タケダノリヒロ( @NoReHero)
Twitterを見ていたら、こんな面白そうな本を見つけました!
さっそく読んでみたら、座右の銘にしたいことば、心を取り乱したときに思い出したいことばなど、生きていく糧になりそうな禅語が満載でした。
わたしはアフリカのルワンダで起業したばかり、また結婚したばかりで、人生における新たなチャレンジが盛りだくさんなので特にこのタイミングで心を整えるような禅の考え方をすこしでも学べてよかったです。
この本の要約や感想、特に気に入った禅語などを紹介します!
もくじ
『リーダーの禅語』要約・感想
この本『リーダーの禅語』は、リーダーが身につけるべき力を「風格」「育成力」「平常心」「行動力」「信頼力」の5つにまとめ、それらを身につけるためのヒントとなる「禅語」を紹介しています。
京セラ創業者の稲盛和夫さんや、スティーブ・ジョブズなど、世界のリーダーたちの多くが学んだ禅。この教えを実践することによって、ものごとの本質に迫り、仕事・人生の指南役としましょうということですね。
書いているのは枡野俊明(ますのしゅんみょう)さん(@Shunmyo_Masuno)。
↑こんなツイートも。まさにいま、背筋が伸びました。
曹洞宗徳雄山建功寺の住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科の教授などさまざまな顔をもっておられる方で、2006年には「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれています。
「禅」というと一見むずかしく思えてしまいますが、枡野さんが禅の教えと日常の生活や仕事をうまく結びつけて解説してくださっているのでとっても読みやすかったです。
一節にひとつの禅語が50個紹介されているので、「あーあの言葉どういう意味だっけな」「こんなとき、どんな心がまえでいればいいんだっけ」と思ったときにもパッとそのページをひらいて、立ち戻ることができるようになっています。
一家に一冊あってもいいかも。
お気に入りの禅語7選
では、実際にどんな禅語が掲載されているのでしょうか?
わたしが読んでみて特に印象深かったことばを7個紹介します!
常行一直心(常に一直心を行ず/ つねにいちじきしんをぎょうず)
「常行一直心」とは、「自分はこれで行く」 という本道があって、そこから派生する道に広げていくスタイルを貫くことを意味します。
「本道」とは、自分が得意とする仕事とそのやり方。それを見つけて磨いていき、他の追随を許さないところまで高めることがポイントだそうです。
喜捨(きしゃ)
「喜捨」 とは文字どおり、「喜んで捨てる」 こと。
あなたはお賽銭を入れるとき、どうやって入れていますか?じつは、威勢よくポーンと放り投げるのが正解なんだそう。
お賽銭を投げることは、心に抱えている執着やこだわりを捨てることを意味します。心の曇りを振り払って、すがすがしい気持ちで生きていく決意の表れでもあるんだとか。
また、「喜捨」には「尊い心を持つと、どこかで同じ尊い心を受ける立場になることもありますよ」という意味合いも含まれています。
「情けは人のためならず」と言うように、他人のためによろこんで行動することがまわりまわって自分のためにもなるんですね。
一笑千山青(一笑すれば千山青し/いっしょうすればせんざんあおし)
この本でもっともインパクトがあったことばが、この「一笑すれば千山青し」。
「悟りきってしまえば、目の前の世界が開け、すべてが生き生きと蘇る」 という意味です。
目の前にかかるもやを笑い飛ばしたら、青々とした山が見えてくる、というイメージですね。「千山」は仏さまのメッセージを象徴するものだそう。
豪快さとは無縁の自分には、落ち込んでしまったときにすごく救いになりそうなことばです。
八風吹不動(八風吹けども動ぜず/はちふうふけどもどうぜず)
仏教では「心を動揺させる状況」を風にたとえて、「八風」 と言うそうです。
1. 利(り/得する状況)
2. 衰(すい/うまくいかない状況)
