アフリカのルワンダでスタディツアーや情報発信を仕事にしています、タケダノリヒロ(@NoReHero)です。
「日本に戻ったときにアフリカ在住者がよく言われること第1位」と言えば、「アフリカって暑いんでしょ?」ですよね(異論は認める)。
これを言われたら、まあしょうがないよなと思いつつも、世界のことをなんとなくのイメージで捉えてる人ってたくさんいるんだなとちょっと残念に思います。チコちゃんだったら確実に「ぼーっと生きてんじゃねぇよ!」って言ってます。
でも、かくいうぼくも、ルワンダに来るまではアフリカのことなんて全然知りませんでした。それが講演会やメディアに出て、人様に語れるようにまでなったんです。でも、まだまだ全然伝えきれてない!ふつうの日本人が知らない世界を、もっとたくさんの人に知ってほしい!ということで、「最低限これだけは知っておいてほしい」「誤解していたらちょっと恥ずかしい」ということをお伝えしていきます。
今回は「アフリカ=暑い」という思い込みについて。
在住者が語るルワンダの過ごしやすさ
日本人にとってアフリカと言えば、民族衣装を来た人たちが槍を持ってジャンプしてる姿や、広大なサバンナをイメージする人が多いのではないでしょうか。そういった映像を見ていたら、「アフリカ=暑い」とひとくくりにしてしまっても仕方ありません。実際そういう地域は気温が高いわけですし。
でも、アフリカとひと口に言っても、色んな国や地域があるんです。たとえばぼくが住んでいるルワンダ。
日本人の間では「アフリカの軽井沢」と言われるくらい過ごしやすい気候なんです。下記に月別の気温をまとめたのでご覧ください。
最高でも30度弱、最低気温は15度程度と、1年中快適な気温が保たれていることがお分かりいただけると思います。日本の春や秋くらいの気候ですね。体感温度には個人差がありますが、ぼくは基本的に薄手の長袖を羽織って、長ズボンに靴下を履いていることが多いです。半袖だとちょっと肌寒いなと感じますし、短パンや素足だったら足が冷えてきてしまいます。ごくたまに一日中天気が悪かったりする日は、ユニクロのウルトラライトダウンジャケットを着ることもあるくらいです(ちょうど良い上着がなくて大げさになりがち)。
ルワンダが涼しい理由は標高
なぜルワンダは「アフリカなのに」暑くないのでしょうか?それは標高が高いから。ルワンダには「千の丘の国」というロマンチックな異名があり、その名の通り丘がたくさんある地形になっています。
ちなみに隣国のウガンダも「『アフリカの軽井沢』って言われてる」と現地在住の方がおっしゃってました。
キガリの街は基本的に丘の上につくられており、ぼくの家でスマホのアプリを使って測ってみたところ標高1410mと表示されました。東京都の標高は平均40mらしいので(Google検索結果より)、いかにルワンダが高い所にあるかがわかりますね。
「そんなに標高が高かったら高山病になったりしない?」と聞かれることもあるんですが、高山病になるのは標高2000mくらいかららしいので*1、さすがにそこまでではないですね。
【*1 参考】高山病
ただし、「千の丘の国」というだけあって坂も多いのですが、その坂を登るときは想像以上に息切れしますし、パスタを茹でるときは表示時間通りだと固さが残ってしまったりするので*2、生活の中で標高の高さを実感することはまあまああります。
【*2 補足】標高が高くなると気圧が下がり、水の沸点が下がることで100度よりも低い温度で沸騰してしまうのだ……!
日差しは強烈
ということで、ルワンダは標高が高いのでそんなに暑くないのです。とは言え、赤道からは2度しか離れていないので晴れているときの日差しは強烈です……!自宅のベランダは眺めが良くて気持ちいいんですが、天気が良すぎると直射日光が当たっていなくても眩しくて目が痛くなるほど。洗濯物を干す時も、最近はサングラスをかけるようになりました。
それもそのはず。「UVインデックス」という指標を見てみると、いま(2月1日午前)は「極めて強い:11」となっています。
この「極めて強い」がどの程度のレベルかというと、WHOの基準では「日中の外出は出来るだけ控えよう」となっているほど!そりゃ刺すような日差しを感じるわけですね。
アフリカだからといって暑いところばかりではなく、ルワンダは標高が高いから基本的に涼しい。けれども日差しはものすごく強い、ということがここまででお分かりいただけたと思います。
その他のアフリカの国
それでは、その他のアフリカの国々はどうなのでしょうか。
この図を見ると、やはりアフリカは全体的に赤っぽくて暑そうに見えます。しかしよく見ると、赤(25-28度)なのはサハラ砂漠から赤道の間にある地域のみ。その他はほとんどがオレンジ色の20-24度という快適な気温になっていますね。アフリカ大陸は縦に長く、下の方は南半球に位置しているため南に行くほど気温が低くなります。ここが日本とは違うところですね。
実際ぼくも南部アフリカを旅した時に、想像以上に涼しい地域が多くてびっくりしました。たとえばジンバブエ。「ジンバブエ」っていかにも暑そうな名前じゃないですか、濁点が3つも入ってるし(偏見)。
でも実際、第二の都市ブラワヨ(これも暑苦しい名前)に行ってみたら、晴れていてもパーカーを羽織ってちょうど良いくらいの肌寒さでした。
そして先程の平均気温マップで、アフリカで唯一薄い青(10-14度)になっているのが、南アフリカに囲まれているレソトという国。試しに「レソト 雪(Lesotho snow)」と検索してみたら、こんな結果に……!
どこかの雪国のようで、とてもアフリカとは思えないですよね。レソトは国土の大部分が標高1500〜3000mで「天空の国」と呼ばれるほど*3。
【*3 参考】レソト王国
こんな国もアフリカにはあるんですね。これで「アフリカ=暑い」という固定観念をあらためることができたのではないでしょうか!
まとめ:知らない世界を知る楽しさ
ぼく自身ルワンダに住んでから、まだまだ世界には知らないことがたくさんあるし、間違った捉え方でものごとを見ていたなと気付かされたことがたくさんあります。そして、そういった気付きや発見が増えるほど、人生は豊かになるものだとも思っています。そんな「へえ!」「知らなかった!」をあなたと共有していければと思っているので、また読んでもらえたらうれしいです。それでは!
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