タケダノリヒロ( @NoReHero)
アフリカのルワンダでメディアとツアーの会社、Africa Note Ltd.をやってます、タケダノリヒロです。
世界35カ国で海外インターンシップを提供している「タイガーモブ(通称タイモブ)」さんからご依頼いただきまして、ルワンダでのプログラムをお手伝いさせていただきました!
タイモブとはどんな会社なのか、ルワンダプログラムの内容はどんなものだったか、メンター(アドバイザー?)として参加者と接してみてどう思ったのか、お伝えします。
タイモブとは?
「タイガーモブ」とは、アジア、アフリカ南米など世界35カ国250件以上の海外インターンシップを紹介している会社。
これまでに累計1,400人以上を送り出しているんだとか……!すごい規模。
タイモブのルワンダプログラム
そんなタイモブさんは、ぼくの住むルワンダでもインターンプログラムを実施しています。
現在は「STARTUP AFRICA in Rwanda 5th Batch – 激動の大陸を駆け抜ける13日間」というタイトルで次回(9月度)の募集が出ていますね。
プログラム内容は、コーヒー農場や現地スタートアップ企業、スモールビジネスを視察して、その過程で発見した課題を解決するビジネスアイデアを考えよう、といったもの。
この4th Batch(第4期)の後半1週間をお手伝いさせていただきました。今回は大学生10名・社会人2名の合計12名。
タイモブさんのプログラムは毎回10〜20名と大所帯で、集客力がハンパないなといつも思っております。。
で、何をやらせていただいたかと言うと、現地に住む起業家として参加者のルワンダに関する疑問に答えたり、実際の状況を踏まえてビジネスアイデアを一緒に考えたりアドバイスさせていただいたりしたのです。
メンターとしての3つの気づき
メンターとしてお手伝いをしていて、大事だなあと思ったことが3つありました。それが、①お金と向き合うこと、②足をうごかして一次情報を取りに行くこと、③この2週間を「想い出」で終わらせないこと。
お金と向き合うこと
まずはお金問題。参加者たちはルワンダで見た問題点や自分自身の原体験・想いなどをかけ合わせて、最後にビジネスアイデアを考えてくれました。
出てきたアイデアは
・廃棄予定のフルーツを使ってジュースバーを運営し、フードロス問題を解決する
・ジョブマッチングサービスで、日本の人手不足とルワンダの雇用問題を解決する
・日本でのネイルサロン予約アプリの利用に応じて、ルワンダのサロンと提携してスラム街の女性に無料でネイルサービスを提供する
など面白いものばかり。
ただ、ほとんどのグループに共通してアドバイスさせてもらったのは「できる限り具体的な数値(収支や利益、客数など)を示すこと」と「その数字の根拠をもたせること」でした。
参加者にそれを伝えると「数字って予測するしかなくないですか?」と言われました。その気持ちはめちゃくちゃわかります……!ビジネスなんてやったことのない学生さんがほとんどですし、コストや集客数なんかもふつうはわからないですよね。
ただ、根拠のない数字は「予測」ではなく「妄想」に過ぎません。ネットで調べても出て来ないのであれば知ってそうな人を探して聞いたり、誰も知っている人がいなければ統計や他業種の事例から推測したりすることはできます。
「なんとなく」の数字では説得力に欠けますし、そんな状態でビジネスを始めるのは怖すぎますよね。
自分の生活はもちろん、家族を養えるのか、従業員に給料を払えるのか、そういったことをリアルに考えればお金と向き合わざるを得ないはず。
たとえこのプログラム用のアイデアだったとしても、本気でやるのであればできる限り地に足の着いたプランを考えてほしいなと思いました。
一次情報を取りに行くこと
そして2つ目のポイントは「一次情報を取りに行くこと」。せっかくわざわざルワンダまで来てるんです。ネットで下調べをすることも大事ですが、それは日本でもできますよね。
現地で直接人と顔を合わせて話して教えてもらったり、現場に足を運んで自分の目で状況を確かめたりして得た情報こそ価値がある。
今回はルワンダが舞台でしたが、どこで何をやるにしても「自分だからこそ得られる情報」と「生の声」って大事だよなとあらためて思いました。自分ももっとルワンダ人と直接話す機会を増やしていこう。
「想い出」で終わらせないこと
最後に、今回の経験を「想い出で終わらせないこと」。
これはぼくが大学4年生のときに、東北の震災ボランティアで言われたことばです。
「ボランティアの経験を、学生時代の想い出で終わらせないでください」
東北を訪れて、そこで学生たちを受け入れてくれた現地の支援団体の人から言われました。
これは今回のタイモブのようなプログラムでも言えることですよね。後から振り返ったら「あー楽しかったな」と思い出すかもしれませんが、それだけで終わってしまったらもったいない。
ルワンダやアフリカに戻ってくる人は12人中ごくわずか、もしかしたらいないかもしれません。
でも、たとえ別の場所であってもこの2週間で得た経験は、どんな形であれ今後の人生に間違いなく活かせるはず。
ルワンダで何を学んだのか、その学びを応用できることはないか、そしてそれを自分の行動にどう落とし込むか。そういったことを言語化して腹落ちさせて、「2週間の想い出」で終わらせないようにしてもらえればなと思っています。
まとめ
こうやってメンターとして学生たちのお手伝いをするのは、自分にとってはじめてでした。自身のスタディツアーでも学生のキャリア相談に乗ったりすることもありますが、「もっと良いアドバイスができたらな」と日々自分の経験不足を実感しています。
そんななかでも今回のプログラムの参加者から、帰国後にこんなメッセージをいただけました。
たけださんとバスの中でお話したときの素敵な言葉や、プレゼンテーション、ビジコンの時に頂いたアドバイスなど、全てがとても貴重な経験になりました。これからの自分の将来に確実につながっていくようなことばかりでした
ルワンダではたらくうえでいちばん大事にしているのは、「誰かの将来の可能性を広げること」なので、こんなふうに言ってもらえてほんとにうれしかった……!
ルワンダのことも、人生のことも、まだまだ知らないことばかり。関わってくれる人たちにすこしでも価値を提供できるように、まずは自分のレベルを上げていきたいと思ってます。
引き続きルワンダでがんばります!