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お客さんでも断る!?アフリカの先輩起業家に相談してみた~起業準備日記~

タケダノリヒロ( @NoReHero

アフリカ・ルワンダでスタディツアーを中心とした事業で起業する予定で、ただいま日本で準備中です。

日本から大学生・高校生や若手社会人などの参加者を募って、村にホームステイをしたり、ボランティア体験をしたり、企業視察をしたり、ルワンダの歴史と文化とビジネスを学べるツアー「START」を考えています(リンク先はデモサイト)。

この記事は、起業までの過程を記録する「起業準備日記」シリーズ第二弾。

【これまでのお話】
海外法人の日本人向けスタディツアーは旅行業法違反!?~起業準備日記~

アフリカでツアー運営する起業家に相談してみた

ツアーの開催方法についていろいろ調べていると、ある懸念点が浮上。それは「旅行業登録をしなければ、ルワンダでのスタディツアーは違法になってしまうのではないか」疑惑(前回の記事『海外法人の日本人向けスタディツアーは旅行業法違反!?~起業準備日記~』を参照)。

日本の法律では、何百万円もかかる「旅行業登録」をしないとツアー運営はできないのですが、私はルワンダの会社でやろうとしています。だから日本の旅行業法は関係ないよね……?とは言え、日本人が日本人に向けてやっているツアー。ほんとに旅行業法は関係ないの?違法じゃないの?というのが私が抱えていた疑問。

どうしようかな、といろいろ調べていたところ、私が計画しているのと同様に、アフリカに現地法人をつくってそこでツアーを運営している会社(「A社」とします)を見つけました。

ダメもとでその代表の方(「Aさん」)にメッセージを送ってみると「ご質問の回答ですが、活字にすると長くなってしまいそうですので、LINE電話でお話しするのはいかがでしょうか」というありがたすぎるお返事が……!

お言葉に甘えて、さっそくお時間をいただき、電話で質問をぶつけてみました。

先輩ツアー運営者の回答

以下、アフリカでツアー会社A社を運営している代表Aさんとのやり取り。

旅行業登録はしていない

タケダ「さっそくですが、A社さんは旅行業登録をしていますか……?」

Aさん「登録はしていません。起業したときに、すでに展開している先輩たちに聞いて検討したところ、旅行業登録は必要ないと判断しました。でも、できればしておいたほうがいいと思います。あと、お客様に『出来る限りの対策は取りますが、万が一のときは責任を取ることはできません』ということを伝えて了承してもらうことが大事だと思います」

タケダ「そうか……!責任を取ることばかり考えていたのですが、そもそもそのような契約にしておけばいいのですね」

A「ただ、裁判を起こされたらどうなるかは分かりません。だからターゲットをしぼることが重要だと思います。自分たちのことを好きになってくれる人、リスクも承知で来てくれる人を集めるということですね。経験上、『責任取ってくれるんでしょ?』という人の方が危ないです。実は、『この方は危なそうだ……』と思ってお断りしたこともあるんです」

タケダ「えぇぇ!!?ツアー会社の方からお断りするなんて相当ですね!」

A「はい。でも、その方の命がなくなって、ご家族を悲しませて、さらには自分たちの会社も潰れてしまうというリスクをおかすより、仮に怒らせてしまっても丁重にお断りするほうが大事だと思ったので」

【ポイント①】
旅行業登録はしていない。お客様にはリスクも承知の上で来てもらう。

注意喚起は徹底する

タケダ「サイトに掲載されていた『旅行条件』は、日本やA国の法律に基づいてつくられたものですか?ルワンダで同様の条件を作る際に参考にしたいのですが」

A「法に基づいたような正規のものではなく、知人の会社の条件をベースにつくったものです。あれは日本でよくある細かすぎて誰も読まないようなものではなく、実用的で読んだら得するようなものにしました。だから『野生動物には手を触れない』『大金を持ち歩かない』といったことまで書いています」

タケダ「たしかにすごく読みやすくて、実際に使えそうでした!そうやって旅行者に自分の身は自分で守れるよう意識づけすることもリスクヘッジになりますね」

【ポイント②】
旅行者が自分の身は自分で守れるよう、わかりやすい注意喚起を徹底する。

旅行会社との提携

A「そう言えば、リスク管理を考えると、旅行業登録している日本の旅行会社と提携するのもひとつの手だと思いますよ。私たちの場合、自社サイトから直接申し込む以外に、契約している旅行会社さん経由で来るお客さまもいます」

タケダ「そうですよね。それも考えたのですが、なんとなく自分の力でやってみたい、大手旅行会社の単なる下請けや窓口になってしまうのは嫌だ、などという気持ちもあって……」

A「その気持ちは分かります。私もそうでした。でも旅行会社さんを経由するといろいろ教えてくれて勉強になりますよ。ただ、そういった会社に頼り過ぎないこともリスク管理のひとつですよね。1社から契約を切られたら終わり、という状況を防ぐためにも複数の会社と契約を結ぶのもありだと思います」

タケダ「そうですね!自分でやることばかり考えていましたが、旅行会社と提携することも考えて、必要だったら営業に行ったりしてみます!」

A「私もその会社と契約するときは営業しに行きましたから。何社か当たってみるといいかもしれませんね」

【ポイント③】
旅行業登録をしている日本の旅行会社との提携もあり。

今後の3つの選択肢

ということで、こんな見ず知らずの私のために大変丁寧にご回答いただきました。とっても勉強になりましたし、なにより楽しかったです。

さらに電話が終わってから、「この会社もトライできるかも」と私がアプローチできそうな旅行会社を教えてくださったり、「クラウドファンディングで資金を集めて、日本で旅行業登録する方法もあると思います」と代替案を送ってくださったりしました。

Aさん、本当にありがとうございました!!いつの日か、直接お礼に伺います。

ということで、ツアー会社を運営していく形式について3つの選択肢が出てきたので、それぞれパッと思い付いたメリット・デメリットをまとめてみました。

  メリット デメリット
現地法人をつくり、代理店には頼らない コストがかからない。シンプル。好きなようにできる。 有事の際のリスクが大きい。
現地法人をつくり、代理店と提携する 有事の際のリスクを減らせる。窓口が増えて集客アップにつながる。ノウハウを学べる。 仲介手数料が必要。他社への配慮が必要。
日本法人をつくり、旅行業登録する もっとも信頼度が高い。 お金がかかる(からクラファンなどの必殺技が必要)。手続きが大変。

「現地法人をつくり、代理店には頼らない」か「現地法人をつくり、代理店と提携する」か「日本法人をつくり、旅行業登録する」かーー

いずれにせよ、自力で道をつくってこられた先輩のお話を伺ったおかげで道が開けました。

特にツアーの安全を保つためならたとえお客さんでもお断りする、という真摯な姿勢には感銘を受けました。

「アフリカに行ってみたいけど勇気がない」「国際協力をしてみたいけどどうしていいかわからない」という人たちの可能性を広げていくために、最高の会社、つくっていきます!

タケダゴロク
 
楽しくなってきた!

【これまでのお話】
海外法人の日本人向けスタディツアーは旅行業法違反!?~起業準備日記~

norihiro415:
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