ただいまルワンダ行きのカタール航空で、中国上空あたりを飛んでいます。
行き先は2016年1月から2018年1月まで青年海外協力隊としてボランティアで活動していたルワンダ。
今回はJICAボランティアではなく、完全に個人として。現地で会社をつくって、自分のビジネスをするためにもどります。
6年前、大学を卒業してお菓子のメーカーに入社したときは「社会貢献がしたい」「ソーシャルビジネスがしたい」という、いわゆる意識高い系の新入社員でした。
ちょうど東北の震災直後だったこともあり、復興の様子を自分の目で確かめたい、できることならその過程にたずさわりたいと思って、東北配属を希望。
NPOの活動に参加して、清掃活動や植林活動、津波で流された写真を修復したり、仕事でも震災復興支援にかかわる企画を実施したりもしました。
そこで気づいたことが、「手触り感の不足」。
東北のためになりたい。あれ、でも、これ誰のためにやってるんだっけ?
「被災者」って言ってもいろんな人がいる。だれが、どんな人で、どんなことを求めているかも、実は知らない。
「社会貢献」って何なんだ?
そんな思いが強まって、社会貢献の現場に入り込んでみたくなりました。
日本にも困っている人はたくさんいるけど、もっと困っている人や難しい問題がある場所はどこだろう?
そうだ、「途上国」に住めばなにか分かるかもしれない。じゃあ途上国に、しかもできるだけローカルな環境で過ごせる制度はないかな?
そう考えて選んだキャリアが、青年海外協力隊でした。
協力隊では、アフリカのルワンダという国に派遣されることに。
よく、「なんでルワンダを選んだんですか?」と聞かれますが、ほんとにたまたまです。
でもそのたまたまで人生がこれだけ変わるんですから、面白いもんですよね。
あれから2年。今年の1月にボランティアとしての任期をまっとうして、ぶじに日本にもどりました。
大学卒業時には「社会貢献がしたい。」
会社員時代には「社会貢献ってなんだ?」そう思ってきました。
そして協力隊を終えたいま。
意外なことに「社会貢献がしたい」、なんてことは思わなくなりました。
ボランティアとしての2年間で実感したのは、圧倒的な「無力感」。
現地の人たちはとっても幸せそうに暮らしていますが、インフラや教育、医療環境など、整っていないことはたくさんあります。
「せっかくボランティアとして来たんだから、なにかルワンダの人たちに役立てるでっかいことがしたい」
そう思っていたものの、どの問題もたいてい複数の要因が絡み合っていて、とてもボランティアひとりで太刀打ちできるようなものではありません。
それに、現場ではたくさんの大きな組織が動いています。
各国政府も、NGOも、民間企業も。
あれ?これ、自分なんかいてもいなくても変わらなくね?
それでも、「住民ひとりひとりと向き合って、彼らの暮らしや生き方を知り、ともに歩んでいく」というアプローチは、決して大きな組織にはできない、草の根で活動する人間だからできることだ、という確信を得ることができました。
じゃあ、次はどうしよう?と考えると、やっぱり「力」をつけたい。
これはきっと「社会を変えたい」というポジティブで外向きのモチベーションと言うよりも、「全然大したことができなかった自分を変えたい」という内向きの悔しさや憤りから来るものだと思ってます。
まだまだこんなもんじゃない。自分ならもっとすごいことができる。なのにいまは全然理想に追いついていない。
じゃあ、「力」ってなんだ?どうすれば世の中に価値を提供できる人間になれるんだろう?
その方法は「自分だからこそできること」を仕事にすること。
それが「ルワンダ、特に農村部とのつながり」×「情報発信」でした。
得意なこと、好きなこと、求められていることの3つをかけ合わせれば、自分ならではの仕事ができる。
そう考えて行動していたら、ありがたいことにだんだんと仕事が舞い込んでくるようになりました。
本格可動はようやくこれから、というところですが、すでに「自分だからこそできる仕事をすることで、誰かに特別な喜びを与えられる」ということを実感し始めています。
とりあえず9月、10月は会社員時代の収入を超えられそうです。その後も続くかどうかはここからの頑張り次第。
まず、自分自身が圧倒的な力をつけること。その力をたったひとりの誰かのために使うこと。
「社会貢献する!」なんて声高に叫ばなくても、それだけでおのずと社会を良くしていくことにつながるんじゃないかと思ってます。
そのための、ルワンダ再チャレンジ。
まずは自分のために。そしていっしょに来てくれた奥さんのために。
行ってきます。