる額通りじゃなきゃ払えないと思ってたけど、手入力で打ち直した額でも払えるじゃん!
そして2回目の支払いをしようとしたら、支払わなければならない額からきっちり50万RWF分が引かれていました。
ただし、1日の支払い上限も50万RWFだったので、残りは翌日以降に。これを繰り返して無事に全額を納税することができました!
まとめ
ということでまとめると、
- Bank of Kigali で1回および1日に支払える税金の上限額は50万RWF
- 税金の支払額が50万RWFを超えている場合、50万RWF以下の金額で小分けにして支払える(例えば100万RWFだったら、50万RWFを2日に分けて支払う)
ということを学びました。
口座開設は2月からやってたので、実に2ヶ月くらい手こずってしまいました。最初からオンラインで小分けにして払えることに気づいていれば何回も銀行に行く必要はなかったのに。。でもきっちり払えて、おそらくペナルティもなさそうなのでスッキリ解決!
これでもう次回の納税も怖くない(はず)!