タケダノリヒロ( @NoReHero)
あなたの子どものころの夢は何でしたか?
私の夢は「ヒーローになること」でした。幼稚園の七夕で短冊に「オーレンジャーレッドになりたいです」と書いたことや、変身ベルトを身につけて自慢げに隣の家に遊びに行っていたこと、頑張ればかめはめ波が出せると思って家族に隠れてこっそり腕立て伏せしていたことを、いまでも鮮明に覚えています(腕立てじゃ無理でした)。
さすがに大きくなってからはそんな夢をもつことはなくなりましたが、大学時代には表参道でスカウトされて、「もしかしたらこれでヒーローものに出れるかも!」と思って聞いたこともない芸能事務所に入ったりもしました。もちろん何本かエキストラをやっただけで終わり。雑誌『FINE BOYS』のモデルからシンケンレッドになった松坂桃李くんをただただ羨望の目で見るだけでした。
そんなヒーローにあこがれる人生を送ってきて約30年。ここにきて、臆面もなく「ヒーロー」ということばを使う人たちに出会うようになりました。
白井響・職業「ヒーロー」
ひとり目は、白井響さん(@hibiki_isa_hero)。職業は「ヒーロー」です。
どうです、それだけで「やばい奴」感があるでしょ?実際、ただものではなく、彼は現在クラウドファンディングに挑戦中で、調達金額は200万円を越えました。
彼がつくろうとしているものは、「SuKi」という仲間集めサービス。今回のクラウドファンディングは「All or Nothing」方式なので、目標の300万円に到達しなければ1円ももらえなくなってしまいますが、すでに200万円集まっていることから彼がどれだけ多くの人たちから応援され、期待されているかが分かりますよね。
落合陽一さんの本を200冊買って広めたりとか。
前田裕二さんとの講演会を主催したりとか。
とにかく大物にも積極的に絡んでいく行動力がすごい。
なので相当トガった人なのかと思ってたのですが、先日私の勉強会にも来てくれて、はじめて話したらものすごくやわらかい感じの青年でした。
これからのヒーロー活動に期待してます!
番匠谷 拓実「社会をよくするヒーローが、お金に困らないように」
ふたり目は番匠谷 拓実さん(@banjoyatakumi)。読み方は「ばんじょうや」さんね。
「社会をよくするヒーローが、お金に困らないように」というコンセプトのもと、まさに「HERO」というサービスを開発中です。独自の通貨を活用して、社会的に価値のある取組みを評価、お金に換えることができるようにするもの。
そのきっかけには、こんな思いがありました。
今までいろいろ会ってきたNPOの人とかめちゃくちゃ優しい。想いが強い。その想いがお金がないことで潰されるのが悔しい。お金がない辛さは自分は多少は共感できると思うし、そこに寄り添って、一緒に社会を優しくできたらと思っています。
引用元:はじめまして、番匠谷 拓実です。
自分自身にお金がなくなって泣くほど辛い思いをしたこと、社会を良くしようとしている人たち(ヒーロー)はたくさんいるのにその想いがお金がないことでつぶされてしまっていること。
そんな体験に突き動かされて活動しているんですね。7月中にはサービスのβ版がリリースできそうとのこと。超楽しみ。
3月にこんな恐縮すぎるツイートをしてくれていて、ダイレクトメッセージをもらって、
翌4月には会ってお話することができました。いろいろ共感できることが多くてほんとに楽しい時間でした。私も「HERO」のひとりになれるよう、がんばります。
バカリズムに学ぶ、ヒーローが戦う意味
「ヒーロー」を名乗る人と、「ヒーロー」を応援する人。それぞれのヒーローの定義は違うと思いますが、「困っている人を助けたり、世の中を良くしたりする人」という点ではイメージは共通しているのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。そもそもヒーローは、なぜ世のため人のためにはたらくのでしょうか?なんのために戦っているのでしょうか?