3. 毀(き/悪口をいわれる状況)
4. 譽(よ/名誉を与えられる状況)
5. 稱(しょう/称えられる状況)
6. 譏(き/そしり※を受ける状況)
7. 苦(く/苦しい状況)
8. 楽(らく/楽しい状況)
※そしり=非難や悪口
「八風吹けども動ぜず」とは、どんな状況にあろうともいちいち反応してオロオロせずに、真正面からその風を受け止める、ということ。「不動」の文字は、「心を動揺させずに、どっしりと構える」ことを意味します。
不動の心を持って、自分の信じるところに従って行動しなさい、ということですね。
雲無心出岫(雲無心にして岫を出づ/くもむしんにしてしゅうをいづ)
「雲無心にして岫(しゅう)を出づ」は、響きや考え方が粋でおしゃれだなと思ったことば。
雲は岫(洞穴)から湧き上がり、風の吹くままにまかせて変幻自在に流れていくものの、雲としての本質・本分を失うことはない、ということ。
人間も雲のように、揺るぎない本質を持つ一方で、周囲の環境にうまく適合しながら生きていこう、ということですね。
自然に身を任せて悠然としている雲のように生きたいものです。
把手共行(はしゅきょうこう)
「把手共行」は「手を取り合って行こう」という意味ですが、この本では「もうひとりの自分」を意識しようと説いています。
「坐禅」の「坐」の字は、「土」の上に「人」がふたつ乗っていますよね?
これは、現実を生きる自分と、本来の姿である「もう一人の自分」が対話しているさまを表しているんだそうです。
”リーダーはこの字を頭に思い描き、事あるごとに「もう一人の自分」と対話すると良い。「もう一人の自分」は必ずや迷いを晴らす、あるいは悩みを解消させる答えを出してくれる”と枡野さんは書いています。
開門福寿多(門を開けば福寿多し/もんをひらけばふくじゅおおし)
「門を開けば福寿多し」 という禅語が教えてくれる教訓は、「いつ」「だれに」でも心を開ければ多くの福がやってくる、ということ。
家に人を迎え入れるときに、家の中や庭がちらかっていては、恥ずかしくてお客さんに門をひらくことはできません。
でも、ただ門を開けておけばいいということではなく、入り口と中をきちんと整えて、いつでも門をひらいておけるようにしておくことが大切なんですね。
それは人の心でもおなじで、隠しごとややましいことがあると、心の門をひらけなくなってしまいます。
そうして心を閉ざしていると、誰も寄りつかずにせっかくのご縁もふいにしてしまうので、いつだれに覗かれても大丈夫なように、心を整えておきましょう、という教えです。
『リーダーの禅語』まとめ
以上、『リーダーの禅語』の中から特に響いたことばを7つ紹介しました。
1. 常行一直心(常に一直心を行ず/ つねにいちじきしんをぎょうず)
2. 喜捨(きしゃ)
3. 一笑千山青(一笑すれば千山青し/いっしょうすればせんざんあおし)
4. 八風吹不動(八風吹けども動ぜず/はちふうふけどもどうぜず)
5. 雲無心出岫(雲無心にして岫を出づ/くもむしんにしてしゅうをいづ)
6. 把手共行(はしゅきょうこう)
7. 開門福寿多(門を開けば福寿多し/もんをひらけばふくじゅおおし)
あなたはお気に入りのことばが見つかりましたか?仕事やプライベート、いろんなことに挑戦していると、困難に出くわすこともありますが、そんなときにこういったことばを覚えているだけでも一歩前に進んだりできるものですよね。
個人的な話をすると、わたしはルワンダに移住&起業して約2ヶ月。先日そんな新生活の疲れからか、なにも手につかなくなるくらい精神的に落ち込んでしまったことがありました。もう立ち直ったのですが、そのときに「一笑すれば千山青し」ということばを知っていれば、もうちょっとうまく自分をコントロールできていたかなあなんて思っています。
でも、この本を読んだことで、いまは力強い味方を得たような気分です。これからはもっとうまくやっていけるはず。
『リーダーの禅語』には、わたしが紹介した7つを含めて全部で50の禅語が掲載されています。ぜひぜんぶ読んでみて、あなたの人生の糧となることばを見つけてみてくださいね。