先日観たバカリズムさんのコント『黒い理由』にそのヒントがありました。
動画:バカリズム Official Youtube Channel より
登場するのは悪のブラック将軍と、それを倒しに来た正義のヒーロー。地球を「闇の世界にする」と言う将軍に向かってヒーローは「『闇の世界』って何なんだよ。なんでそんなことするの?仮にできたとしてその後どうするの?」と、観ているこちらが「もうやめてあげて……」と思うほどガチガチの理詰めで責めていきます(一人二役だけど)。
ブラック将軍は心身ともにボロボロになるものの、最後に「じゃあ、お前はなんで正義のヒーローなんかやってるんだよ?」と反撃。その際のヒーローの返答が実に深いんです。一部会話を抜粋します。
悪「お前ら正義だって別にメリットがあってやってるわけじゃないだろ?なあ?え?現にお前、おれを倒したことでなにか得たか?何も得てないだろ?そりゃ地球を救ったかもしれないよ。でもおまえ自身は何も得てないだろ?
じゃあなぜお前は戦うんだ?なぜお前じゃなきゃいけないんだ?それはお前が『正義』だからだろ?おれは『悪』だから、『悪』だからお前と戦わなきゃいけないんだよ。ほかに理由なんてあるか?ないだろ?お互い。
そういう意味ではおれら、おなじようなもんだろ!」
ヒーロー「いや、ちがうよ」
悪「なにが違うんだよ」
ヒーロー「まあ、たしかに地球を救ったところで個人的にメリットがあるわけでもないし、お金とかもらえるわけでもないし」
悪「じゃあなんでお前が戦わなきゃいけないんだ」
ヒーロー「まあそれは、おれが、これが好きだからだよ。それが、理由だよ」
悪「……なんだ、綺麗ごと言いやがって」
ヒーロー「綺麗ごとって言われればそれまでだけどさ。でも正義のヒーローになって、悪と戦って地球を救うことがちっちゃいころからの夢だったんだよね。だからいまは好きなことができてるから、別に、充実してるよ」
「これが好きだからだよ。それが、理由だよ」
カッコェェ……!!!
やっぱり「好き」に勝る理由なんてないんですよね。好きなことをやることが、楽しいし、成長できるし、人生を充実させてくれるんです。
「『悪』が存在しなければ『ヒーロー』の存在意義も価値もない。つまり、ヒーローは自らが倒そうとしている『悪』によって存在を肯定されている」という矛盾をあぶり出しつつ笑いに変えている点が天才的ですが、「好きだからやる」という、自分には絶対的な真理であり他人には否定できない「人生哲学」のような考え方を軸に持ってくるあたり、バカリズムすげぇぇと思わされますね(オチは変態的ですが)。
ずっと、ヒーローでありたい
私は3年働いた大企業を辞め、2年間アフリカでボランティアをしてきて、これからまたアフリカに戻って起業しようというところ。人生の過渡期にあって、毎日考えることばかりです。
「なぜお前は戦うんだ?なぜお前じゃなきゃいけないんだ?」
というブラック将軍のことばは、毎日自分自身に投げかけている問いでもありました。
自分は何のためにはたらくのか。なぜ自分でなければいけないのか。それによってだれを幸せにして、自分はどうなりたいのか。
毎日毎晩考えているつもりでも、うまくことばにできていない部分はきっとたくさんあります。だからこそ「本当にこれでいいんだろうか?」「この道で大丈夫なんだろうか?」と不安になることも。
でも、どんなに悩んだとしても「好きだからやる」という自分の「好き」は、誰にも否定できません。それだけは、絶対に間違いじゃない。そこから目をそらしさえしなければ、絶対に大丈夫。
変身ベルトもないしかめはめ波も打てないけど、「好きだから戦う」っていう最高にカッコいいヒーローを目指します。
好きだから、やりたいこと
日本にルワンダブームを起こします。旅行者倍増計画!~起業準備日記~